【動画】『FINAL FANTASY LOST STRANGER』第一話を読む!

文字数 1,240文字

少年ガンガンの作品で、原作:水瀬葉月先生 作画:亀屋 樹先生です。
いやー、動画見てて、自分の発言を聞いて我ながら、


「うおっ、すげえセルフブーメラン」


とか思ったんですが……。おれも一回異世界ファンタジーで失敗してるからね。

まあでも、よく言えば、だからこそ、こういう問題意識を抱けるわけですよ。

今回のポイントを挙げると次の2点かと思うんですが


1、せっかくのFF世界なのに「FF世界に入った楽しさ」が感じられない

2、主人公がスクエニ社員であるという強烈な企画性なのに、「スクエニ社員」であるという必然性が感じられない。

1に関しては描写はあるにはあるんですよ。

あるんだけど、なんか感じられない。


これねえ。おれも同じ経験をしたんですよね。

ちゃんと尺取って描いたはずなのに、異世界の楽しさを「なぜか読者が感じられない」。

こっから考えるに、


「異世界に行って楽しい感」を出すのは相当に大変


ということかもしれません。少なくとももっと尺と演出がいるのかも。

しかし、動画中でも言ってるように、やっぱり一話の締めで妹が死ぬところまでは行きたいわけですよ。

ここが難しい。


きっちり見せ場まで入れて話の方向性を示すのと、異世界の楽しさを描くのと、どちらを優先するか。

今回のは見せ場まで入れた結果、楽しさ描写がやっぱり薄くなっちゃった気がする。

でもコエーんだよな。

楽しさ描写だけ描いて2話に続く、とか、描いてる方は怖くてたまんねーんだよな。

「もうちょっと書いて読者を驚かさなきゃまずいんじゃねーの」ってなる。

2もねえ。

おれの方はそこまで主人公のキャラ性と物語の全体像が企画性に関与してなかったんですが(だから主人公キャラが弱いってのもあったけど)、こっちは相当に企画性に関与してるので、やっぱ第一話からもっと主人公が「スクエニ社員であること」を強調する作りにすべきだったんじゃないかなぁ。


ごとう先生の言うように、色んな事情があったんだろうか……。

ただまあ、スクエニ社員であることを強調しすぎると、どうしてもメタな話になっちゃうし(異世界を作り手側の視点から見ることになる)、そうなると、ギャグテイストが強くなる気もするんですよね。


基本的にはギャグよりもシリアスなストーリーの方が売れるので、シリアスにするなら、そのメタ要素は抑えることになるのかも……しかし、抑えた結果、せっかくの「スクエニ社員」という企画性が損なわれたらそれはそれでどうなんだ。

これに関しては今後次第ですねえ。

「レイズ」がメタ要素とどう関わってくるのか、主人公の発現しているライブラと思しき魔法?がメタ要素と繋がっていくのか。


そのへんで「スクエニ社員」である必然性が生まれるかどうか、でしょうか。

というわけで、動画の方もよろしくお願いします!!


https://www.mangiren.jp/shinrensai/170725ffloststranger/

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登場人物紹介

■架神恭介

作家、漫画原作者。
マンガ新連載研究会の共同主催者。
過去に連載した漫画は二作とも打ち切られたが(『放課後ウィザード倶楽部』『こころオブ・ザ・デッド』)、その分、並々ならぬ経験値を得ており、おれの発言は傾聴に値する。

■ごとう隼平

漫画家、東京ネームタンク講師。
マンガ新連載研究会の共同主催者。
人さまの作品に対して、架神が後先考えず好き勝手なことを言うので、必然的にフォロー役に回らざるをえない大変な立場。
必死に言葉を選んだり、議論をポジティブな方向になんとか誘導しようとする姿勢から、最近は会員からも「守りのごとう」と呼ばれている。

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