文字数 353文字



不要不急というけれど
この辛い一年を
笑って成仏させたくて
人の波を掻い潜り
今年一番世話になった
白いアイツで顔を覆い
メガネをかけて颯爽と
暗闇広がるあの場所へと
立ち寄るのでした
そこは普段なら沢山の
人が集まり夢の世界へと
誘われる夢の箱
けれど今年はいつになく
閑散としている
普段ならもう少し
座ることもままならないはずが
誰しも外の寒さ以上に
震えながらウチに籠り
お前は正しいのかと
厳しい目を背中に感じながらも
そんな想いも受け止めながら
暗闇に身を委ねる
広がる本物がひとつもない世界は
ほんの少しだけ
今を忘れる手助けを
そして今年一番の笑いを
私にくれた
声に出さないその笑いに
今日までの嫌な事を載せた途端
光とともにどこかへ消えた
誰かにとっては不要でも
私にとっては必要な
夢のような時間の夢の中へ
次に迷い込むのは
あなただったり
誰かだったり
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み