06 リオンとの再会
文字数 2,552文字
トライブたちは、通常のミッションであれば用意されているはずのヒントが一切がない状態で、ひたすら草原の中を歩き続けた。
オルティスですら、トライブたちの前に戻ってくることはなかった。
何より、「ゲームマスター」の作った世界ということもあり、人間が周りにいないため、街のにぎわいがない。普段は人間に追いやられている生物が恐れることなく暮らしているだけだった。
1時間ほど歩き、トライブたちは森の入口にたどり着いた。
トライブは、ソフィアの前に立ち、その耳でこの森に潜む剣士の姿を確かめようとした。
だが、剣と剣がぶつかり合う音は全く聞こえず、ソフィアの言う通り自然の音しか聞こえてこなかった。
トライブは、再び森の奥へと足を進めた。
歩く間も、時折上を向いて剣士の気配を確かめていたが、それから10分が経ってもその予兆すら二人には訪れなかった。
やがて木々の間隔が開き始め、上から光が差し込んでくる。
休むのにちょうどいい小さな岩も、その場所に三つ並んでいた。
二人は岩の上に腰を下ろし、何度目か分からないほど上を見上げた。
木々の間からこぼれてくる光が、二人を眩しく照らす。
数秒後、ソフィアの体が小さく動いた。
ソフィアに促されるように、トライブも耳を澄ました。
ほんのわずかではあるが、ズサッ、ズサッと音の反射しているが分かった。
トライブは、いよいよ立ち上がって前後左右を何度か見渡した。
そして、森の奥から音が聞こえてくることをその耳で突き止めた。
トライブは、アルフェイオスの剣先を足音の聞こえるほうに向け、新たな剣士の出現を待つ。
時間を追うごとに、その目が徐々に鋭くなってきているのが、トライブ自身にもはっきりと分かった。
やがて、強い風が森を吹き付け、太い木の枝がわさわさと揺らぎだしたその時、一本の剣の輝きがトライブの目に留まった。
トライブの細い目は、剣の姿を捕らえ、その後すぐにその人物の輪郭を捕らえた。
短い茶髪を揺らしながら、緑色のマントをトライブに小さく見せている。
そして、顔までもはっきりとトライブの目に浮かび上がったとき、彼女は思わず息を飲み込んだ。
そう言いながら、トライブはゆっくりとアルフェイオスを正面に向け、今にでもリオンと戦えるような姿勢で出迎えることにした。
だが、対するリオンはその手にライトニングセイバーを持つことなく、そのまま真っすぐトライブの前までやって来て、その目をじっと見つめた。
明らかな温度差があるようにしか、トライブには思えなかった。
その中で、リオンの口はこう告げた。
トライブは、再会を果たしたリオンへ、両手を彼の肩に載せようとした。
だが、リオンは一度首を横に振り、トライブの誘いをあっさりと拒んだ。
リオンの発した言葉に、トライブは思わず苦笑いした。
そしてすぐさま息を飲み込み、リオンが知っているはずの姿を、彼に向けてわずかに近づけた。
それでも、リオンの表情が和らぐことはなかった。
すると、ソフィアがトライブの横に立って告げる。