5 ❀ 天才5歳児 宙くん

エピソード文字数 1,199文字

四月某日


となり村にいるもう1人の祖父、日高(ひだか) 海斗(かいと)に会いに行くことになった。


学校が終わったあと、迎えに来た両親とともに、となり村へ。


家に着いたはいいが・・・。

この家、ま、真っ暗なんだけど・・・。お化け出そう
あらあら、おかしいわね

父さんたちに「今夜行く」って伝えたはずなんだが・・・。


まさか留守?

ピンポーン


 地平がベルを鳴らした。

 すると。


    ピューヒュルルル・・・

 ドンッ ドドンッ!  パンッ、パパパンッ

な、な、なにこれ―――!?

 バン


 門が、大きく開け放たれた。

いらっしゃ~い!!
わあ!?

も・・・萌栄ちゃんやね!


うっ・・・・・・うう・・・。


今までどれだけ萌栄ちゃんに会いたかったか!


海斗(かいと)おじいちゃんだよ―――!!

老人が両手を広げて、萌栄にだきついてきた。

あ、あのっ、ちょ、えええ!? 


いきなりハグ――!? ひげが痛い!

こらこら、父さん。


年頃の娘に抱きつくもんやないって

男性が、涙ながらに抱擁する海斗を、萌栄からひっぺがしてくれた。

よっ、寿(じゅ)太郎(たろう)


萌栄。この人が、父さんの弟だよ。

はじめまして、萌栄ちゃん。


寿(じゅ)太郎(たろう)おじさんだよー。

萌栄ちゃんいらっしゃい!寿太郎の妻の、明理(あかり)です。
こんばんは、日高 萌栄です

 萌栄は、ペコリと頭を下げた。

平ちゃん、おかえり~!!

こん子が、平ちゃんの娘さん? かーわいいねぇ!


そっくりやん。

大人たちに右から左から声をかけられ、背中をばしばし叩かれたり、頭をくしゃくしゃなでられたりする。

そうそう、うちん息子を紹介するね

こんばんは。

( こ、この子は、もしかして私のイトコの・・)
日高(ひだか) (そら)です。

こんばんは、宙くん。


萌栄です、よろしくね

もえさん、さっそくですが、ヨテイが おしています。
えっ? 予定?
すると宙は、手帳を出して、ぱらぱらめくった。

もえさんのかんげいかいです。


スシも、にんずうぶん、とどきましたし。


とくとうせきをよういしたので、どうぞこちらへ

え? あ・・・はい

5歳児に手を引かれ、広い客間へと案内された。

そちゃですが、どうぞ
あ、ありがとうございます
(ほんとうに5歳児・・・? 思っていたのと、ちが・・・)

ぼく、もえさんに、ぜひとも おききしたいことがあったんです。


しばし、おまちを

すると宙は、一冊の分厚い本を持って、広間にもどってきた。
もえさんは「万川集海(まんせんしゅうかい)」に、どのようないんしょうをおもちですか?
万川集海とは、伊賀・甲賀に伝わる、有名な忍術書である。
・・・・・・。

この5歳児、とても頭が良いようだ。

ああ、(そら)くんは天才やとよ。


IQなんぼやて言いよったっけ?

なんぼやったか~? 忘れた


おれ、数字に弱いから~

(うそでしょ、トンビがタカを産むわけないじゃない。

 なにして遊ぼうかと思っていたのに・・・調子狂う)





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登場人物紹介

日高萌栄 (ひだか・もえ


中学2年生、13才の少女。

カピバラをこよなく愛する。

重黒木 鋼じゅうくろぎ・はがね


中学2年生、13才の少年。機械いじりが得意。

椎葉 発(しいば はつ)


中学2年生、13才。

萌栄の友達。花火師の孫。

黒木 殿下(くろき でんか)


萌栄のライバル

那須 雨音(なす あまね)


殿下の友達。

黒木 媛(くろき ひめ)


殿下の妹

日高 結芽(ひだか ゆめ)


萌栄のお母さん

日高 地平(ひだか ちへい)


萌栄のお父さん

日高 雲水(ひだか うんすい)


萌栄の祖父

重黒木 功(じゅうくろぎ こう)


鋼のお父さん

重黒木 理玖 (じゅうくろぎ りく)


鋼のお母さん

椎葉 康次(しいば やすじ)


発の祖父。花火師

黒木 智子(くろき ともこ)


殿下、媛のお母さん。

黒木 未夏 (くろき みか)


クラスメイト

中武 陽(なかたけ はる)


クラスメイト

那須 貴也(なす たかや)


クラスメイト

那須 由子(なす ゆうこ)


クラスメイト

お殿様。


西方の里を治める、お殿様。

南朝の忠臣、その子孫。

忠平(ただひら)


お殿様が助けた忍者。

加藤清正に仕えていたが、毒殺の濡れ衣をかけられ、逃げてきた。

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