5 小説家とラジオDJ
文字数 1,733文字
私は若い頃から映画と小説が好きだった。映画館では字幕の洋画しか観なかった。邦画はレンタルで観ていた。小説はラストが気になって一気に読まなければ気がすまない。読書をしている時は全ての音が入ってこなくなる。そして何もしなくなる。
結婚してすぐに母になれた私は3人のわが子を育てている間は字幕の洋画を観る余裕も読書に没頭する余裕も無くなった。一番下の子が幼稚園に入る頃から少しずつ自分の時間を持つことが出来てきて、ひとり映画や読書という贅沢な時間を時々楽しんでいた。
気付けば子育ても終わりに近づいてきている。自分時間は私自身のさじ加減でどうにでも出来るようになっていた。
最近はスマホの配信で映画を観るようになった。なんて素晴らしい時代なんだろう。おかげで出不精な私は仕事が休みの日は益々引き篭もりになっている。
私と彼は1週間に1度くらいの頻度でLINEをしていた。ほとんど私からのLINEだったが彼は返信をくれた。
何気ない会話の中で少しずつ彼が見えてきた気がした。
彼とのLINEのやり取りの中で彼が小説を読むかと聞いてきた。私は読むと答えた。
彼は自分は小説を書いているから、1度読んで欲しい。と言ってきた。私は是非読ませて欲しい。と言った。
そういえば、彼に好意を抱いている彼女が以前、私以外の3人で飲みに行った時に彼が小説を書いていると話していて読ませてもらった。と言っていた。
彼からLINEで彼の書いたお話が送られてきた。
凄い!ちゃんとした原稿だ!と驚いた。
彼の小説を読んでいるうちに、もう彼の小説から『彼』が消えていた。
いち小説家が書いた作品だった。私が大好きな展開であまりにも凄いと衝撃を受けた。
彼は一体、何者なのだろう?
彼は沢山のお話を書き溜めていた。彼が書いた作品の全てを読ませてもらうことにした。
様々なジャンルの作品を書いていた。
何作かは彼本人をモデルにしている作品なのかな?と思えるものもあったが、簡単に言ってしまえば『ハードボイルド』的なお話が多かった。『闇』『現実と非現実』。
あまり小説を読まない人や彼を深く知ろうとしない人が読んだら、彼をことを心が病んでいる人だと思うのかもしれない。
けれど、ただ心が病んでいる人が気持ちのまま書いているだけの作品ではない。
きちんと調べてあげて、まるで現地に行ったことがあるかとのように、日本各地から宇宙にまでも。まるでドラックを経験したことがあるかのように。まるで人を殺めてしまったことがあるかのように。
そして、彼の小説の中に出てくる知らなかったこと知らなかったものが新鮮で、それを知ることができた私は嬉しいと思えた。
『惑星の音』を知った時は衝撃的だった。
彼にしか書けない世界観。私にはピタリとハマった。
彼の小説を読むために彼と出会ったんだ!と思えるくらいに。
彼とずっと繋がっていたい。単純にそう願っている。彼とも彼が書くお話とも。
LINEで彼に伝えたことがあった。いつもの会話の中でさらりと。
「キミは私のことを好きにも嫌いにもならないでね」と。そうしたら、ずっと繋がっていられると。よくよく考えてみると私はかなりズルいことを言っているなと自分で思った。
私には彼が。彼の小説が必要だから。
そして、LINEのやり取りの中で彼はラジオを聴くのか?と聞いてきた。今は全く聴かなくなったけれど中高生の頃に好きな歌手のラジオを聴いていた。と答えた。
なんと彼は、ラジオDJもしている。と言った。良かったら聴いて欲しい。と。
???どうゆうことなのだろうか?
彼は正確には、DJの真似事でボイスメモを使って録音していると言った。
是非聴いてみたい。と返した。彼はボイスメモを送ってくれた。
彼は若い頃に音楽をやっていた。バンドを。多才な彼は作詞作曲もしていたようだ。
歌が上手いのも納得できる。
ディスクジョッキーの名前は『ミスタームーンライト』。
いろいろなミュージシャンの音楽を毎回テーマに合わせて紹介していく内容だ。
彼の声のトーン、話し方は本当に優しくて癒される。
彼の。ミスタームーンライトさんの声が私のカラダを優しく包み込んでくれる気がする。
落ち込んだり、心と頭がザワザワしてしまう時、彼の声に包み込んで欲しくなる。
私は彼の声が恋しい。
結婚してすぐに母になれた私は3人のわが子を育てている間は字幕の洋画を観る余裕も読書に没頭する余裕も無くなった。一番下の子が幼稚園に入る頃から少しずつ自分の時間を持つことが出来てきて、ひとり映画や読書という贅沢な時間を時々楽しんでいた。
気付けば子育ても終わりに近づいてきている。自分時間は私自身のさじ加減でどうにでも出来るようになっていた。
最近はスマホの配信で映画を観るようになった。なんて素晴らしい時代なんだろう。おかげで出不精な私は仕事が休みの日は益々引き篭もりになっている。
私と彼は1週間に1度くらいの頻度でLINEをしていた。ほとんど私からのLINEだったが彼は返信をくれた。
何気ない会話の中で少しずつ彼が見えてきた気がした。
彼とのLINEのやり取りの中で彼が小説を読むかと聞いてきた。私は読むと答えた。
彼は自分は小説を書いているから、1度読んで欲しい。と言ってきた。私は是非読ませて欲しい。と言った。
そういえば、彼に好意を抱いている彼女が以前、私以外の3人で飲みに行った時に彼が小説を書いていると話していて読ませてもらった。と言っていた。
彼からLINEで彼の書いたお話が送られてきた。
凄い!ちゃんとした原稿だ!と驚いた。
彼の小説を読んでいるうちに、もう彼の小説から『彼』が消えていた。
いち小説家が書いた作品だった。私が大好きな展開であまりにも凄いと衝撃を受けた。
彼は一体、何者なのだろう?
彼は沢山のお話を書き溜めていた。彼が書いた作品の全てを読ませてもらうことにした。
様々なジャンルの作品を書いていた。
何作かは彼本人をモデルにしている作品なのかな?と思えるものもあったが、簡単に言ってしまえば『ハードボイルド』的なお話が多かった。『闇』『現実と非現実』。
あまり小説を読まない人や彼を深く知ろうとしない人が読んだら、彼をことを心が病んでいる人だと思うのかもしれない。
けれど、ただ心が病んでいる人が気持ちのまま書いているだけの作品ではない。
きちんと調べてあげて、まるで現地に行ったことがあるかとのように、日本各地から宇宙にまでも。まるでドラックを経験したことがあるかのように。まるで人を殺めてしまったことがあるかのように。
そして、彼の小説の中に出てくる知らなかったこと知らなかったものが新鮮で、それを知ることができた私は嬉しいと思えた。
『惑星の音』を知った時は衝撃的だった。
彼にしか書けない世界観。私にはピタリとハマった。
彼の小説を読むために彼と出会ったんだ!と思えるくらいに。
彼とずっと繋がっていたい。単純にそう願っている。彼とも彼が書くお話とも。
LINEで彼に伝えたことがあった。いつもの会話の中でさらりと。
「キミは私のことを好きにも嫌いにもならないでね」と。そうしたら、ずっと繋がっていられると。よくよく考えてみると私はかなりズルいことを言っているなと自分で思った。
私には彼が。彼の小説が必要だから。
そして、LINEのやり取りの中で彼はラジオを聴くのか?と聞いてきた。今は全く聴かなくなったけれど中高生の頃に好きな歌手のラジオを聴いていた。と答えた。
なんと彼は、ラジオDJもしている。と言った。良かったら聴いて欲しい。と。
???どうゆうことなのだろうか?
彼は正確には、DJの真似事でボイスメモを使って録音していると言った。
是非聴いてみたい。と返した。彼はボイスメモを送ってくれた。
彼は若い頃に音楽をやっていた。バンドを。多才な彼は作詞作曲もしていたようだ。
歌が上手いのも納得できる。
ディスクジョッキーの名前は『ミスタームーンライト』。
いろいろなミュージシャンの音楽を毎回テーマに合わせて紹介していく内容だ。
彼の声のトーン、話し方は本当に優しくて癒される。
彼の。ミスタームーンライトさんの声が私のカラダを優しく包み込んでくれる気がする。
落ち込んだり、心と頭がザワザワしてしまう時、彼の声に包み込んで欲しくなる。
私は彼の声が恋しい。
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