最終回 『また会う日まで』
文字数 5,300文字
望 「二次創作小説『賊・さよなら絶望先生』も今回で最終回です」
千里 「はい?」
望 「『懺・さよなら絶望先生』ならぬ『残・さよなら絶望先生』もいつかは連載していくつもりですが、作者も忙しく、しばらくは投稿できないことが予測できます。なので一旦、最終回ということで……」
千里 「それって一部完って言ったまま実質打ち切りの漫画みたいなことにはなりませんよね?」
望 「……そ、それはですね」 スッ
千里 「目をそらすな!!」
奈美 「それよりも最終回なら何か特別なことをしないと!」
望 「——特別なことですか?」
奈美 「当然です! 最終回ならいつもと違うことをしなきゃおかしいでしょ?」
まとい 「……普通が特別なことなんて無理でしょ」
奈美 「普通が特別なことなんて無理とか言うなぁ!!」
望 「ていうかいたんですか」
まとい 「ええ、ずっと」
マ太郎 「この時点でいつものノルマのオンパレードだけドナ」
望 「それよりも、日塔さん」
奈美 「何です? 先生」
望 「最終回なら特別なことをしなくちゃいけない、そんなこと誰が決めたんですか?」
奈美 「えっ」
望 「言われてみるとおかしな話です。最終回だからってわざわざ特別なことをしなくてもいいじゃないですか! 夢オチとか妄想オチとかありがとうオチとか! 某奇面組とか某東京物語とか某エヴァンゲリオンとか!」
晴美 「隠せてないから!? 確かにどれも癖のあるラストだったけども!」
あびる 「そもそもブーメランだよ、先生」
望 「最終回でどんでん返しがあったり、最終回で衝撃展開があったり……本当にそれは必要なのでしょうか? 最終回だからこそいつも通りを目指すべきじゃないんですか!」
あびる 「だからブーメランだよ、先生」
望 「某2期や某ジャパンとかもそうですけど、なぜ普通に終われないのです! ファンをそんなに驚かせて楽しいですか!?」
マ太郎 「じゃあどんなオチなら良いのカ?」
望 「最終回はいわば締めですから、そう、終わりよければすべてよしなんですよ! ドキドキワクワクなんて求めてないんですよ! 起承転結の結で転させないでください!!」
可符香 「そこまでおっしゃるなんて、先生はよっぽど安定した自信のある最終回を構想してるに違いない!」
奈美 「あっ可符香ちゃん」
望 「えっ」
可符香 「確かに最終回はどんでん返しや衝撃展開で盛り上げガチです。しかし、何事もない平和な日常を素晴らしき描写力で表現することで、展開が特にないにもかかわらず、十分な満足感を最終回で読者に与えられる作品も多く存在します。先生はつまり、そんな風に締める自信があるんですよね? いや。ないならそんな自信満々に言えるはずがない!」
望 「ちょ」
千里 「まあそういうことなら仕方ないわね。」
望 「えっ」
マ太郎 「頼んだヨ、絶望!」
望 「あっ、その……」
ドキドキ
望 「最終回が特別なのは当たり前ですよね!」
奈美 「あっさり折れたやがったよ!!」
どよんど
千里 「じゃあその特別な最終回とは?」
望 「真の黒幕がいるのです!」
晴美 「某サンデーで腐るほど聞いた言葉」
望 「その正体はあがs……うっ」
バタッ
千里 「せ、先生!?」
晴美 「ちょ、急に倒れたんだけど!? うん? なんだこれ、首に何かの跡があr……」
バタッ
奈美 「真の黒幕はやっぱりみつひk……」
バタッ
千里 「みんな眠ってる!? もしかして麻酔銃か!」
あびる 「踏み込んではいけない領域に入ってしまったのかも」
千里 「と、とりあえず起こさないと、先生……!」
・
・
・
・
望 「えーと、今回は夢オチです」
晴美 「先生! 夢オチは手塚先生が禁止して以来、漫画家界最大の禁忌ですが」
望 「ええっそんなんですか? 困りましたね、もう夢の中なんですが!」
マ太郎 「原作で見たゾ。この展開」
千里 「別にいいんじゃないの? どーでも」
だるっ
望 「だっ……だらしのない木津さん! いつもあんなにきっちりしているのに!」
千里 「どーでもいいよ、人生」
望 「さすが夢!! 現実ではありえない事が起こってますね。そう、今回は夢オチなんで何が起こっても大丈夫です!」
・誰が死んでも
・少年誌で一線を超えたエロシーン入れても
・キャラクターにそぐわない行動しても
・地獄説が出ても
・打ち切りしても
・天才塾が出ても
望 「夢の中なんで大丈夫です」
?? 「すいません遅刻して」
ド
ド
ド
ド
ド
ド
ド
望 「存在感のある臼井くん!」
臼井 「夢の中のボクは気にされますよ」
モブ 「あ 臼井くんだ」
モブ 「臼井くんだ」
臼井 「やあ」
?? 「ったくバッカじゃねーの?」
芽留 「クオリティの低い再現度のせいで未だにキャラがちゃんと立ってないのに勝手な夢見やがって! しかも最終回だ? 読者の気持ちを考えろ、久米田先生に憧れた久米田もどきが!」
ぺらぺら
望 「ペラペラ喋る音無さん!」
芽留 「オイ、メガネ。原作の丸パクリで話進めるんじゃねぇよ!」
望 「ただの毒舌!」
パキッ(作者の心が折れる音)
ソーレ
ぽーん
望 「表で遊ぶ小森さん!」
※可愛い小森さんをイメージしよう
?? 「夏——つ——♪つ——♪」
奈美 「けものはいてものけものはいない〜♪ ひとであってもひとでなし〜〜♪」
望 「普通じゃない普通ちゃん!」
モブ 「こいつ普通じゃねーよ!」
奈美 「普通ですから! 私普通ですから!」
望 「いくら夢だからって、みんな自由すぎますから!」
そのころ……
まとい 「先生、どうしているかな」
↑遠距離恋愛のまといちゃん
望 「とにかくせっかく夢なんだから、どうせなら夢のある話をしましょうよ!」
久藤 「先生、ぼくお話作りました」
望 「天才ストーリーテーラーの久藤くんなら、夢のある話が聞けそうですね」
久藤 「ごにょごにょ」
望 「久藤くんがそんなエロ話するなんて! 羊とロシア女がそんな展開になるなんて!……まぁ、ある意味夢のある話ではあるのですが」
あびる 「夢のある話って、具体的にどんなんですか」
望 「そうですね、これは本当の話なんですけど、先生ロト6で——3000円当たりました」
あびる 「夢の中で夢のない話をしないで下さい」
望 「ええっ……当たったのに夢がないって」
可符香 「死んだ人も夢を見るのかしら?」
望 「えっ?」
可符香 「見る!! 叶わない夢を見る!」
・なかったことにしたい続編
・上京
・運命の出会い
・平和
可符香 「絶望したっ、夢の中ですら絶望した!」
望 「……死んだ人でも夢を見る、ですか」
可符香 「ええ」
望 「あなたもそうなんですかね?」
可符香 「……」
望 「こうなったら」
ガシッ
可符香 「えっ」
望 「二人で誰もいないところに駆け落ちです!!」
あびる 「急展開だなあ……」
晴美 「でも言われてみると伏線はあった!」
千里 「えっ?」
晴美 「この最終回の前の前の前の前の前の話『おい、自分のしたいことをするんだで!』で、先生が一度きりの人生でやりたいことの羅列ネタの中で『駆け落ち』って言葉があった!」
千里 「無駄に伏線張ってるんじゃねぇよ!」
奈美 「でもさすがに可符香ちゃんも断るでしょ」
可符香 「——私も一緒に駆け落ちします!」
あびる 「さらに急展開」
晴美 「でも伏線はあった!」
千里 「はっ?」
晴美 「この最終回の前の前の前の前の話『夜の海。新元号の時。』で、可符香ちゃんが希望で溢れてることの羅列ネタに『駆け落ちだってできちゃう』って言葉があった!」
千里 「変なとこに凝るな、この作者!?」
どよんど
望 「現実では叶わなかった夢、いざ叶えさせてもらいます! さあ、行きますよ、風浦さん!」
スッ
可符香 「……待ってください、先生」
望 「えっ?」
可符香 「やっぱりダメなんですよ、先生」
望 「ふ、風浦さん……?」
可符香 「夢は現実で見るものなんです」
・
・
・
・
千里 「起きないと殺すぞ??」
望 「ひぃぃっっ! 起きますから殺さないでください!!」
あびる 「あっ起きた」
望 「……ゆ、夢だったんですかね」
可符香 「先生! 寝てないで早くいつもの授業をしてくださいよ」
望 「ふ、風浦さん……!」
奈美 「いっぱい食べれないよぉ〜むにゃむにゃ……zzz」
晴美 「ぐへへ、ぐへへ……zzz」
千里 「こいつらも起こさないと。」
可符香 「それにしても先生。気持ちよさそうに寝てましたね〜良い夢でも見てたんですか?」
望 「……死んだ人でも夢を見る、か」
可符香 「えっ?」
望 「いや、なんでもないです。良い夢? いやいや、あれは悪夢ですよ、悪夢。風浦さんがいつも通り私を振り回すんです」
可符香 「そうですか! 先生の夢の中に私が出てきたんですね♪」
望 「ただし、悪夢ですけど」
可符香 「ふふっ、まあそれでもいいですよ! 楽しければ!」
望 「風浦さんは楽しいかもしれませんが、私は楽しくないですから!!」
可符香 「先生、嘘つけないくせに」
望 「嘘じゃないです!」
千里 「とりあえず、先生。さっさと授業を始めてくださいよ。ただでさえ一時限目やらないんですから」
望 「それもそうですね。では、みなさん。着席してください。今日もまた、絶望するようなこの世界の醜さを、皆さんに教えますからね!」
あびる 「なんて最悪な導入」
望 「絶望的なクラスメイトには、絶望的な先生が教えるしかないのです」
奈美 「開き直っちゃったよ!?」
可符香 「先生! 質問があります!」
望 「まだ何もしてないですから!?」
こうして、いつも通り、このパンドラの箱の中で、彼らは時を刻んでいく……。
それはとある絶望教師だって例外じゃない。
それはとある希望少女だって例外じゃない。
——出会ってはいけない二人が出会ってしまった。
それも満面の笑みで。
お わ り
〜作者のコメント〜
冒頭にも述べましたが、続編は考えているものの、当分後になるのが目に見えるので、「仮の」最終回を書かせてもらいました。
——久米田先生の素晴らしき絶望先生の世界。それはいわばパンドラの箱です。開けてはいけない箱、ほかの人が汚してはいけない世界です。そういう意味で、二次創作は十分に気をつけないといけないのだと思います。原作者の想い、原作を読んだ読者の想い、それらを踏みいじることは決して許されませんから。だからこそ、「愛ある」二次創作でなければいけないのです。
そして、一応「愛ある」二次創作を目指してずっと僕は書かせてもらっていたつもりです。時に原作の雰囲気とずれていたり、時に原作にモロかぶりしてしまったり(汗)
色々ありましたが、それでも精一杯書いてきました。
久米田先生への感謝の気持ち、そして久米田ファンの何かしらの元気になって欲しいなあという気持ち。
そんな気持ちが原動力となって、ここまで書くことができたんだと思います。
改めてお礼を。
さよなら絶望先生を生み出してくれた久米田先生へ……本当にありがとうございます!! 感謝と敬意でいっぱいです。『かくしごと』『スタジオパルプ』現在連載中の作品たちも、全力で応援しています!!
今までも、これからも全力で応援してます。
そして……。
二次創作である僕の活動を応援してくれたみなさんへ……本当にありがとうございました!! 読んでくれているという証、応援してくれているという証、それらが本当に心の支えになっていました。ツイッターでのコメント、また、NOVEL DAYSでの応援コメント、本当に救われました。
心の底から感謝してます。ありがとうございます……。
・
・
・
・
パンドラの箱、決してほかの人が汚してはいけない世界。でも「愛ある」二次創作ならば、パンドラの箱に残った「その希望」を見つけることができるはずです。
可符香のように、先生のように。
——そして僕のこの二次創作も、そんな希望に寄り添えたなら幸いです。いずれ帰って来るその日まで待っていてください。改めて、本当にありがとうございました。またいずれ。
お わ り
千里 「はい?」
望 「『懺・さよなら絶望先生』ならぬ『残・さよなら絶望先生』もいつかは連載していくつもりですが、作者も忙しく、しばらくは投稿できないことが予測できます。なので一旦、最終回ということで……」
千里 「それって一部完って言ったまま実質打ち切りの漫画みたいなことにはなりませんよね?」
望 「……そ、それはですね」 スッ
千里 「目をそらすな!!」
奈美 「それよりも最終回なら何か特別なことをしないと!」
望 「——特別なことですか?」
奈美 「当然です! 最終回ならいつもと違うことをしなきゃおかしいでしょ?」
まとい 「……普通が特別なことなんて無理でしょ」
奈美 「普通が特別なことなんて無理とか言うなぁ!!」
望 「ていうかいたんですか」
まとい 「ええ、ずっと」
マ太郎 「この時点でいつものノルマのオンパレードだけドナ」
望 「それよりも、日塔さん」
奈美 「何です? 先生」
望 「最終回なら特別なことをしなくちゃいけない、そんなこと誰が決めたんですか?」
奈美 「えっ」
望 「言われてみるとおかしな話です。最終回だからってわざわざ特別なことをしなくてもいいじゃないですか! 夢オチとか妄想オチとかありがとうオチとか! 某奇面組とか某東京物語とか某エヴァンゲリオンとか!」
晴美 「隠せてないから!? 確かにどれも癖のあるラストだったけども!」
あびる 「そもそもブーメランだよ、先生」
望 「最終回でどんでん返しがあったり、最終回で衝撃展開があったり……本当にそれは必要なのでしょうか? 最終回だからこそいつも通りを目指すべきじゃないんですか!」
あびる 「だからブーメランだよ、先生」
望 「某2期や某ジャパンとかもそうですけど、なぜ普通に終われないのです! ファンをそんなに驚かせて楽しいですか!?」
マ太郎 「じゃあどんなオチなら良いのカ?」
望 「最終回はいわば締めですから、そう、終わりよければすべてよしなんですよ! ドキドキワクワクなんて求めてないんですよ! 起承転結の結で転させないでください!!」
可符香 「そこまでおっしゃるなんて、先生はよっぽど安定した自信のある最終回を構想してるに違いない!」
奈美 「あっ可符香ちゃん」
望 「えっ」
可符香 「確かに最終回はどんでん返しや衝撃展開で盛り上げガチです。しかし、何事もない平和な日常を素晴らしき描写力で表現することで、展開が特にないにもかかわらず、十分な満足感を最終回で読者に与えられる作品も多く存在します。先生はつまり、そんな風に締める自信があるんですよね? いや。ないならそんな自信満々に言えるはずがない!」
望 「ちょ」
千里 「まあそういうことなら仕方ないわね。」
望 「えっ」
マ太郎 「頼んだヨ、絶望!」
望 「あっ、その……」
ドキドキ
望 「最終回が特別なのは当たり前ですよね!」
奈美 「あっさり折れたやがったよ!!」
どよんど
千里 「じゃあその特別な最終回とは?」
望 「真の黒幕がいるのです!」
晴美 「某サンデーで腐るほど聞いた言葉」
望 「その正体はあがs……うっ」
バタッ
千里 「せ、先生!?」
晴美 「ちょ、急に倒れたんだけど!? うん? なんだこれ、首に何かの跡があr……」
バタッ
奈美 「真の黒幕はやっぱりみつひk……」
バタッ
千里 「みんな眠ってる!? もしかして麻酔銃か!」
あびる 「踏み込んではいけない領域に入ってしまったのかも」
千里 「と、とりあえず起こさないと、先生……!」
・
・
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・
望 「えーと、今回は夢オチです」
晴美 「先生! 夢オチは手塚先生が禁止して以来、漫画家界最大の禁忌ですが」
望 「ええっそんなんですか? 困りましたね、もう夢の中なんですが!」
マ太郎 「原作で見たゾ。この展開」
千里 「別にいいんじゃないの? どーでも」
だるっ
望 「だっ……だらしのない木津さん! いつもあんなにきっちりしているのに!」
千里 「どーでもいいよ、人生」
望 「さすが夢!! 現実ではありえない事が起こってますね。そう、今回は夢オチなんで何が起こっても大丈夫です!」
・誰が死んでも
・少年誌で一線を超えたエロシーン入れても
・キャラクターにそぐわない行動しても
・地獄説が出ても
・打ち切りしても
・天才塾が出ても
望 「夢の中なんで大丈夫です」
?? 「すいません遅刻して」
ド
ド
ド
ド
ド
ド
ド
望 「存在感のある臼井くん!」
臼井 「夢の中のボクは気にされますよ」
モブ 「あ 臼井くんだ」
モブ 「臼井くんだ」
臼井 「やあ」
?? 「ったくバッカじゃねーの?」
芽留 「クオリティの低い再現度のせいで未だにキャラがちゃんと立ってないのに勝手な夢見やがって! しかも最終回だ? 読者の気持ちを考えろ、久米田先生に憧れた久米田もどきが!」
ぺらぺら
望 「ペラペラ喋る音無さん!」
芽留 「オイ、メガネ。原作の丸パクリで話進めるんじゃねぇよ!」
望 「ただの毒舌!」
パキッ(作者の心が折れる音)
ソーレ
ぽーん
望 「表で遊ぶ小森さん!」
※可愛い小森さんをイメージしよう
?? 「夏——つ——♪つ——♪」
奈美 「けものはいてものけものはいない〜♪ ひとであってもひとでなし〜〜♪」
望 「普通じゃない普通ちゃん!」
モブ 「こいつ普通じゃねーよ!」
奈美 「普通ですから! 私普通ですから!」
望 「いくら夢だからって、みんな自由すぎますから!」
そのころ……
まとい 「先生、どうしているかな」
↑遠距離恋愛のまといちゃん
望 「とにかくせっかく夢なんだから、どうせなら夢のある話をしましょうよ!」
久藤 「先生、ぼくお話作りました」
望 「天才ストーリーテーラーの久藤くんなら、夢のある話が聞けそうですね」
久藤 「ごにょごにょ」
望 「久藤くんがそんなエロ話するなんて! 羊とロシア女がそんな展開になるなんて!……まぁ、ある意味夢のある話ではあるのですが」
あびる 「夢のある話って、具体的にどんなんですか」
望 「そうですね、これは本当の話なんですけど、先生ロト6で——3000円当たりました」
あびる 「夢の中で夢のない話をしないで下さい」
望 「ええっ……当たったのに夢がないって」
可符香 「死んだ人も夢を見るのかしら?」
望 「えっ?」
可符香 「見る!! 叶わない夢を見る!」
・なかったことにしたい続編
・上京
・運命の出会い
・平和
可符香 「絶望したっ、夢の中ですら絶望した!」
望 「……死んだ人でも夢を見る、ですか」
可符香 「ええ」
望 「あなたもそうなんですかね?」
可符香 「……」
望 「こうなったら」
ガシッ
可符香 「えっ」
望 「二人で誰もいないところに駆け落ちです!!」
あびる 「急展開だなあ……」
晴美 「でも言われてみると伏線はあった!」
千里 「えっ?」
晴美 「この最終回の前の前の前の前の前の話『おい、自分のしたいことをするんだで!』で、先生が一度きりの人生でやりたいことの羅列ネタの中で『駆け落ち』って言葉があった!」
千里 「無駄に伏線張ってるんじゃねぇよ!」
奈美 「でもさすがに可符香ちゃんも断るでしょ」
可符香 「——私も一緒に駆け落ちします!」
あびる 「さらに急展開」
晴美 「でも伏線はあった!」
千里 「はっ?」
晴美 「この最終回の前の前の前の前の話『夜の海。新元号の時。』で、可符香ちゃんが希望で溢れてることの羅列ネタに『駆け落ちだってできちゃう』って言葉があった!」
千里 「変なとこに凝るな、この作者!?」
どよんど
望 「現実では叶わなかった夢、いざ叶えさせてもらいます! さあ、行きますよ、風浦さん!」
スッ
可符香 「……待ってください、先生」
望 「えっ?」
可符香 「やっぱりダメなんですよ、先生」
望 「ふ、風浦さん……?」
可符香 「夢は現実で見るものなんです」
・
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・
千里 「起きないと殺すぞ??」
望 「ひぃぃっっ! 起きますから殺さないでください!!」
あびる 「あっ起きた」
望 「……ゆ、夢だったんですかね」
可符香 「先生! 寝てないで早くいつもの授業をしてくださいよ」
望 「ふ、風浦さん……!」
奈美 「いっぱい食べれないよぉ〜むにゃむにゃ……zzz」
晴美 「ぐへへ、ぐへへ……zzz」
千里 「こいつらも起こさないと。」
可符香 「それにしても先生。気持ちよさそうに寝てましたね〜良い夢でも見てたんですか?」
望 「……死んだ人でも夢を見る、か」
可符香 「えっ?」
望 「いや、なんでもないです。良い夢? いやいや、あれは悪夢ですよ、悪夢。風浦さんがいつも通り私を振り回すんです」
可符香 「そうですか! 先生の夢の中に私が出てきたんですね♪」
望 「ただし、悪夢ですけど」
可符香 「ふふっ、まあそれでもいいですよ! 楽しければ!」
望 「風浦さんは楽しいかもしれませんが、私は楽しくないですから!!」
可符香 「先生、嘘つけないくせに」
望 「嘘じゃないです!」
千里 「とりあえず、先生。さっさと授業を始めてくださいよ。ただでさえ一時限目やらないんですから」
望 「それもそうですね。では、みなさん。着席してください。今日もまた、絶望するようなこの世界の醜さを、皆さんに教えますからね!」
あびる 「なんて最悪な導入」
望 「絶望的なクラスメイトには、絶望的な先生が教えるしかないのです」
奈美 「開き直っちゃったよ!?」
可符香 「先生! 質問があります!」
望 「まだ何もしてないですから!?」
こうして、いつも通り、このパンドラの箱の中で、彼らは時を刻んでいく……。
それはとある絶望教師だって例外じゃない。
それはとある希望少女だって例外じゃない。
——出会ってはいけない二人が出会ってしまった。
それも満面の笑みで。
お わ り
〜作者のコメント〜
冒頭にも述べましたが、続編は考えているものの、当分後になるのが目に見えるので、「仮の」最終回を書かせてもらいました。
——久米田先生の素晴らしき絶望先生の世界。それはいわばパンドラの箱です。開けてはいけない箱、ほかの人が汚してはいけない世界です。そういう意味で、二次創作は十分に気をつけないといけないのだと思います。原作者の想い、原作を読んだ読者の想い、それらを踏みいじることは決して許されませんから。だからこそ、「愛ある」二次創作でなければいけないのです。
そして、一応「愛ある」二次創作を目指してずっと僕は書かせてもらっていたつもりです。時に原作の雰囲気とずれていたり、時に原作にモロかぶりしてしまったり(汗)
色々ありましたが、それでも精一杯書いてきました。
久米田先生への感謝の気持ち、そして久米田ファンの何かしらの元気になって欲しいなあという気持ち。
そんな気持ちが原動力となって、ここまで書くことができたんだと思います。
改めてお礼を。
さよなら絶望先生を生み出してくれた久米田先生へ……本当にありがとうございます!! 感謝と敬意でいっぱいです。『かくしごと』『スタジオパルプ』現在連載中の作品たちも、全力で応援しています!!
今までも、これからも全力で応援してます。
そして……。
二次創作である僕の活動を応援してくれたみなさんへ……本当にありがとうございました!! 読んでくれているという証、応援してくれているという証、それらが本当に心の支えになっていました。ツイッターでのコメント、また、NOVEL DAYSでの応援コメント、本当に救われました。
心の底から感謝してます。ありがとうございます……。
・
・
・
・
パンドラの箱、決してほかの人が汚してはいけない世界。でも「愛ある」二次創作ならば、パンドラの箱に残った「その希望」を見つけることができるはずです。
可符香のように、先生のように。
——そして僕のこの二次創作も、そんな希望に寄り添えたなら幸いです。いずれ帰って来るその日まで待っていてください。改めて、本当にありがとうございました。またいずれ。
お わ り