死亡保険会社 カクリヨ③

文字数 723文字

貼り紙の下の方には、フリーダイヤルが載っていた。0120から始まる典型的な会社の電話。

自分がトイレの中にいることなんてすっかり忘れていた私は、その場で電話をかけた。
「お電話有難うございます。明るく・丁寧・親身に対応、死亡保険会社カクリヨです」
ワンコール目で職員の方が出てくれた。
「は、初めまして。貼り紙を見て電話した者なのですが…」
何て言えば良いのか分からなかった私は語尾を濁す。
職員の方は察してくれたのか、明るい声から一転。優しい声になった。
「それはそれは。よく電話をしてくださいましたね。お辛かったことでしょう」
何故か。貼り紙を見た人=辛い経験をした人のようになっているが、私の場合当たっている。

やっぱり、普通の保険会社なのか。
「それでその、保険についてなんですが」
少し言い出しにくい。だが職員の方は優しく教えてれた。
「はい。カクリヨでは”自分のため”の保険を展開しています。保険金、保険料が他社の保険とは異なります。詳しい内容は実際にお会いした際にご説明した方がよろしいでしょうか」

一回、一回だけなら会ってみても良いと思った。どうしてもこの会社は騙しているようには見えない。私の目が節穴なだけかもしれないが、結局自殺するのであれば得をした方が良い。
得をするためには一回話ぐらいは聞いてみた方が良い気がする。


「あの、直接会ってお話を聞きたいのですが」
電話口先ではあるが、職員の方がニコリと笑った気がした。
「かしこまりました。日時はいかがいたしましょうか?」

トントン拍子に話は進み、明日会うこととなった。

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クリスマスだー!
万年筆(買って)貰いました !

どうしよう、昨日書いた野球の話の続きしか思いつかない、
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