第2話

文字数 2,530文字

四日後。
 アメリカはニューヨーク。俺は借家を整えていた。
 アイテムの精査は終えてある。初期化されたり、素材に戻されている物も結構ある。ホムンクルスとか色々作ってたから、そこと整合性を取ったのだろう。実際、いきなり貴方の子供ですってホムンクルスに来られても困るしな。助かった。マイハウスに飛べるのも確認済みだ。
 増えたアイテムの中に、きちんと魔神試験の手引き書というのがあってクエストの説明があった。欠片を七つ集めると合格証になり、魔神になれるらしい。期限はレイド戦の20年後まで。
 
 さて、七つのクエストの中で、まずやるべきはヒーロー育成である。
 ヒーローに事件を解決して貰いつつ、教師が出来るようになるまで育てる。
 ヒーロー達との接触はマスコットを通してする。まさかいきなり正体を現すなんて大胆なことはしない。
あの後、フレンドリストから連絡をしてみたが、ガッチャはガチャを全部してしまったらしく、魔法学校校舎がいくつか当たったので、魔法学校を設立してみることにしたようだ。今は開校準備をしているらしい。
 ヒカキンは手に入れたお金で、両親と旅行。
 とりあえずやりたい事をやってから考えるそうだ。

さて 、実は俺は課金も好きだが縛りプレイも好きだ。けちでもある。
 今回は、クエスト用に配布されたアイテムだけで乗り切りたいと思う。
 ヒーロークエストのアイテムを確認してみよう。

 ヒーローセット十セット。
 司令官セット。
 ガチャチケット三枚。
 ヒーローカタログが50冊。
 ヒーローチームカタログが5冊。
 ヒーローポイントが100万ポイント。
 ヒーローチームポイントが100万ポイント。

ヒーローセットは、変身できるヒーローリングとヒーローの力の素、武器の素の三点セットだ。司令官セットは、変身機能と武器の素、連絡機能、転送機能、予言玉のセット。
 早速ガチャチケットを破る。どきどき。
 忍者ヒーローセット十着。
 魔法少女マスコット一体。
 お助けロボットNPC。
 ふむふむなるほど。マスコットは十人の魔法少女を作れるらしい。
 他の勧誘もこの子に任せようかな。
 ヒーローカタログはヒーロー達専用のショップで、報酬用のポイントがヒーローポイントらしい。チームカタログは、秘密基地などが入っているらしい。なんだか面白そうなシステムじゃないか。ちなみにヒーローポイントは魔力から変換可能らしい。魔力結晶はこつこつ毎日作るかね。

「やあ! ご主人様。僕はリングだよ。よろしくね!」
「ああ、よろしく。早速だけど、正義を胸に宿した、だけど慎重で理知的なヒーローと魔法少女と忍者を……そうだな。五人ずつ勧誘して欲しい。期間は一ヶ月」
「わかったよ、ご主人様! 契約内容はどうする?」
「こっちの依頼を解決したヒーローとチームに、ヒーローポイントを支給する。その他、頑張りに応じて月ごとにヒーローポイントを支給する。それでヒーローカタログから好きな物を買えばいい。期間は30年間。ひとまずは三ヶ月でリーダーを決めて貰う。頑張れば教師や研究者として採用して報酬も上げてやる。その後も望むなら雇う。ただし、力の悪用は許さない。正体も出来るだけ秘匿すること。あっ 依頼は強制じゃないから。月給は、そうだな……最低賃金100ポイント」
「わかったよ」

 ヒーローセットをそれぞれ五つずつと人数分のヒーローカタログを渡す。
 変身の姿の登録は、黒子みたいな姿が良いな。もちろん、ファンタジーなアレンジはする。武器は絡繰り人形だ。
 
 出社するまで二日あるし、新しく始めるオンラインゲームを探しつつ、リングのことを様子見してようかな。
 
『僕はリング! 僕と契約してヒーローになってよ!』

 話しかけられたジュースを飲んでいたイケメンが、思い切りジュースを吹いた。俺も吹いた。

『げほっ……ごほ……っ 魔法少女じゃなくて?』
『魔法少女になりたいのかい?』
『違うけど』

 イケメンは、周囲を見回す。怪訝な顔で見られて、声を潜めた。

『俺にしか見えない?』
『そうだよ?』
『場所を変えようか』

 そう言って店を出て、路地裏へと入る。

『で、俺がヒーローだって? 何をするの?』
『君には三〇年間、依頼をしてヒーローポイントを稼いで貰う。それをどう使おうと君の自由だよ。ヒーローポイントの支給は月に一度。ただし、悪用は禁止』
『30年が過ぎたら?』
『その後も望むなら雇うよ、もちろん依頼は強制じゃないし、他の仕事をしてもいい』
『どんな仕事をするんだ?』
『通常任務だったら、事件の解決かなぁ。君達には、ひとまず20年間で百件の予知された事件の事前防止を望まれている』
『1年で五件か……。君達って言ったな? 何人いるんだ?』
『とりあえず15人だよ。ただし、三チームに分かれて競い合って貰う』
『デメリットは?』
『力を悪用しない限り、ないんじゃないかな? 君達は逃げてもいい。あえて言うならば、戦う選択肢が増えることかな。そうそう、秘密が出来るのもデメリットかな。正体は出来るだけ隠して欲しい』
『ヒーローポイントはどうやって使う?』
『全員に配布されるヒーローカタログで使うんだ』
『見ても良いか?』
『いいよ』

 光るタブレットが出てきて、恐る恐る彼はタブレットを見た。

『月給いくら?』
『最低100ポイントだよ。ただし、初任給はメンバーが揃う一ヶ月後』
『わかった。ヒーローになるぜ。俺はレオ。レオナルド・ガーディだ』
『契約成立だね。新しい君の姿と力を、武器を想像して』

 リングが輝きながら、青年の中に入っていく。

『魔導を伴侶とし! ヒーローアクア! ただいま推参!』

 吹いた。
 真っ青なローブと仮面。蒼い髪。どうやらデフォルトのヒーローは魔術師タイプのようだ。しょうがないね。そもそものゲームが魔神だしね。
 まず一人目か。順調だな。
 さて、面白そうなオンラインゲームも見つかったし、明日はゲーム三昧だな。
 ひとまずこいつは力を溜めた魔力結晶を作るか修行するかさせよう。
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