午前

文字数 1,097文字

私は、目覚まし時計の音で目を覚ました。

朝の六時半。

外は、雨。

窓の近くには、てるてる坊主が飾ってあった。

しかし、てるてる坊主の意味もなく、今日は朝から雨がしとしと降っていた。

雨……嫌だなぁ……。

てるてる坊主作ったのに……。

でも、午後から天気回復してくるし……。

今晩、晴れてくれると良いなぁ……。

私は、佐野瑞樹。

大手商社の経理課に務める二十五才。

今、絶賛片想い中……。

七夕の日、この街の高台にある恋人岬で告白をしたカップルは、幸せになれる……という言い伝えがある。

私は、今日それにかけようとしていた。

seventh night of Julyの奇跡という童話がある。実際、吹奏楽の曲でも酒井 格さんが作った曲のリストの中に入っていた。

私は、ニュースを見ながらコーヒーと食パンを噛る。

何時ものこの時間は平穏すぎるが、もう少しで私はバリバリのキャリアウーマンに変貌する。

ご飯を食べて化粧をし、通勤するために家を出た。

空は相変わらず泣いている……。

電車に揺られること二十分。

海沿いの町に私の務める株式会社 楓商社がある。

私は、タイムカードを入れると何時ものようにコーヒーを入れて、自分の席についた。

パソコンを開くと会計ソフトのページを開く。

今日も忙しくなりそうだ……。

凄い数の社内メールの数々……。

そして、残業……。

ブラックだと私は思っている。

おはようございます、佐野さん。

今日も早いですね。

おはよう、片桐くん。

今日も仕事頑張ろうね。

ところで佐野さん、今日の夜……
皆、お早うございます。

本日の朝ミーティングを始めます。

皆さんで社内規則を読み上げます。

社長が出社してくるなんて珍しい。

何かあるのかな?

それを期待した私がバカだった。

社長が社長室に入ったあと、私の机には経費などの書類が山積みに積まれていた。

隣の関の片桐くんが、心配そうに私を見てくる。

佐野さん、手伝いましょうか?

俺、自分の仕事が今終わったので暇になってしまったので……。

大丈夫よ。

これぐらい一日あれば終わるわ。

ダメです、佐野さん。

俺にその仕事半分ください。

二人でやった方が早く終わりますよ?

じゃあ、お願いするわね。
私は、片桐くんの席に半分の資料や領収書の山を置いた。

二人でやれば早く帰れるだろう……。

そして、七夕を楽しめる……。

私の中での何かが変わり始める。

片桐くんは、私の初めての部下。

恋愛感情なんて……あり得ない。

社内規則その三、社内での恋愛は禁ず。

私は、それを守れる訳がない。

私は、いつの間にか片桐彰文くんに恋をしてしまったからだ……。

この恋は、決してバレてはいけない。

いつの間にかお昼休みのチャイムが鳴り響く。

時間経つの早いなぁ……。

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登場人物紹介

佐野 瑞樹

大手商社に務める会社員の女性。
笑顔が可愛く、会社の中でも色々な男性が狙っている女性。
経理課所属で同じ所属の片桐 彰文に片想いをしている。

片桐彰文

主人公と同じ会社に務める大卒で入社してきた新人社員。
女子から人気があり、モテる。
七夕の日、とある作戦を決行する。

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