メリーさんとの邂逅・二

文字数 1,008文字

で、えーと……


メリーさん?


アタシ、メリーさん。

今、あなたの部屋の前にいるの。

ふふっ、部屋の前にいるの?


えぇ、そうよ。

あ、たまに返事してくれるんだね。

───って、そんなことはどうでもよくて。


どうするんだ、いっくん。

彼女、お前の部屋の前にいるらしいぞ。

どうするも何も……

あのなメリーさん、悪いけど俺────


今、学校にいるんだ。


え?

ねぇ、メリーさん。

あなたが今いる場所、本当にいっくんの部屋の前?

そもそも、そこは本当にいっくんのお家かな?


……え!?

ど、どういうこと……?

だって、だってここは………

くーちゃん、あまりからかうなよ。

変に刺激したら、何をするか分からないぞ。

相手は怪異なんだから。

危ないだろう?

大丈夫だよ、わたしは。

うん、くーちゃんは大丈夫なんだろうけどね?


………………

あっくんも大丈夫でしょう?

うん、僕も大丈夫なんだけどね。


ほら、大丈夫じゃない奴が一人いるだろう?

なんか、今回も当事者になってるみたいだし。

大丈夫だよ。

何だかんだで、今もこうして生きてるし。

今回のだって、きっといつもの好奇心が原因だよ。


ね、いっくん。

え。

なに、今のは俺の話だったの!?

なんかくーちゃんとあっくん以外は大丈夫じゃないみたいに聞こえたんだけど!?


…………………

大丈夫、大丈夫。

いっくん、運が良いから、今回もきっと大丈夫。

俺の無事は運任せなの!?


……………ぐす……

あれ、泣いちゃった?


うぅ、ひっく……………び、びえぇぇぇぇぇぇぇん!!ぴえぇぇぇぇぇぇええぇぇぇぇ!!!

ん、うるさい。

こらこら、くーちゃん。

そういうこと言ったら可哀相だろう?

えー、もしかしてこれ俺の部屋の前で泣いてんの?

近所迷惑だって怒られたら、俺のせいになんのかな?

お前は何を言ってるんだ。

あれは怪異だから、普通の人には聞こえないはずだよ。

……なぁ、さっきから怪異って言ってるけど、あれって本当にそうなのか?

そうだよ。

くーちゃんがそうだって言うなら、そうなんだろう。

あれは怪異だよ。

でも、電話してきたぞ?

怪異って、電話できるのか?

……いっくん、面倒くさいなー。
そんなに疑うなら、本人に聞いてみたらいいよ。
本人って、────メリーさん?

そうそう。


───ねぇ、あなたはだぁれ? どうしていっくんに執着するの?

ひっく………ぐす。


ア、アタシはメリーさん。

彼に拾われて捨てられた、可哀相なお人形さんよ。

拾って、捨てた?


───いっくん。

知ってること全部、詳しく説明してもらおうか。

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登場人物紹介

喜多見 秋乃(きたみ あきの)

・愛称は「あっくん」

・高校一年生

・くるりと一樹とは幼馴染み

・何だかんだで面倒見が良い

・怪異に対しては文句なしのチート


怪異ホイホイ度:★★★☆☆

対怪異の攻撃力:★★★★★★

対怪異の守備力:★☆☆☆☆

対怪異の感知力:★★★★☆

百目鬼 くるり(どうめき くるり)

・愛称は「くーちゃん」

・高校一年生

・幽霊観察が趣味の変わり者

・怪異に対しては致命的な弱点があるものの、作中では一番のチート


怪異ホイホイ度:★★★☆☆

対怪異の攻撃力:☆☆☆☆☆

対怪異の守備力:★★★★★★

対怪異の感知力:★★★★★

相原 一樹(あいはら いつき)

・愛称は「いっくん」

・高校一年生

・好奇心旺盛で危機感が無い

・超ド級の怪異ホイホイ


怪異ホイホイ度:★★★★★★

対怪異の攻撃力:☆☆☆☆☆

対怪異の守備力:☆☆☆☆☆

対怪異の感知力:★★★★★★

くるりの祖父

・主に「当主様」「爺様」「お祖父様」と呼ばれている

・代々、霊能力者を輩出する百目鬼家の現当主

・怪異に逃げられるほど鬼畜、冷酷、非道な性格


怪異ホイホイ度:☆☆☆☆☆

対怪異の攻撃力:★★★★☆

対怪異の守備力:★★★★☆

対怪異の感知力:★★★★☆

いっくんの携帯電話

あっくんの携帯電話

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