詩小説『野良猫になれたら』3分で田舎町を。全ての大人へ。

エピソード文字数 496文字

野良猫になれたら

傘電球の下、部屋の隅。言葉は無いけど要らなくて。

飛行雲は溶けてた。昨日の夢は、グラスに生温く。笑われて冴えない毎日だ。
 
狭いすぎる路地裏を抜けて、海辺の駄菓子屋。在りも得ない夢を浮かべてた。
 
野良猫になれたら、野良猫になれたら、君のひざのうえ。
哀しいことなどなにもない、そう教えて昼下がり。

野良猫になれたら、喉をならして、頬を擦って。
最低なこの世は案外最高だ、そう想う四畳一間。
 
限りなく狭い宇宙の片隅で。
世界のおわりが近づいてもここにいる。
 
星は海に落ちる。枯れた花も美しく。傷ついて、粉々になって、それでもまた会おう。

道に揃えて並んだ民家。軽トラの下伸びた影。弛んだ電線にぶらさげた想い。
 
野良猫になれたら、野良猫になれたら、君のTシャツの中。
愚かなことだとは解ってる、それでも忘れて四時二分。

野良猫になれたら、寝っ転がって、ひっくり返って。
辿り着いた宇宙の果てで揺れる洗濯物。
 
ボタンの掛け違いだって着込んでる。
噛み合わない歯車だって駆け抜ける。
 
限りなく狭い宇宙の片隅で。
世界のおわりが近づいてもここにいる
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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