第17話 身体に関するまとめ(2)

文字数 991文字

「短く入息する時は『私は短く入息する』と気づき、短く出息する時は『私は短く出息する』と気づきます」(アーナパーナサティ・スッタ:出入息念経)

 2番目のレッスン、短い呼吸。このステップも長い呼吸同様に、「短い呼吸をする身体」が肉体の身体にどのように関係するか、その観察をすることです。
 例えば、長い呼吸が楽な、心地良い影響を肉体の身体に及ぼしたのならば、短い呼吸は「普通ではない窮屈さ」「不安・心地悪さ」をもたらすことを実感するでしょう。
 この長い・短い、2つの呼吸は反対の性質を持っています。しかし、私たちが学ぶ根本は、同じことです。
 長い呼吸と同様に、短い呼吸の特性について学びましょう。

 呼吸は誰のものでもなく、あなただけのものです。従って、それを体験するのもあなた自身です。これが短い・これが長いという、万人に決まった呼吸の時間はありません。
 あなたが長いとする呼吸、短いとする呼吸を、それぞれ10分間、やってみましょう。座って、呼吸を観察すること、これがマインドフルネスの基本です。
 呼吸によって肉体がどんな情態に、どんな変化をするのか、細かく、根気づよく観察を続けてみて下さい。これは、あなただけにしか体感できない、微妙な、繊細な時間です。

 以上、2つのステップをまとめますと、呼吸を活用することによって、感情を調整し、コントロールし、マネジメントすることが可能だということ。これに気づくことになるかと思います。これは、あなただけの「知識」です。
 私の場合、「あ、こうすれば落ち着く」という呼吸法に気づくまで、3、4ヵ月掛かりました。毎日、この瞑想を続けて、何か身体が「教えてくれる」ような感覚があります。
 呼吸そのものをコントロールする能力を、少しずつ身につけたいと思います。

 プレッシャーのかかる仕事に向かう時、心配でドキドキする不安な心の時、非常に有効な手立てだと思います。Googleやintelといった会社が、マインドフルネスをする理由も分かる気がします。
 ただ仕事だけに効用するのでなく、人生全般、生きるということ全般に、有効であると言っていいかもしれません。
 ともかく「呼吸する身体」と「肉体の身体」の相互の関係、関わり合い方、これを「はっきりと観る」、自分で感じるまで、実践を続けることが肝心であるようです。

 次に、ステップ3、ステップ4の考察に移ります。
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