3 限りない欲求が政策を求めさせる!
文字数 726文字
政策を生み出す、人間性とは何でしょうか?
それは、多様で可変的な欲求を持つことだと思います。
欲求とは、遺伝的に組み込まれた本能だけでなく、
後天的な環境に応じても変わる、行動の動因です。
科学的には、脳神経細胞内における、
生化学的な電位変化などとして説明されます。
政策とは『様々な欲求に基づく意見があるが、
今はこうすべきである』という、
社会的な意思決定です。
制度とはより一般的に、『こういう時は
こうすべきである』という形にまとめた
社会的意思決定(法規)の体系です。
技術が進歩すると、経済・社会活動は
豊かになると共に複雑・加速化するので、
単純で固定的な本能だけでは営めず、
人間の欲求は多様化・可変化してゆきます。
そこで様々な欲求の衝突を緩和するため、
利害調整のための政策が必要になります。
人間性と言えば欲求というより、善意や希望など、
もっと美しい言葉も連想されますが、
人間は色々な希望や欲望を持つ複雑な生き物だ、
と言われると、その方が客観的にも思われます。
以上は、主に経済・社会活動を助ける、
一般的な政策について当てはまります。
しかし、広い意味では経済・社会活動の一部たる、
科学・技術の健全性を確保する、
技術的(いわゆるハード的)政策においては、
違う原理が働きます。
科学・技術を助ける技術的政策も、
政策なので広い意味では利害調整なのですが、
既存の技術のもとでの社会的利害調整ではなく、
その限界を越えるために、
次世代技術の導入や在来技術の発展を促す
政策といえるのです!
つまり人間性とは、
多様で可変的な欲求を持つことであり、
それが、社会活動を助ける利害調整政策や、
技術を助ける技術的政策を必要とさせます。
人間性=無制限的な欲求が、
二種類の政策を必要とさせるのです。