夏の夜

文字数 379文字

願いは月の影に埋もれ
雨は全てを降り注ぐ夏の夜
コーヒーと砂糖の夕暮れに
冬が遠くの空に消えていく
与えられた輝きは沈黙を引き連れて
海の底の階段で踊る
全ては夢のような不思議なパズルの
痕跡を探して夕暮れに眠る
なくしたものは光り輝き
無数の静寂へと連れていく
長い霧雨の交響曲のピアノが
降り続く空の幻影を包み込む
星は遥か遠くの闇と結びつき
地平線が重力を引き連れて
解放の響きを僅かに帯びていく
消え去った夢の跡に残る破片は
きらきらと切なく水に浮かぶ
雨と星の満ちたペットボトルの思い出が
悲しさと長い喜びの淵で
時間が繰り返されていき
小さな記憶の粒が蘇っていく
時計はギブスの裏側を
鮮やかに拭っていくかもしれない
夏の日の光は海へと帰っていく
今宵も広がり懐かしさをまとい
歩き出すのは夢の中のこと
重力に引き寄せられた思い出は
ばらばらになった写真の音色
普遍的な夜の言葉が
静かに辺りを覆っていく
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