着目
文字数 622文字
希咲と三浦は机を挟んで向かい合っていた。互いに顔を見ている訳ではないが、険しい空気が流れているのは分かっている。
「なぜだ」
三浦が切り出した。
「なぜお前に目をつけた奴がいるんだ。何かミスがあったんじゃないのか?」
いつもおどけた表情でいる三浦がここまで真顔で話を進めるのは珍しい。だが希咲が知るはずもない。
「そんなの知らないわよ。その警官が凄腕なんじゃないの?」
そう返すしかない。
つい一昨日のことだ。警察内で捜査本部の拡張が命じられた。拡張といっても、ほんの数人の増員だ。その候補に三浦基樹の名前が挙がったらしい。てっきり捜査一課のみで動くと予想していた2人にとってみれば想定外の事態だ。所轄も一課も関係なく、優秀な人材を登用せずにはこの事件が解決することはないと、ある刑事が言い出したようだ。
しかし三浦が不思議に思っているのはそこではない。その言い出しっぺの刑事が何故か希咲に目を向けつつあるというのを聞いたのだ。そこで何かやらかしたのではないかと思い、こうして問いただしている訳だ。
「その刑事は『八木耕作』だ。こっちじゃかなり有名なデカだな。捜査一課のエースとも言われている。こりゃかなりヤバいぞ」
「いざとなれば警察官であろうと殺す。あなただって分かってるでしょ?それに例の2人には悪いけどチェックメイトよ」
希咲はそう言った後少し考えた。
「じゃあこうしよう。」
そう言って微笑んだ
「なぜだ」
三浦が切り出した。
「なぜお前に目をつけた奴がいるんだ。何かミスがあったんじゃないのか?」
いつもおどけた表情でいる三浦がここまで真顔で話を進めるのは珍しい。だが希咲が知るはずもない。
「そんなの知らないわよ。その警官が凄腕なんじゃないの?」
そう返すしかない。
つい一昨日のことだ。警察内で捜査本部の拡張が命じられた。拡張といっても、ほんの数人の増員だ。その候補に三浦基樹の名前が挙がったらしい。てっきり捜査一課のみで動くと予想していた2人にとってみれば想定外の事態だ。所轄も一課も関係なく、優秀な人材を登用せずにはこの事件が解決することはないと、ある刑事が言い出したようだ。
しかし三浦が不思議に思っているのはそこではない。その言い出しっぺの刑事が何故か希咲に目を向けつつあるというのを聞いたのだ。そこで何かやらかしたのではないかと思い、こうして問いただしている訳だ。
「その刑事は『八木耕作』だ。こっちじゃかなり有名なデカだな。捜査一課のエースとも言われている。こりゃかなりヤバいぞ」
「いざとなれば警察官であろうと殺す。あなただって分かってるでしょ?それに例の2人には悪いけどチェックメイトよ」
希咲はそう言った後少し考えた。
「じゃあこうしよう。」
そう言って微笑んだ