第12話チートの村になっちゃた

文字数 1,119文字

「ああ~いいものだなあ~。朝早く起きなくてもいい。何度寝しても遅刻もない。・・・おれは、自由だ~・・」そんなことを言ってると寝ている天井から光の剣が落ちてきて顔の直ぐそば枕に突き刺さる。「・・・ひい~~~・・・」

「早く起きて!・・やることいっぱいあるんだからね。」優菜が叫ぶ。ここでは優菜はニーナとヘルミナさんとも喋れるから随分楽しそうだ。「わかったよ~」ワザと膨れっ面をしてみせると「ささっ、早く着替えて2人が待ってるでしょ」と笑って答える。日本にいた時の休日のようだ。

「おはよう。」

「おはよう。やっと起きたのね、主様・・・」なりたくてなった訳じゃないから、その呼び方はやめてほしい。

「身体がないから無理やり起こせないのが問題ね」っと優菜。

「入れ替わって起きる事はできないの?」

「意識的にしないと代われないみたい。」眼が覚めたら戦ってたなんて事になるかもしれない状態は勘弁である。



そんな会話を聞いていると、ドアからサクラが飛び込んできた。「リョウさん。森の西側で人が魔物に襲われているって・・・今、オルガさん達が見に行ったけど巨大蟻の群れが襲ってるみたい。」「わかった。優菜行こう」そして戦乙女(優菜バージョン)に変化して森に駆け出した。「私も行くよ。」とニーナも同行する。



現場に到着すると既にオルガさん達が戦っていたが、その巨大さと数によって押されている。元々襲われていた人間は間に合わずに死体となっていた。どうやら新米騎士のようで弱そう剣を持ってはいたが鎧は凄く派手だった。どこかの貴族のお坊ちゃんだったのだろう。そのお坊ちゃんの死体をみて優菜がグラトニーを放つ。「どうしたの?あんな弱そうな死体食って。」そう尋ねると「いいスキル持っていたのよ。[眷属強化]って言って、これを持つ者の強さに比例して眷属とか支配下の者が強化されるのよ」そう言って周りを見るとさっきまで押されていたオルガさんたちが圧倒し始めた。「「「「なんだ~~力が湧いてくるぞ~」」」そして次々と容易く殲滅していった。「ニーナも何か変化してる?」と尋ねると「そうね・・体の力は変わらないけど魔力が10倍ぐらいになったかも・・」なんだそれ、それじゃ村人全員チート状態じゃないか・・・いいのかなあ・・・・いいんだろうなあ。

「あっ・・あいつもいいスキルもってそうだよ!」そう言って今度は巨大蟻の女王蟻を食った。

「これは・・・[思念伝達]と[絶倫]・・・[絶倫]はいらないかもだけど、[思念伝達]で皆と話せるようになったよ~・・・うれし~・・」



そして戦いはオルガさんたちの圧勝で俺達は食っただけで何もしないで終わった。
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