今宵、ホテルのバーで謎解きを 『思い違いの思い出?』編
文字数 1,089文字
はぁ。疲れた。
なんか、疲れたって言葉がこの日のために用意されてたってくらい、神経がすり減りました。
これか。これね、オレの一張羅なんです。
子供のころからずっとこういうのかっこいいなって思ってて。
それで、友人の結婚式でいい人見つけてやろうなんて、奮発したんですけどね。今日はそんな気になれなくて。
披露宴のすぐあとに二次会もここでやってて、一応顔出してたんですよ。
そこでも酒はふんだんに用意されてましたけど、抜けてきました。
いいですね。家飲みはもっぱら発泡酒ですから。
地元でも案外知らないし、地酒なんて飲まないものなんですよね、わりと高いから。
実家があるんで。
今は東京で、何年かぶりに帰ってきたんですけどね、傷心気味ですよ。日本酒なんか飲んじゃったら、しっぽりどころか、ずっぽり酔い潰れそう。
あ、ほんとだ。瓶にちゃっかり地名がついてる。
……うん。軽めで、香りとか、ビールっぽさがありますね。
そうかな。和テイストな料理もあったから折衷料理かもしれないな。
でも、あんなにたくさんの料理を用意するのにすごくきれいに盛り付けしてるんですよね。
今日はいろいろ飲んじゃお。
宿も用意してくれているし、潰れちゃったらお願いします。部屋の鍵、置いとくんで。
あー、もう、それ聞きます?
けっこうどうでもいいことなんですけどね。なんか、ふに落ちないっていうか、気になっちゃうというか。
★いいね!
ファンレターを書く
次のエピソードへ 2.結婚相手は同級生
作品お気に入り
登場人物はありません