第12話:地中海へナポリ経由マルセイユへ

文字数 1,197文字

「エジプトのポートサイドから4日かけてイタリアのナポリ港へ到着」
「馬車で登山電車の停留所に行き電車に乗り換えた」
「その後、電車は急カーブを徐々に昇って行き昇るにつれ景色が変化した」
「晴れ渡り雲1つない晴天となり終点が近くなると急勾配になり緊張した」
「その後、強烈な硫化水素の臭いが鼻をついたがベスビアス火山の頂上に到着」
「頂上駅はベスビアス火山の一番外側で、煙だけしか見えなかった」

「駅を降りて歩き出すと立ちこめる煙、いろんな形の泥の固まった火山岩が多い」
「そんな山道を5分歩いて行くと細道の橋に出た」
「その時、観光客が、あーと、大きな声をあげ、自分の目を疑った」
「その後、目の前にベスビアスの新噴火口を一目で見渡せる景色が飛び込んできた」
「片方は切り立った断崖絶壁で片方は溶岩が煮えたぎった巨大な火口」
「数分おきに地響きをあげて、鳴り響く、はらわたを揺さぶる、すごい音」
「その後に火柱が上がり炎と噴煙を激しくを噴出する」
「大自然の猛り狂う様な音を聞き、観光客一同、わーっと大声で連呼した」

「こう言う自然の壮大な営みを見ていると我々人間のいかに無力たるか身にしみる」
「この風景を見ていると神、仏という、自然の絶大なる力を感じざるを得なかった」
 その後、ポンペイの町へ向かったが現在も整然とした町並みで、昔、焼き尽くされて、全住民がなくなったにもかかわらず、性懲りもなく、普通の生活を営んでいるのが不思議な気がした。中腹のレストランでスパゲッティの昼食をいただいたがチーズがうまいのには感動した。

 食後、日本でも有名な言葉マカロニの語源となったマカロニー社を訪ね、工場見学を下が、マカロニとは日本で言う所の米の様な主食で、大量に、この工場で生産されているようだった。帰りの車の中でも再びベスビアスの噴煙が立ち上るのが見えて恐怖を覚えた。その晩は、疲れたせいか、夕食後、すぐに床についてしまった。翌朝、あと1日で目的地、フランス、マルセイユ港に入港するので興奮してきた。

 下船の支度を早めに開始し、忘れ物に気をつけ、確認しながら荷物を詰め込んだ。荷造りを終え甲板を散歩し昼食をとり長旅で知り合った仲間と旅の最終目的地が近いことを喜んだ。その後、今までの旅の話題に着いて長々と話をするうちに夕方になり自分の船室に戻り、もう一度、安田亀吉は、同室の衣子と勝一、勝二に荷物の再点検をさせ忘れ物のない事を再確認させた。

 風呂には入り夕食を済ませ寝床に入った。
「しかし明日、マルセイユ到着すると思うと心がはやり、なかなか寝れなかった」
 やがて12時過ぎ、うつらうつらしていると夜が少しずつ明けてきた。やはり1月の朝は寒い。その後、1919年1月11日の昼頃にマルセイユ港に到着。下船手続きを取り30日の長旅も終了。港に降りたら宿泊するホテルを聞いていたのでMSホテルに電話し迎えを頼み4人で迎えの車に乗った。
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