ある天使の日常<魔界の記録「書」の前にて>(※諸事情で本文改稿)
文字数 879文字
「まだあるか」
まだ見つかる「そういう行為」に、ソレーズは苦笑を隠せない。
これがまだ他の悪魔だったら気にしなかったかもしれないが、相手があのゾルデフォンだと思うとどうしても笑ってしまう。出会った頃からずっと、何にも心動かす様子もなく無表情だったあの存在が、恋をした天使相手には驚くほど変貌しているのだから仕方ない。
そういうお茶目な部分もあったのか。
と、当の悪魔に言ったら睨まれそうな感想を抱きつつ、事務的にその記録を消していく。
まぁ他の部分同様、ここも別に重要さは何もない場所だ。
端的に言うなら。
自分の膝の上で眠る天使にアレないたずらをする悪魔
という、よくまぁここまで仲良くなったものだと最初の経緯を知ってる側からすれば驚くほど親密になった様子が見られる部分である。正直言うと行為より、記録を見る限りでもゾルデフォンが非常に楽しそうな部分の方が吃驚する。
恋はここまで悪魔を変えるか。
ゾルデフォンの溺愛っぷりがよくわかる記録は、面白いので残したいような気もするのだが、後でそれがバレたら面倒なので仕方なく削除する。
それにしても、あの赤髪の悪魔が、こうなるとは。
なんとも……マリラデートの作る薬並みに恐ろしいものだ。
「こういうのを何ていうんだっけか」
彼からして平和な記録内容に、なんとなく記憶がくすぐられて一瞬ソレーズは考える。
「あぁ、あれだ。めでたし、ってやつだ」
物語で見かける記載。悪魔にはあまり似合わない甘い結果。
だが恋の記録として考えれば、書の中に多く残されている破滅の結果よりも余程いい。何がいいって、作業力たる悪魔が全く減らずに終わってる所が。他の恋もこうなら、恋という現象がここまで脅威に捉えられることもないだろうに。
悪魔の性質を考えれば、天使相手にそんな言葉が似合う未来を掴むなど、星を落とすよりも難しい。
なんとなく面白くなって、ソレーズは書の中にその言葉を書き込んだ。
彼らの未来は終わっていないが、たまにはこんな言葉が入る記録も、悪くない。
(この部分の話がなぜこうなったのかは、この先の話「魔界の記録」にて。)
まだ見つかる「そういう行為」に、ソレーズは苦笑を隠せない。
これがまだ他の悪魔だったら気にしなかったかもしれないが、相手があのゾルデフォンだと思うとどうしても笑ってしまう。出会った頃からずっと、何にも心動かす様子もなく無表情だったあの存在が、恋をした天使相手には驚くほど変貌しているのだから仕方ない。
そういうお茶目な部分もあったのか。
と、当の悪魔に言ったら睨まれそうな感想を抱きつつ、事務的にその記録を消していく。
まぁ他の部分同様、ここも別に重要さは何もない場所だ。
端的に言うなら。
自分の膝の上で眠る天使にアレないたずらをする悪魔
という、よくまぁここまで仲良くなったものだと最初の経緯を知ってる側からすれば驚くほど親密になった様子が見られる部分である。正直言うと行為より、記録を見る限りでもゾルデフォンが非常に楽しそうな部分の方が吃驚する。
恋はここまで悪魔を変えるか。
ゾルデフォンの溺愛っぷりがよくわかる記録は、面白いので残したいような気もするのだが、後でそれがバレたら面倒なので仕方なく削除する。
それにしても、あの赤髪の悪魔が、こうなるとは。
なんとも……マリラデートの作る薬並みに恐ろしいものだ。
「こういうのを何ていうんだっけか」
彼からして平和な記録内容に、なんとなく記憶がくすぐられて一瞬ソレーズは考える。
「あぁ、あれだ。めでたし、ってやつだ」
物語で見かける記載。悪魔にはあまり似合わない甘い結果。
だが恋の記録として考えれば、書の中に多く残されている破滅の結果よりも余程いい。何がいいって、作業力たる悪魔が全く減らずに終わってる所が。他の恋もこうなら、恋という現象がここまで脅威に捉えられることもないだろうに。
悪魔の性質を考えれば、天使相手にそんな言葉が似合う未来を掴むなど、星を落とすよりも難しい。
なんとなく面白くなって、ソレーズは書の中にその言葉を書き込んだ。
彼らの未来は終わっていないが、たまにはこんな言葉が入る記録も、悪くない。
(この部分の話がなぜこうなったのかは、この先の話「魔界の記録」にて。)