第34話 黒い靄

文字数 6,876文字

 チョウヨウに血を吸い尽くされて絶命した三人の戦士は第二の生を得た代わりに自身が忌み嫌っていた化け物となった。そして血を(すす)り、それを味わうこと以外に存在意義を見出しえない自分に気づいて身もだえした。しかし、その数瞬後には、そんな理性の欠片も吹き飛び、吸血の抑えがたい衝動に身を任せた。吸血奴隷(バイター)と化した彼らは人間離れした跳躍力で広大な屋上に殺到してきた後続の戦士に獣のように襲い掛かると自らがされたのと同じように獲物の喉笛に喰らいついた。不意を突かれた戦士たちは、すぐさま武器を向けようとしたが、吸血奴隷(バイター)に転生した戦士のスピードはそれを凌駕した。三人が六人、六人が十二人、十二人が二十四人と、チョウヨウを頂点とする血に渇いた吸血奴隷軍団(バイターズ)は瞬く間に広い屋上でその数を膨らませていった。もちろん戦士側の反撃も激しく、剣と弩弓(どきゅう)の応酬で第二の生をすぐさま終える吸血奴隷(バイター)も多かった。しかし死をまったく恐れない吸血奴隷軍団(バイターズ)の攻勢はそれ以上にすさまじく、時を経ずして、広い屋上を完全に制圧すると今度は階下に殺到しはじめた。戦士たちは吸血奴隷軍団(バイターズ)を押し返そうと目覚しい抵抗戦を展開したが、階段や踊り場など、武器を振るいにくい場所は彼らに不利に働き、やがて、そこは戦場ではなく、鋭い牙と爪による単なる屠殺場と化していった。
 そんな乱戦の中、タンゴは顔を覆った遮光マフラーから侵入した微量な血煙を吸い込んで我を忘れそうになる自分と必死に戦っていた。彼は頭を激しく一振りすると、意を決したように剣を抜き放って、自らの左太腿を深く刺し貫いた。脚から背中に走った痛みが頭の中の(もや)を消し去った。剣を太腿から引き抜いたタンゴは吸血奴隷(バイター)の激流に翻弄されながらもチョウヨウの姿を捜し求めた。そして彼は見た。胸の前で腕を組み、威風堂々と事の成り行きを見守っている想い人の神々しいまでの姿を。
「まったく、どこに行ってたんだい。いいところを見逃しちゃうよ」
「これはなに?」
 タンゴは次々と自身の身体にぶつかっては跳ね返される吸血奴隷(バイター)の流れを無視してチョウヨウの前までやってくると彼女に対峙した。
「二人で君臨するって言ったじゃない」物わかりの悪い子を諭すようにチョウヨウは困った顔をしてみせた。「人間は食料だけじゃなく、あたいらの奴隷として、こき使うこともできるんだ。見てみなよ、タンゴ。こいつら、とことん便利にできてるだろ」
「それって公平じゃないよね」
 タンゴは頭を振った。
「何でさ、こいつら、ただの人間なんだよ。あたいらヴァンパイアより遙かに劣る生き物なんだ」
「ファニュもそうかい?」
 タンゴの問いかけにチョウヨウの顔から笑顔が消えた。
「彼女も僕らより劣ってるって思うのかい?」
「ファニュ?……」
「あぁ、ファニュさ」
「あいつは……あいつは……仲間だ……」
 チョウヨウの心の葛藤を見たタンゴは、それに賭けることにした。
「そう、仲間だよ。でも彼女は人間だ」
「人間?……」
「そうだよ。君が、ただの食糧って言ってる人間だ。劣ってる奴隷だって言ってる人間だ。早く目を覚ましてくれよ」
 チョウヨウの眉間に皺が寄り、頭が前に垂れた。
「そうだった……あいつは人間だった」
 タンゴは根気強くチョウヨウの言葉に黙って頷いた。だが頭を上げた彼女の顔は狂気に歪んでいた。「だったら簡単さ。あの娘もヴァンパイアにしてやればいいのさ、あたいたちの力で」
「絶対に駄目だ!」
 反射的に拒絶の言葉を放ったタンゴを、チョウヨウが真っ赤な瞳で睨みつけた。
「あの娘も、その方がよっぽど幸せさ。あんたも、そう思わないかい。ヴァンパイアになれば爪先を見て歩く人生から、夜空を見上げて暮らす人生に変わるんだから。もう虐げられなくていいんだよ。これからは、その逆になるんだ。そして武器を振り回してあたり構わず傷つけることしかできない馬鹿な人間どもに教えてやるんだ。誰が主人で、自分たちが何者なのかを。自分たちがどれほど愚かで取るに足りない存在なのかも。あぁ、なんで今まで気づかなかったんだろ。初めから、あの娘を我が一族の端くれに加えてやってれば良かったんだ。そうしてれば、すべてはもっと簡単に運んだんだ」
 好意を寄せた娘から()み出た違和感をタンゴは感じとった。それは彼女が言葉を継ぐにつれて大きく膨らみ、やがてある確信へとたどり着いた。
「『そうしてれば』って、ファニュのことかい。それとも君の野望?」
「もちろん、我が盟友ファニュのことよ。そして、あたいたち二人の……」
 言い終わらないうちにタンゴの左の拳がチョウヨウのみぞおちに鋭く食い込んだ。チョウヨウは身体を折ると、その口から刺激臭がする血の飛沫を吐き出した。
「なにをする?!」
「『我が盟友』か」
 タンゴの右手がチョウヨウの頸を容赦なく締め上げた。
「それに『あの娘』なんて絶対に言わないな、チョウヨウは。お前はいったい誰なんだ?」
 チョウヨウは自分の頸にかけたタンゴの左腕を両手で掴んだ。
「チョウヨウよ。あんたの想い人のチョウヨウだよ」
「違う」
「なんで信じてくんないの、タンゴ。あたいはチョウヨウだってば」
「違う。お前は……」
「きっと人間どもの血でおかしくなっちゃったんだよ……あたいは、本当は弱い女なんだ。あんたの前でだけなんだ。それが許されると思ったから、だから……だから我ままに振る舞っちゃったんだよ。だから言っちゃいけないことまで口にしちゃったんだ。あたい酷いこと言っちゃったよ」
 チョウヨウの弱音はタンゴの確信をぐらつかせたが、頸にかかった力は一向に弱めることはなかった。
「今のあたいには、それがわかる。ごめんよ、タンゴ。信じてもらえないかもしんないけど、これだけは本当だよ」
「チョウヨ……」
 どすっと鈍い音が今度はタンゴの身体の芯に鈍く響いた。
「それゆえ、この娘の求めに応じたのだ。そして朽ちた身体に再び力を与えてやったのだ。たとえ、それが無意識の求めであったとしてもな」
 タンゴの腹から血まみれの腕を引き抜いたチョウヨウの声は、もはやハスキーで溌剌(はつらつ)とした以前の声ではなかった。低く邪悪に満ちた、しわがれた声。タンゴはその禍々しい声を聞きながら、その場にくず折れた。そして痛みでぼやけた視線の先に、想い人の背後に(もや)のような黒い染みを認めた。決して幻などではない。チョウヨウに重なるように(うごめ)く黒い染み。その染みこそが信念を持って生きてきた彼女を捻じ曲げたのに違いない。ヴァンパイアの青年は純真無垢な恋人を陵辱されたように感じた。タンゴは心の底から今まで感じたこともないほどの激しい怒りにかられた。彼は腹部の激痛を忘れて立ち上がるとチョウヨウに掴みかかったが、すぐに足元をすくわれて、その場に倒された。
「お前の性根には失望したぞ」チョウヨウの声を借りて、それは言った。「ともに饗宴を楽しめると思ったのだがな」
「出ていけ、チョウヨウから!」
「始祖に対する畏怖も礼儀も忘れたか?」
「何が始祖だ。そんなことはどうだっていい。出て行け!」
 幼子(おさなご)が力で叶わない相手に軽く一蹴されても果敢にむしゃぶりついていくように、タンゴは殴り倒されてもそのつど、すぐに立ち上がるとチョウヨウの身体を操る始祖に組み付いていった。
「無礼だぞ」
「だから、どうだっていいって言ってんだ、そんなこと!」
「しつこい。子孫といえど限度がある!」
 強烈な蹴りを受けたタンゴの巨体は屋上の端にある機械調整室まで石ころのように飛ばされ、その分厚い壁に大穴を開けた。始祖は青年に止めを刺そうと、支配している身体を一歩一歩、機械室に向けてゆっくりと進ませた。そうすることで好意を持った青年が死にゆく様を身体の持ち主である娘の魂にじっくりと見せつけ、その絶望と嘆きを存分に味わうことができるからだ。
 強大すぎる力を持ったものにとって、すべては退屈しのぎの遊びだった。遊びを邪魔する者は敵でしかない。まして、遊びの誘いを断るなど言語道断の所業。それだけで許すことができない悪なのだ。悪は必ず罰せねばならない。たとえそれが目をかけた子孫であっても。そして罰し方は己のサディスティックな嗜好を満たすやり方だ。
 チョウヨウの身体を支配する始祖の一部は大穴をまたぎ越すと、さして広くもない機械室に横たわるタンゴを見下ろした。そして腹部の傷を力一杯に踏みつけた。タンゴの悲鳴が機械室の空気を振るわせた。
「想い人の手に掛かって滅びるのだ。感涙に、むせび泣くがいい」
 激しく抵抗するチョウヨウの魂を押さえつけた始祖の一部が、彼女に刀を抜かせたとき、それは起こった。闘技場の屋上にいたジョウシを襲ったものより何倍も明るい輝きが屋上にひしめく吸血鬼軍団(バイターズ)を薙ぎ払ったのだ。吸血奴隷(バイター)たちは、たちまち青白い爆炎を吹き上げ、その炎は、のたうつ大蛇のように広い屋上をところ狭しと激しく暴れまわった。これは吸血奴隷(バイター)に成りたての戦士たちの身体が集光された陽光の下では、脱皮したての昆虫よりも弱くて脆い存在だからこそ起こった現象だった。そしてこの爆発的な大規模燃焼は彼らを一瞬にして熱エネルギーと一握りの塵に変えてしまうのに充分な一撃だった。屋上では高熱で急激に膨張拡散した爆風が機械室の中を目茶苦茶に破壊した。そして、ぽっかりと開いた真空を埋め戻そうと、掃き散らされた空気が瓦礫とともに、そこに殺到した。
 静寂。
 吸血奴隷(バイター)の塵がちらちらと降り注ぐ中、チョウヨウは機械室の大穴から熱で黒く変色した広い屋上に視線を這わせた。彼女は身体中に瓦礫や破片の洗礼を受けて満身創痍だった。しかし、その表情からは肉体的な痛みはうかがえず、そこにあるのは彼女の中に巣食ったもモノが抱く憤りだった。奇しくもチョウヨウの身体が盾となって急激な爆発的燃焼の余波を免れたタンゴは、彼女が機械室の外へ出て陽光の源を睨みつけて呟くのを見た。
「細菌に等しい下劣な生命体ごときが、この我れを滅ぼせるなどと思い上がりも甚だしい。挑んでみよ。何度でもくるがいい」
 第二の光の矢が再び放たれた。タンゴはヴァンパイアの直観で危険を察知すると遮光ゴーグルで目を覆い、殺人光線が通り過ぎるのを待った。タンゴの視界が霞んだ。集光された陽光は壁からの乱反射ですら彼の視神経を苛んだ。だが光の直撃だけは機械室の壁が防いでくれる。ここなら安全だ。少なからず安堵を覚えたタンゴは大切なことを忘れている自分に気がついた。チョウヨウはどうしたんだ。外にいたはずだ。タンゴは恐怖で身体中に鳥肌が立った。
「チョウヨウ」
 想い人の名を呟いたタンゴの全身に激痛が駆け巡った。あまりの痛みに息すら止まった。細胞の一片一片を刃物で抉られるのに等しい苦痛。タンゴは四十歳になったばかりの幼少時に今回より遙かに小さいながらも同じ痛みを受けた経験があった。その日、朝更かしをして家から抜け出し、雪潜り(スノー・ダイブ)をして友達と遊んだ。そして、あやまって陽光を素手に浴びてしまったのだ。慌てて雪の中に潜り込んだが、あまりの痛さに涙が止まらなかった。両親に知られるとひどく叱られるので、その日はズキズキ痛む両手と泣き腫らした目を見られないように注意して過ごした。ヴァンパイアの治癒力でも完治するまで、まる半日を要した。結局は、同じ怪我をしたナナクサが親の薬苔(くすりごけ)を無断で拝借したことから事故が表沙汰になり、二人は親と村長(むらおさ)からこっぴどく叱られ、四ヵ月も外で遊ぶことを禁止された。そう。あの頃は自分もナナクサも、やんちゃ盛りで怖いもの知らずだった。ナナクサ……そうだ、いま彼女はどこに居るんだろう。ナナクサ……いや違う。チョウヨウだ。彼女はどこだ。彼女は……。
 タンゴは大きく息をついた。激痛に呼吸を忘れ、数瞬間ではあるが気を失っていたのだ。彼は自分の両手が幼い日に負った火傷のように赤く腫れあがっているのを見ると、矢も立てもたまらず、機械室から抜け出して屋上にチョウヨウの姿を捜し求めた。陽光に直接(さら)されていないのに火傷を負った理由が全くわからなかった。しかし、それよりも今はチョウヨウだ。彼女はどこにいったのだ。
 彼女はすぐに見つかった。見つかったというより広い屋上の真ん中に一人きりで仁王立ちになり、まるで強圧的な何かに対峙するかのように一点を凝視していた。
「もう終わりか、人間ども!」
 その声が遙か彼方の建物群に谺するのに呼応して、十枚あまりの反射鏡(ヒート・レイ)から放たれた陽光がチョウヨウただ一人に降り注いだ。真正面からまともにそれを浴びたヴァンパイアの娘は眩い光を乱反射させながら身体全体から青白い炎を噴き出した。その瞬間、タンゴは再び苦痛の声を上げてその場にくず折れた。体中が痺れて動かないあいだ、彼の耳は階下に逃げ延びた吸血奴隷(バイター)も自分と同じように苦痛と怒りの咆哮をあげて、のた打ち回っているのを感じた。やがて分厚い雲が空にかかって陽光を遮断するとチョウヨウを包み込む炎も収まった。炎が収まるにつれてタンゴの激痛は嘘のように激減され、息をつくまでに落ち着いた。階下では再び怒号と悲鳴が起きはじめた。吸血奴隷(バイター)が戦士に対する攻撃行動を再開したのだ。
「痛い……」
 呟くと同時に身体の大部分を焼き焦がしたチョウヨウが両膝を屈して、その場にへたり込んだ。タンゴは警戒を解かず、はじめはすぐに飛び退けるようにと距離をとっていたが、すぐに思い直して彼女の側に片膝をついた。若者はまた攻撃されるかもしれないとの考えを完全に拭いさることはできなかったが、自分の勘が外れていたとしても、どうでもよかった。
「酷い怪我だからね」
「あぁ」チョウヨウはおもむろに声のする方を振り向いた。「タンゴ」
「大丈夫かい?」
 応える代わりにチョウヨウは苦痛に顔を歪めて胸を押さえた。指の間から血が(にじ)み、押さえた手がたちまち血でぐっしょり濡れた。ここに来る前、戦士の集団との闘いで杭を打ち込まれた傷だ。タンゴはチョウヨウを後ろから抱きかかえると、自身の腹の傷を無視して彼女の傷を大きな手で強く押さえた。
「お帰り」タンゴは優しく囁いた。
「なに言ってんだい?……」
 苦しい息の中からそう言うと、チョウヨウは咳き込んで血の塊を吐き出した。彼女の血には既に刺激臭はなく、妖艶な表情も影を潜めていた。あるのは気丈に振る舞おうと努める彼が見知った想い人の顔だった。
「あたいね、夢を見てたんだよ。凄く嫌な夢……」
「喋っちゃ駄目だって」タンゴの目が潤んで視界がぼやけた。「今は駄目だ」
「嫌な夢だったんだよ。だから喋るんだ。そうすれば正夢にならないから。あんたも、この言い伝えは知ってるだろ?」
「知ってるよ」
「あたいね。黒い(もや)にそそのかされて、あんたを傷つけちゃうんだ。殺してもいいと思ってやっちゃうんだよ。あんたが大切なのに……」
「そんなの夢だ」
「夢っていっても最低だろ。だから話すんだよ……」
 抱きしめた腕に、チョウヨウの身体から発する弱りゆく波動を感じ取ったタンゴは内心のうろたえを悟られまいと視線を外した。そして彼女が助かる方法を求めて必死に頭を巡らせた。だが方法は一つしかなかった。人間の血を使うのだ。人間の血で自分も蘇れたのだから大丈夫だ。一度目は始祖が邪魔したから失敗したけど、今回はきっと大丈夫だと根拠のないことを自分に言い聞かせた。もう時間がない。では誰の血を。戦士の血か。あれは駄目だ。でも急ぐから今は誰のでもいい。このさい(あや)めても仕方がないじゃないか。そもそも最初に攻撃してきたのは人間たちだ。だから今はいいんだ。そう結論に達すると、タンゴは焼け焦げて人影が絶えた広い屋上を見渡した。
「ここには誰もいない」考えが口をついた。
 タンゴはチョウヨウを抱き上げると屋上の端まで急いで移動した。そして大通りを見下ろした。血に飢えた吸血奴隷(バイター)と武力に勝る戦士の軍団がところ狭しとひしめきあい、いつまでも終わらない乱戦をいたるところで繰り広げていた。あそこへ行くんだ。そして彼女のために戦士の血を手に入れるんだ。
「さぁ、行こう」
 自分を抱きかかえたまま遙か下の大通りに飛び降りたタンゴの背後に黒い(もや)が揺らめくのをチョウヨウは見た。彼女はその正体を嫌というほど知っていた。
「あぁ、なんてこと。夢じゃなかった……」
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登場人物紹介

ナナクサ

キサラ村出身の薬師見習い。まじめで思慮深い。全てを手にするといわれる“瞳の中に星を飼う”娘。デイ・ウォークを通して、運命に翻弄されながらも大きく成長してゆく。

ジンジツ

ミナヅ村出身の方違へ師見習い。直情径行な性格でリーダーを自称している青年だが、性格には裏表がない。デイ・ウォーク後は、政府の飛行船乗組員になりたいという夢を持っている。

チョウヨウ

ミナヅ村出身の石工見習い。デイ・ウォークの途中で命を落とした姉のボウシュが成し遂げられなかった過酷な成人の儀式を必ず成功させようと意気込む努力家の娘。大柄で口は悪いが他意はない。

タンゴ

キサラ村出身の史書師見習い。大食いで気のいい大柄な青年。旅の初めは頼りなげな彼も、デイ・ウォークの中で大きな選択に迫られてゆく。

ミソカ

キサラ村出身の方違へ師見習い。小柄で身体が弱く、物静かな性格の娘。仲間に後れを取らないように懸命にデイ・ウォークに挑戦してゆく。

タナバタ

ヤヨ村出身の薬師見習い。理知的で柔らかい物腰の青年。スマートで仲間の中では頭脳派。

ジョウシ

ヤヨ村出身。村長の娘。生意気だが洞察力があり、決断力にも富んでいる。

シェ・ファニュ

人工子宮生まれの14歳。ナナクサたちと知り合ったことで前向きに生きていこうとする聡明な人間の少女。規格外品扱いで城砦都市から追放同然で隊商に下げ渡された過去を持つ。

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