「韻を踏みながら文章をつなぐ方法を伝授しましょう」
文字数 1,631文字
「踏子はパンを食べることにした」
→「つい転びそうになりながらも、踏子は急いで半額のパンを跳ねるように食べることにした」
どうも皆さんこんにちは。かわいい女の子は今回も登場しません。私はいま、「跳ねるようにパンを食べるってどういうことだ」と思いながら文章とにらめっこしているところです。
今回は誰の役に立つのか存じ上げませんが、韻を踏みながら文章をつなぐ方法を伝授しましょう。知ってるなら読む必要がありません。読み飛ばしましょう。
「踏子はパンを食べることにした」
この文章が例題です。まず踏めそうな単語を抜き出します。その際、助詞などは省いてしまうのがいいでしょう。すると……。
「踏子、パン、食べる」
この3単語で踏めそうです。しらみつぶしに踏んでみますか。
踏子→国を、釣りを、振りを、罪を…
パン→缶、班、餡、湾…
食べる→兼ねる、果てる、バテる、爆ぜる…
2-3文字程度ではいくらでも出てきてしまうので、キリがないですね。この辺にしておきましょう。
思い浮かんだ中から取捨選択し文章に入れる言葉を決めましょう。この際、元々の文章に繋げられそうな言葉を選びます。例えばパンを食べる文章でいちいち「国を」なんて韻は踏めませんが、もっと日常的な韻なら使えそうです。ということで「つい転び」で踏みましょう。「ついこ(uio)ろび、踏子(uio)」で韻を踏んでいます。
「つい転びそうになりながらも、踏子はパンを食べることにした」
ここで韻を混ぜることにより文章が長くなりました。前後関係を補足したければ更に「遅刻だと気づいた踏子は、急いで階段を降りてつい転びそうになりながらもパンを食べることにした」などとすればストーリーが出来上がることと思われます。
続いて「パン」ですが、2文字の韻なんて腐るほどあるので選び放題。ここはパンと踏むので、パンの値段に繋げられる「半」を使います。
「踏子は半額のパンを食べることにした」
これは韻が腐るほどあるだけあって、綺麗に文章として成立しました。半額のパンって賞味期限とか怪しそうですが構わず次に行きましょう。
最後に「食べる」です。上で選んだ韻4つでは上手く繋がるか微妙です。まさか食べただけで果てたりバテたり爆ぜたりしてたらオーゴトです。大事に至ります。ここは「跳ねる」を使ってみましょう。
「踏子はパンを跳ねるようにして食べることにした」
狂ってます。よほどパンがおいしかったのでしょうか。
ということで冒頭の悩みに戻ります。跳ねる以外に何か適切な韻があるか、皆さんも考えてみてください。練習だと思って。
うーん。
……。
叫ぶ……。
……。
「踏子はパンを叫ぶようにして食べることにした」
あっ発狂してるだけだこれ……。
……。
うーん……。
……。
喘……違う、これただの変態だ。
……。
……。
もういいや。
「つい転びそうになりながらも、踏子は急いで半額のパンをさえずるように食べることにした」
はい完成!! さえずるように食べる!! まるで鳥みたい!! なんて詩的な表現ナンダーーー!!!(棒)
というわけで、思いつかなかったという私的な都合を指摘される前に高飛びの準備をします。追手を撒けたらまた唐突に次回をやるかもしれません。今回の内容が誰かの役に立つとは到底思えないのですが、もしかすると誰かの役に立つかもしれませんので、置いておきます。
そして前回の話を書いてみて分かったのですが、どうも現時点でこの作品の内容について理解している読者はごく少数のようです。ですがこの作品で主張していることが大多数の役に立つとは思えないので当然ですし、むしろそう簡単に理解されても逆に癪であるということで、この先もこのままのスタイルで通します。そしてこの文章を読んでいるあなたは相当根気強い方でして、賞賛に値します。理解もできていれば敬意を表しましょう。
以上、「小説を書く時に韻を踏みたくなったら使えそうな気もするテクニック」でした。