(三)-3

文字数 290文字

「バカ言うな!」
 母は再びそう言った。繰り返し何度も母に言ったし、畑も他の農家に譲るなどしようとも言ったが、結局母は首を縦には振らず、頑としてここに残ると言い張り続けた。
 だから俺はついに頭に来て「だったら好きにしたらいいだろ」と怒鳴った。
 母は「ああ、好きにするよ」と黙々と飯を食った。
 俺は腹立たしくて飯を止めて席を立った。
 俺は居間を出て、昔俺が使っていた部屋に戻った。

 翌日、俺は実家を出た。母は朝早くから畑仕事に出て行っており、挨拶しなかった。
 俺は朝起きてもむかっ腹が収まらなかった。なにかあったら電話で話せばいいし。そう思って挨拶せずに大阪に帰ることにした。

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み