(二)-10

文字数 294文字

 松ヶ浦法子は監査のために三人の部下を引き連れて川居警察署にやってきていた。署内の会議室を借り受けて、経理書類や、銃器管理台帳、車両整備台帳や各種の報告書などを次々と確認していった。
 監査は一日では終わらず、三日かかった。事前に作成していた監査項目に従い、部下に担当を割り振って作業をさせた。法子自身は各種の報告書に目を通していった。
 比寄組が表立って関与する事件は多くはなかった。特にここ一年間分については事件に巻き込まれる例はあっても、傷害事件や恐喝などの事件を起こす側になる案件は一件もなかった。暴対法の効果もあるのだろうが、それ以上にこの組は統制がとれているようであった。

(続く)
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