プロローグ 苦しいだけの人生

文字数 291文字

 僕は今1500メートルを走っている。
 辛い。
 苦しい。
 なんで僕はこんな思いをしてまで走っているんだろう?
 なんで僕は陸上部に入ったんだろう?
 長距離走なんて辛いだけじゃないか。

 馬鹿馬鹿しくなって、僕は走るペースを緩めた。
 もう辛いことはたくさんだ。
 苦しんでまで結果を出すことの意味が分からなかった。
 努力をするのが面倒くさい。
 どうせ天才には勝てないんだし、こんなに頑張る意味なんてないじゃないか。

 昔の僕は、もっと真面目だったような気がする。
 いつからだろうか、こんなふうに考えるようになってしまったのは。

 僕はいつのまにか、長距離を走るのに魅力が感じられなくなっていた。
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