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文字数 209文字

・蒸気機関車の駅に駆けつける蘇峰。
 汽車の時間に遅れ、走っている。
 紋付はかまにソフト帽子をかぶっている。
 帽子が飛ばされないように手で押さえている。
 もう片方の手には大きなトランク。トランクには、挟まれた原稿用紙の端っこがのぞいている。
 

・列車のドアから顔を出して手を振っている蘆花。

◇徳富蘆花
「兄さ~ん
 こっちこっち!」

◇徳富蘇峰
「すまん!
 つい原稿に夢中で…」

・走り出す機関車。

・飛び乗る蘇峰。その手を引く蘆花。
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登場人物紹介

◆徳富蘇峰


25歳。

のちに100巻に及ぶ
『近世日本国民史』を書きあげ、
司馬遼太郎をはじめとする歴史小説家たちに
多大な影響を与えるジャーナリスト。

紋付きはかまにソフト帽など、和洋折衷な感じ。
手には原稿用紙や本、執筆道具の入った大きなトランク。
髪はボリュームがあり、生真面目な美青年といった感じ。

◆徳富ロカ


20歳。
実際の漢字表記は「徳富蘆花」。

徳富蘇峰の弟で、
のちに小説家として名を馳せる。
代表作はベストセラーとなった『不如帰』。
近年では探偵小説の作家としても
注目されている。

夏目漱石の『坊ちゃん』のようなはかま姿に、学帽。
着物の下にシャツのようなものを着ている。
丸いメガネをかけている。
可愛い弟キャラ。

◆勝海舟


60代。

江戸幕府の家臣として明治維新のため奔走した英雄のひとり。
坂本龍馬や西郷隆盛にも多大な影響を与えた。
邸宅に徳富兄弟を居候させているが、
生涯8人の愛人を作り同居したという恋多き男でもある。

初老で和服を着ている。

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