六芒星(ヘキサグラム)は〝文明の星〟!

文字数 2,594文字




人類は文明によって、栄えてきました。
そこで、文明の仕組みや働き、歴史や未来を、
まとめて体系的に知り、考えられたらいいなと思い、
〝文明の星〟理論というものを考えました。

この理論(仮説)は、文明の六つの要素として、
科学・技術、制度・政策、経済・社会活動、
物的資源、人的資源、自然・社会環境に注目し、
それらの関係から文明を理解するものです。

この六要素を描く時には、〝ダビデの星(The Star of David)〟
または〝ソロモンの印章(The Seal of Solomon)〟
あるいは籠目(かごめ)紋として知られる、
六芒星(ろくぼうせい)(ヘキサグラム)の形を使っています。
私はこれに〝文明の星〟という名前をつけ、
理論(仮説)の名前もそこからとりました。

しかしこれには、特別にオカルト的や思想的な
意図があるわけではありません。
この図形で説明するのが一番合理的で、
効率的というのが最大の理由です。
次の理由はやはり、印象的で有難(ありがた)そうで、
分かりやすく、覚えやすいことですが……(笑)。

〝文明の星〟理論を考えたきっかけは、
素人小説『Lucifer(ルシファー)』の創作です。
とはいえ、これも怪奇小説や暗黒小説ではなく、
神や悪魔も演じつつ人類の文明化を支援した、
異星種族達の物語を描いたSF小説です。

その際には様々な漫画、小説、音楽、動画などの文化作品や、
TVドキュメンタリーの〝古代宇宙飛行士説〟に
刺激を受けて書くことができ、大変感謝しています。
健気(けなげ)なヒロイン(異星種族)に宇宙を救わせてあげたくて、
一生懸命、文明理論を考えました(笑)。

さて、前置きが長くなりましたが、
六芒星(ヘキサグラム)を使うのが最も合理的な理由は、
六つあります。

第一に、例えば六つの要素をただ横に並べるよりも、
輪を描くように並べた方が、
各要素が一定の順番で変化・課題化した後で、
次の段階に進み、同様の変化を繰り返すという、
文明発展の循環(サイクル)を説明しやすいからです。




第二に、六つの要素をそのように並べた時、
3つの文明活動要因と3つの内外環境要因を分けて示すには、
両者をまさに六芒星(ろくぼうせい)(ヘキサグラム)の形に、
それぞれ〝逆三角形〟と〝三角形〟の線で結ぶのが、
一番簡単で分かりやすいからです。


 

第三に、この図で技術に4つの矢印をつけると、
文明を可能にする技術の働きや種類を説明できます。
この分類を知れば、『第三の波』にいう画期的技術や、
『シンギュラリティは近い』に書かれた人工知能、
『サピエンス全史』に記された社会科学的技術など、
有名な技術・社会論の要点も理解しやすくなります。




第四に、同じく政策にも4つの矢印をつけると、
技術と並び文明の両輪をなす、政策の働きや種類も、
完全に対称的な形で説明することができるのです!
もしも今まで、そのような関係について、
分かりやすくまとめた文明理論がなかったとしたら、
この〝コロンブスの卵〟的な発見を嬉しく思います。




第五に、この図によれば、現代社会の課題と対策を、
政策の分類に応じて、体系的に示せます。
これにより、身近な地方自治体の政策から
国のソサエティ5.0、DX(デジタル改革(トランスフォーメーション))、
国連のSDGs(持続可能な開発目標)や人間の安全保障(ヒューマン・セキュリティ)まで、
現代の内外政策も分かりやすく理解できるでしょう。





第六に、この図を用いれば、知性(人間性)の本質から、
文明の成り立ちを理解するのにも便利です。
技術(高度な事実認識)と政策(社会的な意思決定)は、
知性の二大特質である限りない想像力と欲求から
生み出される、と説明できるのです。




合理的な推論から完全な虚構(フィクション)に至る、
広い意味での想像力(イマジネーション)は、
法則性の発見から法律概念にまで及ぶ、
自然・社会科学的技術を可能にします。

また、技術による社会活動の複雑化がもたらす、
本能を越えた欲求の無制限化(多様化と可変化)は、
技術を健全に利用しつつも、その限界を突破する、
利害調整・技術開発政策を必要とさせます。

以上、〝文明の星〟を用いる理由について説明しましたが、
事情があって六芒星(ろくぼうせい)を使いにくい場合は、
トルコや中国の国旗のように、
3つの文明活動と物的・人的資源を五角星や星5つであらわし、
自然・社会環境を科学・技術の角を覆う三日月や、図形の()
表すこともできましょう。

図解に当たっては、様々な時代や地域で用いられてきた、
印象的で神秘的な図案で説明できるという、
不思議な偶然が嬉しかったことも事実です。
ただ、何より学問的に見て、まずこの形が一番便利だなというのが、
六芒星(ろくぼうせい)(ヘキサグラム)を使った主な理由です。

文明には、どんな成り立ちや意義があるのか。
これまでどうなってきて、これからどうなるのか、
それに対して私達はどうしてゆくべきか……。
こうしたことを考えても、すぐに何か利益が得られたり、
仕事ができたりするわけではありません。

しかし、人類は文明により、現在の繁栄を得ました。
人間の仕事がどんどん省力化していく一方で、
文明活動がますます拡大・複雑・加速化する今日、
人々が文明全体について知ったり考えたりする社会と、
そうでない社会では、大きな違いが出ることでしょう。

社会に対する理解が千分の一、万分の一でも増えれば、
それを百万人の人が知ることで、
千人力、万人力が生まれる。
個人的にはそうした知識の分野で社会に役立ちたい、
そんな気持ちもあります。

今後は文明全体についての知識が、
モレなく手堅くバランス良く(包括的で分析的、総合的に)、
時代や地域、学問分野の垣根(かきね)を越えて、
初等教育から高等・専門教育、一般教養まで、
今後いっそう社会に普及し、役立てられたらと願っています。

ご興味がおありの方は、関連のエッセイ『文明の星』や、
小説『Lucifer(ルシファー)』シリーズなども、
ご覧いただけましたら幸いです。

最後に、〝ダビデの星〟を国旗に描くイスラエルは日本と同様、
①周辺の大国と比べると小さな国土ながら独自の文明圏をなし、
②歴史的・地政学的な関係から、
欧米・周辺諸国間の交流や近代化の拠点となることができ、
③天然資源が少ないため、教育など人的資源の向上を通じた、
技術や政策の進歩を重視してきたという共通点があり、
さらには④日ユ同祖論という、夢のある説もあるそうなので、
これも何かのご縁、他の国々と共に学び合い、協力し合って、
発展してゆけたらいいなと思います。

人類文明がこれからも、新たな技術と政策を社会に活かし、
発展し続けられることを期待します。
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