【episode2-夏祭りの夜】

文字数 201文字


沙楽(さら)魁人(かいと)

二人の出会いは、小学校高学年の夏祭りのことだった。



初めて会った他校の生徒。

それが、後に互いの人生に大きな影響を与える人物になろうとは、この頃の幼き2人には想像もつかなかった。



「もう、家に入りな。」

夜道に魁人の声がする。



家の前まで送り届けた沙楽が、塀から小さな顔を覗かせ、いつまでも魁人のことを見送っていた。

「うん、ありがとう。」



2人の心には、お祭りの屋台のように淡く(ほの)かな灯りが燈っていた。


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