3 ✿ いつぞやの宇宙人

文字数 930文字

ホテルの玄関先に停まった車から、出てきたのは…。
咲良さらさん、お久しぶりです!
ジョン! 久しぶりだね!
は、ハロー…
(ええと誰だっけ、この人。咲良の家族が入院した時、病室にいた人だ! 確か……)

病室で、名前を聞いた気がする。


理々が記憶をたどっていると、ジョンが手を差し出した。

春の事件では大変お世話になりました、天羽(あもう)さん。


改めまして、ジョン・リンデンです。

うわあ、日本語上手!

天羽あもう 理々りりです。よろしく!

ジョンと理々は握手をかわした。

ここは暑いですね。

お二人とも、ロビーで待っていてくださればよかったのに。

待ちました?

ついさっき出てきたばかりよ。

ジョン、が……。じっとして

咲良は、ハンカチで彼の汗をぬぐった。

All right. 

Thank you for your kindness.

ジョンは、咲良のおでこと頬にキスをした。
毎日あなたを想っていました、咲良さん。

会えて、本当に嬉しい

私も……ずっと会いたかった
見つめ合う咲良ジョン


理々は、ぽかーんとながめていた。

え? えぇ?

なんか良い感じ……だけど。

もしかして2人って、そ、そそ、そーいう関係なの?

そーいう関係だよ。恋人同士

助手席からラルフが出てきてフロントガラスに頬杖をつき、にやりとする。
ら、ラルフさん。こんばんは!

おおっ、あなたは!

いつぞやの宇宙人

フライング・ヒューマン

宇宙人じゃねぇ。

生まれも育ちも地球だ!

冗談よ。魔法使いなんでしょ?

ラルフ・ローゼンクランツさん。

名前、覚えててくれたのか、嬉しいな。


久し振り、天羽(あもう) 理々(りり)さん。

理々、でいいよー! よろしくね。

理々とラルフは握手した。

さあ、皆さん。

立ち話もなんですし、どうぞ乗ってください。

ジョンが車の扉を開け、咲良と理々を後部座席にうながした。


ラルフは助手席に、ジョンは運転席に戻り車を発進させた。

……すんっ。くんくんっ。


ちょっと、こげくさい臭いがする。

どっちか煙草吸ってる? 

俺が煙草を吸うけど、これは別の臭いかな。


――悪い、仕事帰りなんだよ。

たぶん、硝煙の匂いですかね。

ハデにやりましたんで…

………派手に?
ドンパチやったってこと?

事件で、ちょっと…。

あ。換気しますね

ジョンは車の窓を開けた。
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登場人物紹介

帯刀 咲良  (たてわき・さら)


 高校2年生、剣術道場の娘。

ジョン・リンデン


イギリス人

インターポールの捜査官。

天羽 理々(あもう・りり)


高校2年生、咲良の親友

合気道部

ラルフ・ローゼンクランツ


ドイツ人

インターポールの捜査官。

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