女性に年齢を聞くことは大変失礼ですよ

文字数 1,150文字

ううう……また安請け合いしちゃった……。

どうしてこんなことに……。

 宗介は自分に正直なのである。
大筋の同意、感謝する。

しかしながら、あなたに一つだけ忠告しておく。

はいはい!

いくらでもどうぞ!


 半ばヤケクソになっている宗介である。
あなたが、どの程度ことの深刻さを理解しているのかはわかりかねるが……。
あなたが侵略者を探していることを、決して、他の者に悟られないようにしてもらいたい。
悟られたとて、頭がおかしくなったって思われて終わりだと思うんですけど……。
何度も言うが、状況はかなり危うい均衡を保っている。

侵略者を探していることが周囲に悟られれば、可能性の話として、それがそのまま侵略者側も知ることとなる。

それは鳴りを潜めている奴らにとって、相当な危機感を与えることだろう。

下手をすれば、次の瞬間には地球が、ドカン!……だ。
表現が雑過ぎていまいち緊張感が伝わって来ないな。
それほど、あなたの任務は重要だということだ。

それだけは理解してもらいたい。

それは何度も言われましたけど……そもそもの話、そんなに重要なら冴橋さんじゃなくても、同じ組織に所属する誰かが新入生として入学して、地球防衛部に入れば良かったのでは?
先程も言ったが、侵略者達はついこの前まで絶えず地球の情報を収集していた。

となれば、当然私達の組織のことも把握しているだろう。

そのメンバーが学校に潜入でもすれば、即座にこちらの意図がバレてしまうおそれがある。

今その任務に最も適しているのは、何の変哲もない、普通の高校生……。

つまりは、あなただ。

うーん、納得したような納得できないような……。
それと、私もこのまま栄優学園に潜入を続ける。

何かあればすぐに連絡して欲しい。

ただし、メールやSNS、電話はダメだ。傍聴される可能性が高い。

話をするなら、直接出向くこと。

私もそうする。

うわぁ……めんどくさいなぁ……。
ともあれ、山田宗介くん。

地球の命運はあなたにかかっていることを忘れないでくれ。

あなたには、期待している。

…………。
 宗介は険しい表情を浮かべていた。

 そして二つの目で、冴橋響を見つめる。

……どうかしたのか?
いえ……この任務、冴橋さんも学校にいるんですよね?

同じ1年生として。

ああそうだ。

……そうか、私の存在で侵略者に悟られることを危惧しているのだな?

それなら問題ない。

なぜなら、私は――。

それは別にどうでもいいんですよ。

僕が気になっていることは、もっと別のことです。

気になっていること?

もしや、私達が見落としているような何か致命的な欠陥が?

……いやしかし、何度も検討しそのような大きな問題はなかったはず……。

すまない、山田くん。

あなたが気になっていることを教えてくれないか?

冴橋さんって、ぶっちゃけ何歳なんですか?
 教えてくれませんでした。
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登場人物紹介

山田宗介。栄優学園1年。

本作の主人公。

なんやかんやで地球防衛部に入部する。

ツッコミ担当であるものの、時折暴走することも。

密かに、地球外敵性侵略者のスパイを探すことに。

桐島ひなた。栄優学園2年。

地球防衛部の創設者にして部長。

天真爛漫という名のお花畑。

正義のヒーローを夢見る。

姫野梓。栄優学園3年。

地球防衛部の副部長。

全てを包む慈愛の心を持つ女神。

桐島ひなたの数少ない理解者にして親友。

宗介を地球防衛部へ引き込んだ元凶。

鈴沢栞。栄優学園2年。

山田宗介の隣同士に住む幼馴染というより姉のような存在。

超過保護。

実はめちゃくちゃ金持ちであるが、宗介は知らなかったりする。

柊木ルシル。年齢不詳。

鈴沢家に仕えるメイドさん。

割と常識人で、辛辣なツッコミが冴える。

鈴沢栞とは主従関係にあるものの、むしろ友達に近くファーストネームで呼び合う。


須藤秋良。栄優学園1年。

何かしら部活に所属しなければいけないらしく、幽霊部員として入部。

あまり心を開かない感じ。

しかしながら、どうやら秘密があるようです。

エリカ・ミュラー。栄優学園2年。

外国からの留学生。

半片言を駆使するが、実は日本語ペラペラとの噂も。

美人ではあるが、時折裏の顔がチラホラと。

冴橋響。栄優学園1年。

地球外敵性侵略者の捜索を宗介に依頼した人物。

世界的組織の一員らしいが、詳細は不明。

ついでに実年齢も不明。

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