姉が仕組んだ代筆ストーリー
文字数 670文字
お姉ちゃん!
いつもお見舞いに来てくれてありがとう。
うん、今日はだいぶイイ感じなの。
お姉ちゃんのきれいな姿も見れて、もっと元気になるかも。
えへへ。
今日は、そんなかわいい妹から、お姉ちゃんにお願いがあります。
私の腕、もう動かないの。だけど、どうしても……。
お願い! こんなお願いはお姉ちゃんにしかできないの。
ううん、お姉ちゃんに書いてほしいの。私の代わりに。
私、忘れたフリをして接してきたけど、やっぱりずっと許せないの。
私に酷い暴力をふるってきたこと!
……。
わかったわ、ミナのその思いを書けるなら、喜んで代筆するわね。
ミナさん、こんにちは。
……あら、お姉さんもいらしていたのね。こんにちは。
先生!
あ、もう回診の時間ですね。
こんにちは、先生。
いつもミナがお世話になっております。
姉妹水入らずのところだったかしら?
お邪魔してごめんなさいね。
そんなこと!
……そうだ!
先生、これから姉に手紙の代筆をお願いしたんです。
もしよければ、先生も一緒にいてくれませんか?
大事なことだからこそです!
先生には、すごくお世話になりましたし……私の思いを、姉と一緒に聞いてほしいんです。
先生?
お忙しいと思いますが……妹のわがままに付き合ってもらえますか?
いえ、患者さんの大事な時間です。
お言葉に甘えて、寄り添わせてもらいますね。
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ミナ
病で入院中。
入院前、夫にDVをされた日々を思い出す。
姉に夫にあてた最後の手紙の代筆を依頼する。
姉/お姉さん/お姉ちゃん
ミナの姉。
妹が昔から大好き。
先生
ミナの主治医。
進一
ミナの夫。