看守長の寝言
文字数 334文字
とっくに
いまはすでに朝なのだ
いや つねに朝なのだ
わたしが朝だと言ったなら
それはもはや朝なのだ
たとえ諸君の精神が
夜の中だとしてもだぞ
ほら
その
一本たりとも残さずだ
わが作りし
美しくなければならないのだ
システムとはそういうものなのだ
おしなべてそういうものなのだ
諸君はそれぞれ柱である
監獄を支える柱である
柱が狂えばままならない
支えることはままならない
支えよ 支えよ
支えよ 支えよ
うまくできたらごほうびに
諸君らにもわけてやる
これは約束ではない
守る義務などあるはずもない
なぜなら諸君は囚人で
わたしは
このシステムにある以上
わたしが神であるからだ