第1話 BAR Tatsuya休業する!

文字数 2,956文字


 ここは活きの良いホモ達が集まるホモの町。そして、ホモの町の名物であるSMバー「BAR Tatsuya」に1人の調教師がいた。
 俺の名はタツヤ。SMバー「BAR Tatsuya」の店長にして調教師だ。
 俺の手で調教した男を従業員として働かせ、SM好きのお客様を精一杯おもてなしするのが仕事だ。
 ところが俺としたことが……未調教の従業員が4人も脱走してしまったぜ! もう許せるぞオイ!
 そんなことがあって俺はBAR Tatsuyaを休業することになった。
 俺が貴重な商売道具を失って落ち込んでいたその時、俺のスマホに着信が掛かってきた。俺はスマホを手に取り、応答する。

「もしもし、タツヤです」
「あ、タツヤさん? レイだよ」
「おぉ~レイさん! ご無沙汰じゃないですか!」

 通話の相手はBAR Tatsuyaの常連客のレイさんだ。BAR Tatsuya創業当時からのマブダチだぜ。

「タツヤさん、捕獲した男の子達の調教は順調?」
「いや、実は……捕獲したての未調教の男の子が4人も脱走しちゃったんですよぉ……。そんなわけで、脱走した男の子達を捕まえる為に店を休業することになったぜ」
「そうか、それは大変なことになっちゃったな。なんならオレも手伝ってやるよ」
「マジ!? ありがとナス!」

 さすがレイさん。頼りになるぜ!

「ところで、オレも今ホモの町にいるんだよ。で、オレもタツヤさんに頼みたいことがあるんだけど良いかな?」
「頼みたいことって?」
「それは会ったら説明するよ。オレは今、ホモの町のホテルの中にいるから、そこまで来てくれるかな」
「かしこまり!」
「じゃ、また後でな」

 俺はレイさんとホテルで会う約束をして通話を終えた。早速俺はBAR Tatsuyaを後にし、ホテルがある場所へ向かう。
 ホモの町は小さな町なので、BAR Tatsuyaからの距離は近い。
 俺がホテルの中に入ると、入り口のフロントのソファにレイさんが座っているのが見えた。
 レイさんは短髪で白いワイシャツを着た、一見普通のサラリーマンだが、こう見えて実は男の子を虐待するのが大好きな男なんだぜ。
 俺はレイさんの方へ向かい、声を掛けた。

「おぉ~、タツヤさん! 待ってたよ」
「ところでレイさん、一体頼みって何?」
「実はオレ、ホモビデオの製作をタツヤさんと一緒にやりたいんだ。タツヤさんのバーにいる男の子達を使って撮影すれば、最高のビデオが作れるはずだ」
「ホモビデオの撮影か……。よし! 一緒に作ろうぜ!」

 俺は迷うことなくレイさんの誘いに乗った。
 ホモビデオの製作、俺達ホモにとってこれほど楽しいことは無いぜ。

「本当か!? やっぱりタツヤさんは頼りになるな~。未調教の少年達が逃げ出したんだよな。捕まえたら調教シーンを撮影しようぜ」
「おお! ナイスアイディア! さぁ、そうと決まったら出発だ!」

 俺達はホテルを出てホモの町を後にした。
 町を出ると、駅方面、港方面、そして住宅街方面に分かれた道がある。
 どこから探しに行くべきか悩みどころだ。
 レイさんの話によると、港方面は船のチケットが売り切れていて船に乗ることは出来ない、駅方面は数時間前に自爆テロが起きたせいで電車に乗ることが出来ないそうだ。
 こんな大事な時に自爆テロで駅封鎖だとォ!? もう許せるぞオイ!
 そうなると、俺達に残された道は近隣住宅街の探索だけだ。俺達は住宅街方面の道を進んでいく。
 しばらく先へ進むと閑静な住宅街が見えてきた。
 そこには近隣住民と思われる人達が散歩をしているのが見える。その時、俺は良いことをひらめいた。

「脱走者の捕獲も大事だが、道行く人も調教するのが真の調教師だぜ!」
「そうだな。一緒に調教していこうぜ!」

 俺達は道行く人を調教しながら住宅街の奥を目指すことにした。
 まず手始めに、目の前にいる男の子を調教するぜ。

「おじさん達、誰?」
「うふふふふ……」
「へへへへ……」
「……え?」

 俺達は男の子を四つん這いにさせ、俺は(ムチ)で、レイさんは竹刀で男の子を叩く。
 俺達の調教で男の子はあっという間に大人しくなり、従順な犬となったのだ。

「ギョギョ! 初めて見た~! 大人の〇〇〇〇~!」

 調教済みの男の子は意味深な単語を発して叫んでいた。
 だが、ガキを調教してもウォーミングアップにすらならないぜ。
 俺達はこの住宅街にいる成人男性達も調教していった。

「うへへ……これでいっぱい稼げる! 普通に働いたら負けってはっきりわかんだね」
「これでがっぽがっぽだぁ~!」
「ほんとに僕ね……男に生まれてほんとにね……両親に感謝してますね」
 
 道中は意外にも金に困っていると言う男が多かった。
 そいつらの調教シーンを撮影した後、ギャラを渡してやったぜ。調教しながら人助けもできて最高だぜぇ〜。
 しばらく先へ進むと、見覚えのある男の娘の姿を発見した。
 スカート姿で可愛らしい姿をしているが、奴は男だ。
 男の娘は俺達の存在に気づくと無言で素早く逃げて行った。

「あの野郎! 脱走者の1人"マヒル"じゃねーか! もう許さねぇからなぁ?」

 俺達は急いでマヒルの後を追う。マヒルが逃げて行った先は行き止まりの公園だ。このまま追い詰めて捕獲してやるぜ。
 俺達が公園に辿り着くと、公園の入り口に1人の男が立っていた。
 鎧を身にまとい、手には斧を持っている。見るからに物騒な男じゃねぇかオイ!

「貴様らだな。この町の住民達に危害を加えている2人組の男というのは」

 俺達が公園に入ろうとすると、男は俺達を足止めしてきた。この男は警備員のようだな。

「ん~? 何のことかな~?」
「人違いじゃないのか?」
「シラを切るな! もう既に通報を受けているんだぞ! 上半身に比べて下半身が貧弱過ぎるグラサン男と、白いワイシャツを着たおじさんの2人が、一般市民に変なことをしているとな。どう見ても貴様らのことだろうが!」

 白いワイシャツを着たおじさんはともかく、上半身に比べて下半身が貧弱過ぎるグラサン男呼ばわりはいくらなんでもひどすぎるぞオイ!
 俺が下半身貧弱なのは事実だけどな。

「まぁまぁ、警備員さん落ち着いてくれよ。オレ達はこの町の住民に気持ちいいことを教えているだけだ」
「そういうことだ。だからそこを通してくれ。俺達はその先にいるマヒルという男の娘を連れ戻さないといけないんだよ」

 レイさんが事情を説明すると、俺も後に続いて公園の中に入らせてもらえるようにお願いした。

「それが住民に危害を加えているということだ! 分かったらとっとと退くんだな!」
「どうしてもそこをどいてくれないの?」
「俺はこの町の警備員だ。1ミリたりとも貴様らをこの先には行かせん!」

 この警備員は意地でも俺達を通す気は無いようだ。だったら力づくで突破するしかねぇな!

「どうやらやるしかないようだな」
「俺達の仕事を全否定しやがって! お前もう生きて帰れねぇな! 死ぬ寸前まで痛めつけて、全身の毛をライターであぶってやるからな!」

 俺は(ムチ)を、レイさんは竹刀を構え、戦闘体勢に入る。

「貴様らの悪行もここまでだ! 2人まとめて牢屋にぶち込んでやろう!」

 警備員も斧を両手に構えた。
 果たしてこんな物騒な格好をした警備員相手に俺達は勝てるだろうか?
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登場人物紹介

【タツヤ】

SMバー「BAR Tatsuya」の店長にして調教師。

店から脱走した従業員の捕獲、およびホモビデオ制作の旅に出発するぜ!

【レイ】

「BAR Tatsuya」の常連客で、タツヤとはマブダチ。

男の子を虐待するのが大好きなおじさんだぜ。

【ミカエル】

素早い行動と状態異常が得意な美青年暗殺者。

殺し屋よりホモビデオ制作の方が儲かるから制作スタッフに転身したようだ。

【ヨウスケ】

魔王に囚われていたニート。

ヘタレなニートだけど便利な道具を多数持ち歩いている頼もしい男だぜ。

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