第30話 兄と妹
文字数 407文字
バイト先で話題の中心となったその日の内に、晴朗太はケーキを買って帰った。
妹は真っ先にケーキの袋に関心を示してから、兄を出迎えた。
妹は素直に喜びつつも、理由を求める。
面と向かって言うのは恥ずかしかったので、晴朗太はそう濁した。
そこで一切の疑問を挟まず、当然の権利として受け取れるのはさすがと言うべきか。
シスコン丸出しの思考で、晴朗太は許容する。
そうして、恋々子ちゃんの毒舌オシャレ教室は終わりを告げた。
でも、これから先も晴朗太は事あるごとに頼ることだろう。
その時は普通に仲の良い兄妹として――