第２話 プロット
文字数 2,068文字
（起）
幼いころに事故で両親を亡くした天野みくるは、牧場を経営している叔父夫婦に引き取られ中学一年生になった。
両親と共に事故に遭い生き残ったみくるには、動物の言葉が分かるという特殊能力が備わったけれど、成長するにつれてその能力は失われていった。
叔父の牧場で東都テレビの人気番組「アニマル大スキ」の新アシスタントオーディションの公開録画が行われることになった。
みくるは「アニマル大スキ！」の人気マスコットのパグ犬「すばる」の大ファンで、『名探偵すばるにおまかせ』コーナーは欠かさず見ている。
一般観覧者に紛れて見ていただけなのに、みくるはオーディションを受ける羽目になる。否応なしで舞台に上げられたみくるに向かって、審査員席に座っていたすばるが突然吠え始める。
周りの人間にはただ「わんわん」としか聞こえなかったが、みくるには「おまえ、オレ様の言葉が解できるんだろう？つべこべ言わずにオレ様の付き人をやれ」に聞こえた。消えたと思っていたみくるの能力が呼び覚まされたのだ。
すばるが懐いているからという理由で、みくるはすばるの付き人兼見習いアシスタントに選ばれてしまう。
（承）
叔父夫婦に背中を押され上京したみくるは、すばるが飼われている屋敷に住み込むことになるが、そこはアイドル片桐玲央 の家で、すばるは玲央の飼い犬だと知る。片桐玲央は人気絶頂だったのに半年前に突然引退、それ以来、世の中に姿を見せていない。
撮影中の事故で顔に大怪我をして表舞台に出られなくなったとか、すでに死亡したという噂まである。
みくるは人間のアイドルには疎いけれど、片桐玲央のことは知っていた。
医師免許を持つ片桐家の執事Dr.前島が屋敷内のすべてを取り仕切っていて、芸能界を引退した玲央は外国で暮らす両親のもとに行ったとみくるに説明する。
パグ犬のすばるは飛行機に乗せると窒息死する危険があるし、人気スター犬だったため、前島が世話をしながら日本で芸能活動を続けることにしたのだとか。
みくるは学校に通いながらすばるの付き人兼見習いアシスタントをすることになる。
みくるは『名探偵すばるにおまかせ！』のコーナーですばるの謎解きを視聴者に伝える役に抜擢される。みくるが動物の言葉を理解するということは、すばるに口止めされていた。
頭脳明晰なすばるの名推理をみくるが通訳という形で伝え、動物にまつわる事件を次々と解決に導く。
「ブラック猫カフェ事件」「ペットに遺産を相続させたい老婦人殺害未遂事件」「記憶喪失の猿を救え」等々……。
（転）
ある日みくるは「絶対に入ってはいけない。」とDr.前島にくぎを刺されていた部屋に間違えて入ってしまう。
そこには意識不明の片桐玲央が眠っていて、ベッドサイドにはすばるが座っていた。
すばるの説明では『名探偵玲央と助手犬すばる』という映画の撮影中に、玲央とすばるがつり橋から川に転落、それ以来、玲央は意識不明だという。
さらに、転落した際、玲央とすばるの意識が入れ替わったのだと……。
「ありえない」というみくるに「オマエだって、両親と交通事故に遭った後、動物の言葉が解るようになったんだろう？それだってありえないことじゃないの？」と言われ、すばるの言い分を信じる。
すばる（玲央）はみくるのことを前島に徹底的に調査させ、叔父の牧場が経営不振なことも調べ上げ、片桐家から融資がなされたらしい。それを知ってみくるは傷つくが、育ててくれた叔父さん夫婦の役に立てたならよかったと思いなおす。
すばる（玲央）はみくるに「オレが転落した事故は、誰かが故意にやったものだと確信している。けれど警察には事故として片付けられてしまった。必ず犯人を捜しだす。オマエをアシスタントに選んだのは、その手伝いをさせるためだ。」と言って、みくるをこき使う。
世間的には王子様と認識されている片桐玲央だけれど、本性は傲慢オレ様気質だとみくるは呆れる。
テレビで見ていた元の可愛いすばるに戻ってほしいみくるは、Ｄｒ、前島と協力して玲央とすばるの入れ替わりを戻そうと試みるけれど、失敗ばかり。
（結）
みくるはテレビ局の小道具部屋で、玲央と同じ事務所所属でライバル関係だったアイドル西岡湊 と事務所の社長が話しているのを立ち聞きしてしまう。湊は玲央の人気を嫉んでいたし、社長は自分の意のままにならない玲央を疎ましく思っていた。そこで二人は共謀して事故を仕組んだのだ。
玲央がいなくなれば映画の主役は自分だと思っていた湊だったけれど、パグ犬すばるは湊に懐かず、噛みついたりするため映画は無期延期となっていた。
みくるとすばる（玲央）は湊と社長を罠にかけ、二人の悪事を世間にさらすことに成功する。
協力し合う過程でみくるは玲央の優しい一面に触れ、胸キュンすることもあったけれど、天邪鬼なオレ様気質は簡単には変わらない。
玲央の意識が戻れば、すばるとの入れ替わりは元に戻るかも……と期待しつつ、今日も新米アシスタントの仕事に励むみくるだった。
了
幼いころに事故で両親を亡くした天野みくるは、牧場を経営している叔父夫婦に引き取られ中学一年生になった。
両親と共に事故に遭い生き残ったみくるには、動物の言葉が分かるという特殊能力が備わったけれど、成長するにつれてその能力は失われていった。
叔父の牧場で東都テレビの人気番組「アニマル大スキ」の新アシスタントオーディションの公開録画が行われることになった。
みくるは「アニマル大スキ！」の人気マスコットのパグ犬「すばる」の大ファンで、『名探偵すばるにおまかせ』コーナーは欠かさず見ている。
一般観覧者に紛れて見ていただけなのに、みくるはオーディションを受ける羽目になる。否応なしで舞台に上げられたみくるに向かって、審査員席に座っていたすばるが突然吠え始める。
周りの人間にはただ「わんわん」としか聞こえなかったが、みくるには「おまえ、オレ様の言葉が解できるんだろう？つべこべ言わずにオレ様の付き人をやれ」に聞こえた。消えたと思っていたみくるの能力が呼び覚まされたのだ。
すばるが懐いているからという理由で、みくるはすばるの付き人兼見習いアシスタントに選ばれてしまう。
（承）
叔父夫婦に背中を押され上京したみくるは、すばるが飼われている屋敷に住み込むことになるが、そこはアイドル
撮影中の事故で顔に大怪我をして表舞台に出られなくなったとか、すでに死亡したという噂まである。
みくるは人間のアイドルには疎いけれど、片桐玲央のことは知っていた。
医師免許を持つ片桐家の執事Dr.前島が屋敷内のすべてを取り仕切っていて、芸能界を引退した玲央は外国で暮らす両親のもとに行ったとみくるに説明する。
パグ犬のすばるは飛行機に乗せると窒息死する危険があるし、人気スター犬だったため、前島が世話をしながら日本で芸能活動を続けることにしたのだとか。
みくるは学校に通いながらすばるの付き人兼見習いアシスタントをすることになる。
みくるは『名探偵すばるにおまかせ！』のコーナーですばるの謎解きを視聴者に伝える役に抜擢される。みくるが動物の言葉を理解するということは、すばるに口止めされていた。
頭脳明晰なすばるの名推理をみくるが通訳という形で伝え、動物にまつわる事件を次々と解決に導く。
「ブラック猫カフェ事件」「ペットに遺産を相続させたい老婦人殺害未遂事件」「記憶喪失の猿を救え」等々……。
（転）
ある日みくるは「絶対に入ってはいけない。」とDr.前島にくぎを刺されていた部屋に間違えて入ってしまう。
そこには意識不明の片桐玲央が眠っていて、ベッドサイドにはすばるが座っていた。
すばるの説明では『名探偵玲央と助手犬すばる』という映画の撮影中に、玲央とすばるがつり橋から川に転落、それ以来、玲央は意識不明だという。
さらに、転落した際、玲央とすばるの意識が入れ替わったのだと……。
「ありえない」というみくるに「オマエだって、両親と交通事故に遭った後、動物の言葉が解るようになったんだろう？それだってありえないことじゃないの？」と言われ、すばるの言い分を信じる。
すばる（玲央）はみくるのことを前島に徹底的に調査させ、叔父の牧場が経営不振なことも調べ上げ、片桐家から融資がなされたらしい。それを知ってみくるは傷つくが、育ててくれた叔父さん夫婦の役に立てたならよかったと思いなおす。
すばる（玲央）はみくるに「オレが転落した事故は、誰かが故意にやったものだと確信している。けれど警察には事故として片付けられてしまった。必ず犯人を捜しだす。オマエをアシスタントに選んだのは、その手伝いをさせるためだ。」と言って、みくるをこき使う。
世間的には王子様と認識されている片桐玲央だけれど、本性は傲慢オレ様気質だとみくるは呆れる。
テレビで見ていた元の可愛いすばるに戻ってほしいみくるは、Ｄｒ、前島と協力して玲央とすばるの入れ替わりを戻そうと試みるけれど、失敗ばかり。
（結）
みくるはテレビ局の小道具部屋で、玲央と同じ事務所所属でライバル関係だったアイドル
玲央がいなくなれば映画の主役は自分だと思っていた湊だったけれど、パグ犬すばるは湊に懐かず、噛みついたりするため映画は無期延期となっていた。
みくるとすばる（玲央）は湊と社長を罠にかけ、二人の悪事を世間にさらすことに成功する。
協力し合う過程でみくるは玲央の優しい一面に触れ、胸キュンすることもあったけれど、天邪鬼なオレ様気質は簡単には変わらない。
玲央の意識が戻れば、すばるとの入れ替わりは元に戻るかも……と期待しつつ、今日も新米アシスタントの仕事に励むみくるだった。
了
