(二)-4

文字数 220文字

 すでに配膳係の人は帰った後で、テーブルの上にはラップの掛けられたおかずなどが置かれていた。
 少女たちはコンロの上に用意されているスープを温め直すなど食事の準備をしていた。
 その間スークは冷蔵庫からビニール袋に入った茶色のどろどろした物を取り出した。コンソメで煮た玉ねぎであった。
 スークはそれを持ってカムラに向かって「行ってくる」と言い残すと、いつも以上に真剣なカムラのまなざしを背中に感じながら、寮の玄関で靴を履いて建物を出た。

(続く)
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