赤い箱

文字数 490文字

如月に…じいちゃんの秘蔵品を 見せてあげよう
…何か、面白いもの?
まあ、一見の価値は あると思うよ
2つの革張りの箱?
まずは…赤い方を開けてみてよ
…懐中時計が入ってるけど
箱から出して見たら?
これが…アンテークって言うのか……
実は…その時計には、呪いが掛かってたりする
…え?!
まあ…触ると呪われる系じゃないから
い、一体…どんな呪いが掛かってるの?!
何と、この時計に掛けられているのは…
さ、さっさと言いなさい!
─ 時間が正確に5分遅れる呪い
は…?!
だから、手に持っても支障ないから、安心して良いよ
あ、あのさぁ…
ん?
─ その呪いに、何の意味があるの!?
呪いに実用性を求めるなんて…野暮だねぇ
必ず遅れるって判ってるなら、5分早めれば済む話なんじゃ…
そうは いかない所が…呪いの呪いたる 所以だし
ちゃんと時間を合わせても、立ちどころに きっちり5分だけ遅れる
地味に凄い、呪いだねぇ…
でしょ?
─ その呪いを掛けた人って…どこか、力の使い方を 間違ってるよね
まあ…凄い力を、後ろ向きに使ってこその呪いだし
中々に…不毛だねぇ
言うなれば…呪いの美学?
私には、理解出来ない世界だわ。。。
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登場人物紹介

霜月さん

如月さん

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