第3話 ルージャル村に到着しました

文字数 1,331文字

翌日、僕はレダをおんぶしながら森の中を歩いていた。
因みに僕の名前と神官である事は昨夜教えておいた。
「ミカウスさん、私歩けるよ」
「裸足で歩いていたら足が傷つくよ。それに目的地まで後もう少しだから」
流石に裸足で歩かせる訳にはいかない。
村に着いたらまずはレダをお風呂に入れさせて服を用意しないといけないな・・・・・・。
そんな事を考えながら歩いていると前から馬車がやって来た。
馬車が通る、という事はこの道の先に村があるんだなぁ、と思っていたら馬車は僕達の前で止まった。
「もしかして神官様ですか?」
馬車を操っていたの若い女の子が声をかけてきた。
「あ、はい。もしかしてルージャル村の方ですか?」
「はいっ! 村長の娘のエミリと言います! お迎えに参りました。どうぞ馬車に乗ってください」
「わざわざありがとうございます。レダ、乗ろうか?」
「神官様、この子は?」
「訳あって僕が引き取った子です」
「そうですか、どうぞ一緒に乗ってください」
「お姉ちゃん、ありがとう!」
「ちゃんとお礼が言えて偉いぞ、レダ」
レダの頭を撫でてあげたら笑顔になった。
僕とレダは馬車に乗り込みルージャル村へと向かった。

馬車に乗って数分後、
「神官様、到着しました。此処がルージャル村です」
「此処がですか・・・・・・」
馬車から降りて風景を眺めた。
喉かな風景が拡がっていて王都のゴチャコチャした感じとは偉い違いだ。
「ようこそいらっしゃいました。村長のハルガダと申します」
「本教会より来ました、ミカウスと言います。わざわざお出迎えして頂けなくても大丈夫だったんですが」
「いえいえ、こんな田舎まで来て頂くのですから・・・・・・」
「まずは教会に行きたいんですが。荷物は既に送ってあると思うんですが」
「えぇ、教会内に既に運んであります」
僕達は村長の案内で教会に向かった。

「此処がこの村の教会です」
「なかなか立派な建物じゃないですか」
思っていたよりは立派な建物でちょっと驚いていた。
派手な装飾は無くこじんまりとはしているけど僕はシンプルな物が好きなのですぐに気に入った。
中に入ると木の匂いとギシギシという床の音が歴史を感じさせる。
「礼拝堂の奥が住居になっております」
住居スペースも一人で住むには充分過ぎるぐらいの広さだ。
レダは教会内をキョロキョロと物珍しそうに見ている。
「荷物は・・・・・・、うん全部あるね」
先に送っておいた荷物を確認した。
荷解きは後にしてまずは本教会に連絡を入れないといけない。
通信用の水晶に手をやると壁に画面が出た。
「ミカウスです、ただいまルージャル村教会に到着しました」
『うむ、長旅ご苦労だった。まずは疲れを癒してから業務に励むように。そこの村は今ちょっと色々問題を抱えているみたいだからな』
「問題?」
『あぁ、そこの村を治めていたバカ領主が家族もろとも出ていってしまったらしい』
・・・・・・は?
『だから暫くは領主代行も兼ねてもらう。頑張ってくれよ』
「ちょっ!? そんな話聞いて・・・・・・、って切れたっ!?」
どうやら厄介事を押しつけられたみたいだ。
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