世界もメイドくんに恋してる
文字数 1,533文字
そして、それから3日が経った、新作ドレス発表披露宴当日
あの、入ってもいいでしょうか
いいよー。
橘は、控室であり、更衣室の扉を開く。
そこには、壁に手を付き、後ろから犯される女の子の姿が――
ダメっです……、もうこれ以上されると壊れちゃいますっ……！
もうダメなの？もっとイケるでしょ？これくらいで根をあげちゃう子だと思わなかったなあ。ほら、続きやるよ。
ひ、ひえええっ……！！もう嫌です～～～っ！！
…………なるほど、ごちそうさまです
なんか勘違いされてる！？！？違いますよっ、コルセット締めてただけですっ！ね、みずきさん！
……む、それって、勘違いされたくないってこと～？恋人なんだからもっとイチャイチャしようよー。橘の前でもさ！
どこ触ってるんですか～っ！
腰。ううーん…このドレス着たゆたくんかわいすぎるっ！やっぱり今から人前に出したくないよ～、このまま独占したいっ！
それはダメです、気持ちは分かりますがダメです
分かってるけどさぁ……あ、まだ時間あるよね？鏡の前でシたいな？だめ？
ええっ……それは、ダメですっ！せ、せっかくみずきさんが作ってくれたドレスなのに…汚れますっ！
そ……それはよくない！しかもエッチになったゆたくんを大勢の前に出したら襲われちゃうしっ！で、でもそれはそれで……ってよくなーーーい！
あの、そろそろいいですか？イチャイチャされるのはありがたいのですが、何故か私が恥ずかしくなってきました
ご、ごめんなさい……
あ、そろそろ始まるね、出ようか。
はいっ！
２人は自然に手を繋ぎ、控室を出た。
もうパーティーは始まっていて、大勢の業界関係者、記者が会場に居た。
その様子を、会場の舞台袖から伺う。
緊張する……
……大丈夫よ。ゆたくんはわたしが惚れこんだお姫様だもの。ドレス、とってもよく似合ってる。
みずきさん……！ありがとうございますっ、ボク、これ着れてとっても嬉しいですっ！あの日、ボクを見つけてくれて、「お姫様」にしてくれてありがとう……
ありがとう、か……それはこっちの台詞だったり……
じゃ、行ってきますっ！
うん、いってらっしゃい。ここから見てるね。
…………みすぎさん
？ ん、どうしたの？
ちゅ…………
…………っ！！
それは、背伸びをして、唇に届いた。
ちょこっと触れるくらいの、だけど精一杯のキスだった。
……えへへ、しちゃいました。好きです。
もうっ……かわいすぎ、そんなの、わたしも好きだよ。
その言葉を聞いたゆたは笑みを作って、ステージへと向かっていった。
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わーーー！すごーーーい！なんかモデルさんが来てるーー！かわいいっ！
そう……？兄さんの方がかわいいけど
それを言ったらうさぎのほうがかわいいっ！
……はいはい
あっ、スルーされたっ！……にしても、こんなすごい家の出身だったのねえお姉さま……うう、うさぎとは釣り合わないわ
……どんまい
あー、ちょっと、変な行動はしないでよね。ほんとは一般客出入り禁止なんだから。私の招待客として呼んだんだから。
わかってるよ……さーて、あいつはどこかなー
わーー！このマスカット美味いー！このローストビーフも美味いー！
食べてばっかりじゃん、もう探す気ないでしょ……
ちゃんと探してるもん！でもまずは腹ごしらえをしないともったいないでしょ！
貧乏人か
もうっ、お姉さまどこーーーーーーーっ！！！！！
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……今、呼ばれた気がする、しかもすごく近くに居る気がする
昔に引っ掛けた女の人ですか？まったく、罪なお方ですねえ
違うよ！女というか、女ではないというか……でもなんでこんなところに……
どうでもいいですけど、私を呼んだんですから早くやりましょう。
そうだね、何故か橘にはバレちゃってたみたいだし。もう手伝ってもらうことにしたよ。
ふふ、メイド長にお任せあれです。
