翼の影
文字数 950文字
“魔法語”
それは魔法を行使する為だけに存在する訳ではない。
世界の万物と精神を誤解なく正確に表す唯一無二の言葉である。
そう教えるのは魔法語の講師“リカル ド”先生。
風紀委員会の顧問でもある彼は厳しく恐い事で有名でした。
少しネクタイが曲がっていたり、スカートが短いだけで教室から追い出されてしまうくらいです。
今、1つ星のクラスが習っているのは魔術の基礎である魔法語のごくごく基本。
入学前からある程度理解していたすずにはアクビが出る程退屈です。
人間には生まれついて魔力をもつ者が存在しない事。
魔法語で魔法式を組んで、精神力から魔力を紡ぎ出す事。
ソレをせずに魔法を行使出来る存在“魔族”は滅びてしまった事。
今時、幼稚園児でも知っていそうです。
別にサボりたい訳では無いのですが、分かり切った事を話されても眠たくなるばかり。
『魔法語より睡眠導入催眠術を教える方が向いてるの』
ついつい暇で窓の外に視線が移ってしまいます。
空は明るく澄み渡り、雲一つ無い快晴。
こんな日はオープンカフェでゆっくり過ごしたりしたいですよね。
なんて感じで全く授業が身に入ってない様子です。
でも彼女は勉強が嫌いな訳じゃないんですよ?
だって一番で在り続ける事を目標に、これまで努力し続けてきたんですから。
この箱庭魔法学校に入るまで常に一番だったんですから。
歌だって絵だって誰にも負けなかったんですから。
ただ、心は正直なもの。
興味の無い授業を真面目に受けるのは、誰であっても辛いもんです。
『・・・・・・!?』
ふと、外が一瞬暗くなった気がしました。
…それは凄く大きな何かが空を横切ったのだと理解します。
『クラスの皆は気付いていない』
見れば大きな翼を羽ばたかせる何かが、猛スピードでるみる小さくなって行きました。
あんな大きな影を落とす存在をすずは知りません。
やがて森の上で動きがぎこちなくなり…。
「落ちた…」
次の瞬間!
「イタッ!?」
教壇から投じられたチョークは真っ直ぐ飛んで彼女にヒット!
「何が落ちたのだ?」
あ、リカルド先生が怒ってます(汗)
質問されたテイですが答える事も許されません。
即刻、退席処分を受けてしまいました。
つか、今でもチョークを投げる先生っているんですね。
それは魔法を行使する為だけに存在する訳ではない。
世界の万物と精神を誤解なく正確に表す唯一無二の言葉である。
そう教えるのは魔法語の講師“リカル ド”先生。
風紀委員会の顧問でもある彼は厳しく恐い事で有名でした。
少しネクタイが曲がっていたり、スカートが短いだけで教室から追い出されてしまうくらいです。
今、1つ星のクラスが習っているのは魔術の基礎である魔法語のごくごく基本。
入学前からある程度理解していたすずにはアクビが出る程退屈です。
人間には生まれついて魔力をもつ者が存在しない事。
魔法語で魔法式を組んで、精神力から魔力を紡ぎ出す事。
ソレをせずに魔法を行使出来る存在“魔族”は滅びてしまった事。
今時、幼稚園児でも知っていそうです。
別にサボりたい訳では無いのですが、分かり切った事を話されても眠たくなるばかり。
『魔法語より睡眠導入催眠術を教える方が向いてるの』
ついつい暇で窓の外に視線が移ってしまいます。
空は明るく澄み渡り、雲一つ無い快晴。
こんな日はオープンカフェでゆっくり過ごしたりしたいですよね。
なんて感じで全く授業が身に入ってない様子です。
でも彼女は勉強が嫌いな訳じゃないんですよ?
だって一番で在り続ける事を目標に、これまで努力し続けてきたんですから。
この箱庭魔法学校に入るまで常に一番だったんですから。
歌だって絵だって誰にも負けなかったんですから。
ただ、心は正直なもの。
興味の無い授業を真面目に受けるのは、誰であっても辛いもんです。
『・・・・・・!?』
ふと、外が一瞬暗くなった気がしました。
…それは凄く大きな何かが空を横切ったのだと理解します。
『クラスの皆は気付いていない』
見れば大きな翼を羽ばたかせる何かが、猛スピードでるみる小さくなって行きました。
あんな大きな影を落とす存在をすずは知りません。
やがて森の上で動きがぎこちなくなり…。
「落ちた…」
次の瞬間!
「イタッ!?」
教壇から投じられたチョークは真っ直ぐ飛んで彼女にヒット!
「何が落ちたのだ?」
あ、リカルド先生が怒ってます(汗)
質問されたテイですが答える事も許されません。
即刻、退席処分を受けてしまいました。
つか、今でもチョークを投げる先生っているんですね。