牢獄編あらすじ

文字数 662文字

★牢獄編あらすじです。 ここまでのがっつりネタバレを含みます★

 銀嶺の雫(ぎんれいのしずく)と呼ばれる清涼な湖を持つ砂漠の真ん中のオアシス都市「波間の真珠」。オアシスの独立性に目を付けた芸術家達が「美術工芸研鑽学院(略:美術工芸院、もしくは学院)」を設立し、いつしかこのオアシスは美と富のあふれる自由な文化が花開いていた。
海沿いの国「波州(はしゅう)」から美術工芸院に入るため砂漠を越えてやってきた青年「麗射(れいしゃ)」はうるう年に気づかず、入学願書の提出に遅れてしまう。試験を受けさせてもらえない彼は、学院の壁に絵の具アートを作るが、学院の白壁に落書きすることは重罪であり、牢に入れられ、その後夏の砂漠に放逸といった実質死罪の判決を受けてしまう。
 馬鹿がつくほど純粋でお人好しの彼は、牢の厳しい洗礼を受けながらもそのリーダーシップで徐々に仲間を増やし牢を改革していく。存在感はないが尋常では無い身体能力を持っているコソ泥の「走耳(そうじ)」と、鶴のような見かけとは裏腹に高度な医学の知識を持ち血にひるまない不思議な老人「幻風(げんふう)」という仲間もできて、とうとう麗射を目の敵にしていた牢名主「雷蛇(らいじゃ)」をも信服させる。
 快適となった牢の生活。だが、王室と重税にあえぐ民衆が一触即発の状態である北の国「煉州(れんしゅう)」の革命家「氷炎」が牢に入ってくる。無実の罪で死刑となる氷炎を救うため、麗射達は脱獄計画を練る。上手く行きそうに見えた脱獄計画だが土壇場で見破られ、思いがけない裏切り者が……。麗射の自己犠牲で氷炎は逃げおおす事ができ、麗射自体も叡州(えいしゅう)公の恩赦で悲願の美術工芸院に入学することができた。
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登場人物紹介

麗射:「青銀の風」の主人公。絵師を目指して砂漠の真ん中にある「美術工芸研鑽学院(美術工芸院)」にやってくる。砂漠で隊商に見限られたり、ラクダに逃げられたり、艱難辛苦の果てにたどり着いた美術工芸院だが、入試受付は前日で締め切られていた。おおざっぱだが、打たれ強く男気のある性格。常に前向きな彼の周りには、いつの間にか仲間が寄ってくる。黒目、黒髪、肌はやや褐色。

イラム:麗射と泉で出会った謎を秘めた少女。金髪、青い目。

走耳:スリをして服役中、麗射と知り合う。いつもいるか居ないかわからない存在感の無い男だが、神がかった運動神経を持つ。孤高を保ち誰のことも信じない。茶色の髪と茶色の目。

「清那」入学年齢に達しない13~4歳だが、訳あって美術工芸院で学生兼講師をしている叡州第三公子。細密画が得意で、風景を描かせれば右に出る者がいないが、なぜかその絵は寂寞としている。

「雷蛇」なで切りの雷蛇として囚人達からも恐れられる極悪人。牢獄の中で麗射を目の敵にして暴力を振るうが、妙に単純で人なつこいところもある。


「幻風」エセ占いで捕まった得体の知れないジジイ。笑い上戸で、走耳が唯一心を許す人間。

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