(二)-11

文字数 251文字

 大統領は無事なのか。そう思いティムは立ち上がった。こういう場面で立ち上がるのは危険だと知っていた。本来は立たないで伏せていなければいけない場面ではあったが、周囲の人間が皆立ったままだったのだ。かえって立ち上がっても撃たれる可能性は残るが危険は減るように思えた。
 演台の方を見ると、大統領はすでにその場でうずくまっているようだった。上から黒いスーツのシークレットサービスが数人、守るように覆い被さっている。
 「SS(シークレット・サービス)はルートAを使って退避せよ」という無線が聞こえた。次の射撃の前に退避するらしい。

(続く)
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