第7話 砂トカゲ①
文字数 1,604文字
僕と右側一世はあらかた敵を倒すことができた。
教室にいた先生や子供達は右側一世の魔法で箱にして安全な所に集めておいた。
「大分敵を倒したな。…あれは。」前方から何かが走ってくる。
「砂トカゲだ!」
右側一世は黒い半球の物体を作り出し、砂トカゲにかぶせた。
「砂トカゲってなに?今のやつがそうなの?」僕から見ればとてもトカゲとは思えない。砂の塊 に足が生えているようだった。
「砂トカゲってのは魔界の砂漠に棲む魔物のことさ。砂を操り砂漠を進む船を酸性の泥で溶かして、乗っている奴らを砂の底に沈めて食う厄介なやろうさ。本体がこの学校のどこかにいるはずだ探せ!」
二手に別れて手当たり次第に教室や理科室の中を調べまわっていると、僕は女の子が砂の犬に追い詰められているのに出くわした。
「せいっ!」砂の犬を斬ってみたがまるで手応えがない。
「そうか、だからさっき一世はあの丸いので閉じ込めたんだ。なら…。」
今度は飛びかかってきた砂の犬を白の宝珠から生み出した箱に閉じ込めてやった。そして泣いている女の子を連れて右側一世を探しに行った。
「おい、砂トカゲは見つかったか?」「いや、まだ見つかってないよ。それよりもさっきの騒ぎで何人か逃げちゃった人達がいるんだ。この子もそうさ。その人達を助けなくちゃ。」「ああ、見つけ次第箱にしてるよ。」
ふと窓の外を見ると雨が降ってきていた。
右側一世は「しまった。砂トカゲは雨が苦手なんだ。普段は硬い砂の中で活動してるけど、雨が降ってくると砂ごと雨を避けるために移動するんだ。」と言った。
「砂…、まさか…。」ドドドドドという音が外から聞こえてくる。
「運動場からだ!!」砂が波のようになって校舎を襲った。
「屋上に避難だ!」右側一世はそう言って僕の手を掴んで窓の外から飛んで屋上へと向かった。
「ひとまずここにいれば襲っては来ないが晴れた時が最後、学校ごと俺たちを生き埋めにするだろう。」右側一世は少し焦っているように見えた。
「奴らは流れる砂の中を自由に泳ぎ回る。だがそれは群れのボスの指示なのだ。つまりどこかにいるボスを叩けばあとは簡単に駆除することができる。」「どこにいるんだろう。早くしないと逃げた人たちが生き埋めになってしまう。ソーマは大丈夫かな。」
屋上から校舎の窓を見ている右側一世が僕にさいそくしてきた。
「思い出せ、光一郎。敵の言葉や動きにヒントはなかったか?思い出せ、思い出すんだ。」
「そんなこと言われても…あ!そうだ…そういえば、担任の先生に化けてた怪物が窓を開けようとした僕に怒ったんだ。おそらくあの教室にあいつらの仲間、砂トカゲがいるんだ!」
僕の言葉に右側一世の表情は明るくなった。「ホントか?でかした!よし、お前の教室に行くぞ!」
廊下とは反対側の窓から教室に乗り込んだ。教室の中は砂だらけで、そこに3メートルぐらいのトカゲがいた。ヒゲをゆらゆらさせてこちらをにらんでいる。
「あれが砂トカゲのボスだ。仲間が来る前に倒すぞ。」
右側一世は黒いラッパを取り出して吹いた。ラッパから光弾が発射されて砂トカゲに命中した。
しかしそれは砂でできた偽物だった。
「上だ!天井に張り付いているよ!」右側一世が上を見たとき下から無数の砂の手が出てきて彼の体を這いずり回り動きを止めた。
「ふふふふふ、俺の罠に掛かったな右側一世。」「お前はさっき倒したはずだろ!?」右側一世の目の前には教魔がいた。
「先ほどお前にやられたのは俺に化けた砂トカゲの仲間だ。そしてこの教室に入ってきた時このガキを操ってやったというわけさ。」
光一郎の目は輝きを失っていた。
「こいつはそこにいる人質に気をとられたのさ。その隙を突けばいくら宝珠を持っていても操るのはたやすい。」
教魔が指差した先には砂に埋もれて気絶している総真が見えた。
教室にいた先生や子供達は右側一世の魔法で箱にして安全な所に集めておいた。
「大分敵を倒したな。…あれは。」前方から何かが走ってくる。
「砂トカゲだ!」
右側一世は黒い半球の物体を作り出し、砂トカゲにかぶせた。
「砂トカゲってなに?今のやつがそうなの?」僕から見ればとてもトカゲとは思えない。砂の
「砂トカゲってのは魔界の砂漠に棲む魔物のことさ。砂を操り砂漠を進む船を酸性の泥で溶かして、乗っている奴らを砂の底に沈めて食う厄介なやろうさ。本体がこの学校のどこかにいるはずだ探せ!」
二手に別れて手当たり次第に教室や理科室の中を調べまわっていると、僕は女の子が砂の犬に追い詰められているのに出くわした。
「せいっ!」砂の犬を斬ってみたがまるで手応えがない。
「そうか、だからさっき一世はあの丸いので閉じ込めたんだ。なら…。」
今度は飛びかかってきた砂の犬を白の宝珠から生み出した箱に閉じ込めてやった。そして泣いている女の子を連れて右側一世を探しに行った。
「おい、砂トカゲは見つかったか?」「いや、まだ見つかってないよ。それよりもさっきの騒ぎで何人か逃げちゃった人達がいるんだ。この子もそうさ。その人達を助けなくちゃ。」「ああ、見つけ次第箱にしてるよ。」
ふと窓の外を見ると雨が降ってきていた。
右側一世は「しまった。砂トカゲは雨が苦手なんだ。普段は硬い砂の中で活動してるけど、雨が降ってくると砂ごと雨を避けるために移動するんだ。」と言った。
「砂…、まさか…。」ドドドドドという音が外から聞こえてくる。
「運動場からだ!!」砂が波のようになって校舎を襲った。
「屋上に避難だ!」右側一世はそう言って僕の手を掴んで窓の外から飛んで屋上へと向かった。
「ひとまずここにいれば襲っては来ないが晴れた時が最後、学校ごと俺たちを生き埋めにするだろう。」右側一世は少し焦っているように見えた。
「奴らは流れる砂の中を自由に泳ぎ回る。だがそれは群れのボスの指示なのだ。つまりどこかにいるボスを叩けばあとは簡単に駆除することができる。」「どこにいるんだろう。早くしないと逃げた人たちが生き埋めになってしまう。ソーマは大丈夫かな。」
屋上から校舎の窓を見ている右側一世が僕にさいそくしてきた。
「思い出せ、光一郎。敵の言葉や動きにヒントはなかったか?思い出せ、思い出すんだ。」
「そんなこと言われても…あ!そうだ…そういえば、担任の先生に化けてた怪物が窓を開けようとした僕に怒ったんだ。おそらくあの教室にあいつらの仲間、砂トカゲがいるんだ!」
僕の言葉に右側一世の表情は明るくなった。「ホントか?でかした!よし、お前の教室に行くぞ!」
廊下とは反対側の窓から教室に乗り込んだ。教室の中は砂だらけで、そこに3メートルぐらいのトカゲがいた。ヒゲをゆらゆらさせてこちらをにらんでいる。
「あれが砂トカゲのボスだ。仲間が来る前に倒すぞ。」
右側一世は黒いラッパを取り出して吹いた。ラッパから光弾が発射されて砂トカゲに命中した。
しかしそれは砂でできた偽物だった。
「上だ!天井に張り付いているよ!」右側一世が上を見たとき下から無数の砂の手が出てきて彼の体を這いずり回り動きを止めた。
「ふふふふふ、俺の罠に掛かったな右側一世。」「お前はさっき倒したはずだろ!?」右側一世の目の前には教魔がいた。
「先ほどお前にやられたのは俺に化けた砂トカゲの仲間だ。そしてこの教室に入ってきた時このガキを操ってやったというわけさ。」
光一郎の目は輝きを失っていた。
「こいつはそこにいる人質に気をとられたのさ。その隙を突けばいくら宝珠を持っていても操るのはたやすい。」
教魔が指差した先には砂に埋もれて気絶している総真が見えた。