第3話 マジすか?!

文字数 2,268文字

はい、上田龍一君。人の話はちゃんと聞きましょう。この後転校生の子がいるのに、上田君のせいで、出席と自己紹介進んでませんよ。
すいませんでした…
可愛い転校生と聞いていたからなのか、男子から冷たい批判が俺へ相次いだ…
はい。じゃあ上田 龍一君。自己紹介してください。
はい!上田 龍一です。特技は何もありません。ボケーっとしてすいません。よろしくお願いします。
俺の自己紹介が終わると、しらけていた…


そんな雰囲気を愛と神谷が変えてくれた…


二人だけ拍手してくれた…


神谷が拍手してくれたから、他の人達も拍手してくれた。

(神谷なんていい奴なんだよ…でも愛のことだけは奪わないでくれ(泣))
どんどん進んでいき、神谷の自己紹介の時は女子達全員の目が輝いていた…


(羨ましいし、恨みたいけど、神谷いい奴すぎて恨めない…そりゃあみんな惚れるよな…)

全員の自己紹介が終わると、先生が言った。
それじゃあ、今日から皆さんとお友達になる転校生を紹介します。


どうぞお入りください。

先生がそう言うと、ドアが勢いよく開く…


少しギャル要素の入った美少女が入ってきた…


神谷以外の男子はテンションが上がっている。


ちょっと派手目なクラスの目立つ女子は敵意をむき出しに見ているのがわかる…

転校生は先生の立つ教壇の横に立つ。
はい。じゃあ皆さんに自己紹介してください。
はい。冬月 千春(ふゆつき ちはる)です。よろしくお願いします。

素っ気なく。愛嬌のない自己紹介にも関わらず、俺の時とは対照的に男子はとても歓迎の雰囲気だ。

冬月さんの席は、え〜っと、あ!あそこ空いてるから、あそこの席で。
先生が指さしたのは俺の隣の席。


男子達の羨ましそうな視線が俺に刺さる…


(いや、わかるけどさ…なんか自己紹介の感じ愛想なさそうだよ…)

転校生の冬月さんが俺の隣に歩いてきて、勢いよくドスッと席に座った…
上田 龍一です。よろしくお願いします。
なんて言っていいかわからないけど敬語になってしまった…
あっそ。わかんないことがあったら、こっちから話しかけっから、話しかけてくんな。
(は?今なんつった?いきなり初対面で感じ悪くねーか?)
あ、はい…
(こんなの羨ましくもなんともないだろ…ピリピリしてるし…)


冬月さんの隣の愛と目が合うと苦笑いしていた…

そのまま休み時間になる…


俺は気まずいので席を離れて廊下に出ると、冬月さんと神谷の席の周りには人が溢れていた。


俺の席は勝手に座られている…

その光景を廊下から見ていると、トイレから帰ってきた愛に話しかけられた。
なんか、席に戻りづらいよね(汗)


お互い人気者の隣の席は大変だね(汗)

そうだね(汗)てか、愛はまだいいよ。神谷は性格いいもん(笑)


冬月さん、俺とっつきにくいんだけど…(汗)

そうかもね…(笑)冬月さんは今日が初日だし、緊張してるだけかもしれないから、龍一君が隣なんだから、色々親切にしてあげないと、困るんじゃないかな?


神谷君は凄い親しみやすいよね。私あんまり、その男子も女子も話すの苦手だから、龍一君とかくらいしか、ちゃんと喋れないから不安だったんだけどさ、神谷君はなんか、そんなに緊張しないで話せるよ。

(あ〜愛も神様に惹かれてしまっているのか?(泣))
わかるけどさ…わかんないことあったら、こっちから話しかけっから話しかけてくんなとか言われたんだぞ?(汗)


どう接しろっていうんだよ?(汗)


とりあえず戻ろうか。

休み時間も終わりそうなので席に戻ると、愛の席に勝手に座っている女子が神谷にずっと話しかけていて、愛はポッツんこになっていることに神谷はすぐに気づいて、その女子をどかして、愛は無事に席につけた。


そんな光景をただ見ているだけの俺…


(神谷みたいに出来たら少しは男らしいんだろうけどな…)

一方の俺は自分の席に戻れずにいる…


勝手に席に座って冬月さんにひたすら話しかけている男子に何も言えない…

俺の席に勝手に座っている男子は陽キャの笹川 友樹(ささがわ ともき)。


目立つタイプで俺とは違うタイプ…

千春ちゃんってさ〜昔アイドルでいた、白石 千春って言う子にめっちゃ似てない?よく言われない?
笹川がそう言うと周りもそうだねって騒ぎ出す。
そう。じゃね。
はぁ?冷たくない?アイドルに似てるからって調子乗ってる感じ?(笑)
いや別に。あんまり人に馴れ馴れしくされんの好きじゃないだけ。
そんなこと言うなよ〜。転校してきたばっかで友達いないだろ?


俺がお友達なってあげるからさ(笑)

嫌そうな顔をしている冬月さん…


もちろん俺は助ける度胸もない…

神谷が席を立ってこっちにきた…
笹川やめろよ。馴れ馴れしくされるのが嫌だって人に、しつこくすんなよ。


転校してきて初日で、慣れてないんだから、ちゃんと相手のこと考えてやれよ。

神谷がそう言うと笹川は諦めて自分の席に戻っていった。
大丈夫?じゃ。
神様は冬月さんを助けるとかっこよく自分の席に戻っていった…


(あ〜冬月さんもきっと神谷に惹かれてしまうだろう…)


なんて思ってたら、周りが席に戻っていくと、冬月さんはボソっと

キザやろうキモ。
(え?マジで?!なんつった?!助けてくれて、馴れ馴れしいの嫌いっていうから、ただ席に戻っていった神様をキモって言った?!こいつめちゃくちゃ性格悪いんじゃねーか?)
小さな声で言っただろうけど、側にいた俺にだけは聞こえた…


冬月さんと目が合う…

お前、聞いてた?チクんなよ。


チクったら殺すからな。

は、はい…
(ヤバい人の隣になってしまった…)
※冬月 千春 城西高等学校への転校生。


ほぼ二重人格並みに性格が悪い。先生の前でだけいい子な感じ?

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登場人物紹介

上田 龍一(うえだ りゅういち)

城西高等学校2年生

成績、スポーツ、容姿全てが平均的男子。同級生で同じ高校で同じクラスの坂木 愛(さかき あい)に恋をしている。

冬月 千春(ふゆつき ちはる)龍一のクラスへの転校生。

両親離婚前は白石 千春(しらいし ちはる)

元アイドル。そして記憶を失くしている。

坂木 愛(さかき あい)城西高等学校2年生。龍一と同じクラス。


目立つタイプではなく、あんまり人の輪に入ることが得意ではないが、容姿が良いため男子から密かに人気がある。

酒井 真美(さかい まみ)。龍一のクラスメイトで、愛の親友。

佐藤 明(さとう あきら)。龍一のクラスメイトで親友。

神谷 俊(かみや しゅん)。龍一と同じクラスで学年一のモテ男。性格もイケメン。

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