(二)-10

文字数 219文字

 アンドレアは退屈そうにそう言うと大きなあくびをした。
 僕は漁師をしていた父と、小舟で漁や釣りに出かけることが多く海には慣れていた。だから海面を見ればどこにどういう魚がいるとかというのも、だいたい想像できた。でも彼は僕と同じ漁村に住んでいたものの、彼の家は農家で、山の斜面で葡萄を作っていた。野山を見るのにはなれているが、海にはもう飽きてしまったのだろう。
 アンドレアは海を見ながら地面に背中を付けて目をつぶって寝ようとしていた。

(続く)
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