第63話

文字数 125文字

 歩きスマホならぬ、歩き読書だった。彼はハードカバーの小説――本屋で平積みしてあった本だから知っていた――を、顔を塞ぐように開いて、それでいて歩調を弱めることなくぐんぐんと迫ってきたのだ。
「あ、ああっ」
 彼の姿に見とれていて避けるのを忘れていた。
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