第18話 いざ、謎の洞窟へ
文字数 4,250文字
すでに拠点の近くまで帰ってきていた。
(コギトは、まだ封印しているのだろうか?)
アディに聞いてみた。
「プラチナクラスの証しを見ていたら、コギトのことを思い出したよ」
「そう言えば、そんなことあったわね。最近、イロイロあったから忘れてたわよ。よく覚えてたね。じゃー、オテロ。明日、ちょっと見てこようか? 今日はゆっくり休んで、のんびりしてね」
そう言われて、のんびりとその日を過ごした。
(たまにはこんな日があってもいいよね)
次の日、コギトの遺跡を冒険することになった。
前回は興味翻意で洞窟探検をしたが、今回は封印の先にあるのは何だろう? 何があるか分からない。危険なこともあるかもしれない。アディが誰を連れていくのか、人選に興味があった。
今回の冒険メンバーは私、アディ、レグス、アムルガル、アルン、イモードラ、ランドタイラントだった。
サルース先生に残りメンバーの治療と健康診断を頼んで出発した。
前に休憩した場所にきた。そこから山の傾斜を降りて、前の洞窟を発見した。
「いよいよね。ワクワクするわ、どんなお宝が待っているのかしら。今度は文句を言わせないんだからね」
アディは洞窟に入って行った。遅れないようについて行った。洞窟の奥にくると、クレーター都市の遺跡が見えてきた。遺跡の前まで来たが、コギトの姿は無かった。大声で叫んだ。
「コギト、約束通り来たよ」
しばらく待ってみた。面倒くさい顔で現れた。
「なんだ君達か。今日は何のようだい。『クラスアップでもした』と言いたいのかい?」
意地悪なコギト。プラチナクラスの証しを持っていることを知らない。
(今度は、こっちが意地悪する番だよ)
「確かにクラスアップしたよ」
「へぇー、君達もついにゴールドクラスか。やるねー」
「違うよ。プラチナクラスの証しを手に入れたんだ」
「そんなバカな。そんなすぐにプラチナクラスの証しを取れる訳がないじゃないか? 冗談は止めてくれ」
コギトにプラチナクラスの証しを見せた。
「な、なんだって。これ、本物なのか? こんなことがあるなんて、そんなバカな・・・」
プラチナクラスの証しをジロジロと見ている。
コギトは態度を一変させた。平謝り。
「失礼しました。あなた方が、そんな優秀な冒険者達だったとは、スミマセンでした」
何度も我々に謝ってきた。
(さて、どうしようかな?)
「失礼を承知で、お願いしたいことがあるのですが・・・」
何かを依頼したい様子。いよいよ冒険らしくなってきた。
(いよいよ遺跡の中に入れるよ。楽しみだ)
クレーター都市の遺跡は太陽を浴びて、輝いているように見え、何か神秘的な雰囲気を感じる。
この遺跡には何があるのだろう? コギトの先祖はここに何を残して、子孫に託したのだろう? どんなお宝が眠っているのだろう?
そんなことを考えさせられる景色が目の前にあった。ワクワクする。冒険心が、くすぐられる。
「実は、遺跡を封印したのは、中から魔物が出ないようにしただけなんです。失礼しました。こんなことなら、あの時に依頼するんだった。依頼内容は私と一緒に遺跡の調査をしてもらいたいのです」
「コギト自身で遺跡の調査は、できないの?」
「いやー、無理ですよ。上級悪魔や七罪が現れたら私では、どうすることもできないんですよ」
「どういうこと?」
「この洞窟の辺りに魔の軍勢が現れたという情報がありまして、遺跡の調査を中断することにしたのです。何かあったら、いけないでしょう。その時、皆さんが現れたものですから、冷たくあたってしまいました。別に悪気があったわけではないです。あれくらい言わないと勝手に内部に入って行きそうだったのでね。でも、皆さんのような優秀な冒険者達が一緒にいてくれたら、調査を再開できます」
喜ぶコギト。まだ何かを隠しているようだった。
(調子のいい青年だな)
「では一旦、準備をしてくるので、ここで待っていてもらえませんか?」
残された我々は待ちぼうけ。
「しかしよー、こんなとこに魔の軍勢なんているのかよー」
アムルガルは、コギトの言葉を信じていなかった。意地悪をされたからだ。
「嘘か本当かは行ってみればわかるさ」
レグスは、あまり興味が無かった。
「それはそうだけどよー、あのあんちゃん。まだ何か隠してる気がするんだよな」
「そうね。用心に越したことはないわね。私達は注意して行きましょう。冒険には何があるか分からないからね」
アディは皆に注意して進むように伝えた。
それからしばらくして、コギトは帰ってきた。
「お待たせしました。では行きましょう」
松明に火をつけて遺跡の内部へと入って行った。
「それじゃー、行きますか?」
ワクワク感が抑えられない感じのアディ。
コギトに続いて入って行った。遺跡の内部を調査することになった。
コギトを先頭に遺跡内部を進んでいた。この遺跡は大きい。意外だった。外からでは分からなかった。
コギトの先祖は何を目的にこのようなものを建てたのか? 魔法の修行の場所だったのだろうか?
階段を降りると広めの部屋に到着した。この部屋には何があるのかと我々は調べていた。一方、コギトは何かの巻物を見つけたらしく、熱心に解読している。
「何か分かった?」
「これは魔導書みたいだね。私でも解読できたよ」
巻物をリュックサックに閉まった。
「ところで、この遺跡のことはどれだけわかっているの?」
「私も一体どれだけの階層になっているのか分からない。一族の噂なら『十層くらいある』って聞いたことがあるけど、本当のところは分からないよ。私も父も祖父も奥まで行ったことはないからね。私は、この遺跡に眠る先祖の魔導書をすべて手に入れたいんだ」
やっと本音をしゃべるコギト。
「それがあなたの目的なのね」
「あぁ、だからこの先で魔導書を見つけたら、私に譲って欲しい。君達の冒険に役立つ物があれば、持っていってくれてもかまわない。だから魔導書だけは私に欲しいんだ。約束してくれないか」
「それでいいわよ。あなたは魔導書。私達はお宝。お互い、Win=Winね」
アディは喜んでいたが、私は「?」だった。
(元々、どちらもコギトの物なんだけどね)
それくらいアディも分かっているだろう。そうであってほしい。地下一層は、めぼしい物は無し。
次の階層を目指し、奥の階段を降りた。ここの遺跡は、まるで蟻の巣のようだった。階段と部屋だけのシンプルな造りをしているように見えた。階段を降り、地下二階層に着いた。
早速、部屋の中を見て回った。特に目立った物は無かったが、気になることはあった。まゆや卵のからがある。ちょっと近づいてみようとした。
「離れてろっ」
レグスが剣圧を飛ばした。
「ギャー」
悲鳴をあげて、まゆの中の悪魔が息絶えた。
(危なかった)
レグスが止めてくれなければ、襲われていた。
(これからは注意をしよう)
・・・反省。
レグスは確信していた。
「どうやら魔の軍勢がいる。これでハッキリしたな」
「まゆがあるんだ。親がいるのは確かだな。どっちにしてもオイラがブッ飛ばすから問題ないさ」
鼻息の荒い、興奮するアムルガル。
「君は頼もしいね」
コギトに、おだてられてアムルガルは、うれしそうだった。
「さぁ、ここに用事がないなら、次に行きましょう」
アディは、先を急いだ。次の部屋を目指し、階段を降りた。
地下三階層を目指し、松明の灯りを頼りに進んでいた。
さっきのことを思い出していた。まゆはレグスが退治したが、卵のからが、かなりの数だった。成長してまゆになったとしたら数が合わない。すでに一人前になっているだろう。その答えはすぐにでた。我々が地下三階層に着いた時、いきなり悪魔に襲撃された。その姿は蟻だった。アムルガル、アルン、レグスが部屋に突入して、蟻の悪魔を退治していた。かなりの数だった。その死体の山を掻き分けながら、お宝か魔導書を探していた。
何とか二つの魔導書は見つかった。しかし、お宝はなかった。コギトにそれを渡して、次の階層に行くことにした。
次は地下四階。階段を降りた。しかし、今度は蟻の兵士が、下の階層から大群で現れた。我々は一旦、地下三階の部屋に戻り、迎え撃つことにした。
我々は切っても切っても現れる蟻の兵士に、まいっていた。
一体、どれだけの兵士がいるのか分からない。手を止めてしまえば、蟻の兵士に飲み込まれて、我々は生きていられないだろう。疲れても戦うしかない。そう思っていた時、コギトが階段を封印した。
「ふー、これでしばらくは休憩できるだろう」
我々に休むように言った。
(助かった。ありがとう)
コギトに感謝した。
「しかし、これからどうするのよ。さすがにあの数は、まずいわよね」
作戦会議。
「蟻は炎で燃えないのかな? 火に弱そうだよね」
ボソッとつぶやいた。
「それができるならそれがいいよ。松明の火じゃ話にならないよ。もっと強い火じゃないとね。この地下にそんなもの無いよ」
あきらめ気味のコギト。
「そんなことはない。オイラの炎で、こんがり焼いてやるモイ」
ヤル気満々のイモードラ。・・・そうだ。イモードラは、炎を吐く。普段は焼き芋用だが、頑張れば、蟻くらい焼くことが出来るだろう。
コギトとイモードラは戦いの準備をしていた。お手並み拝見。
「では、君に任せるよ」
「やってやるモイ!」
「イモードラ君、準備はいいかい。封印を解くからね」
封印を解くとイモードラが炎を吐く。蟻の兵士は次々と、こんがり焼かれていた。焦げ臭い。
(「上手に焼けました」・・・かな?)
イモードラを先頭に階段を降りた。やっとの思いで地下四階層に、たどり着いた。
イモードラの炎と我々の攻撃で蟻の兵士を地下四階層から一掃した。
コギトに階段を封印してもらい、お宝を探した。やはり、この階にも目ぼしい宝はなかった。でも魔導書は一つ見つけることができた。コギトにそれを渡し、この階で休むことにした。
(参ったな、今回は出番無しじゃないか? 私が主人公の物語だよね)
(コギトは、まだ封印しているのだろうか?)
アディに聞いてみた。
「プラチナクラスの証しを見ていたら、コギトのことを思い出したよ」
「そう言えば、そんなことあったわね。最近、イロイロあったから忘れてたわよ。よく覚えてたね。じゃー、オテロ。明日、ちょっと見てこようか? 今日はゆっくり休んで、のんびりしてね」
そう言われて、のんびりとその日を過ごした。
(たまにはこんな日があってもいいよね)
次の日、コギトの遺跡を冒険することになった。
前回は興味翻意で洞窟探検をしたが、今回は封印の先にあるのは何だろう? 何があるか分からない。危険なこともあるかもしれない。アディが誰を連れていくのか、人選に興味があった。
今回の冒険メンバーは私、アディ、レグス、アムルガル、アルン、イモードラ、ランドタイラントだった。
サルース先生に残りメンバーの治療と健康診断を頼んで出発した。
前に休憩した場所にきた。そこから山の傾斜を降りて、前の洞窟を発見した。
「いよいよね。ワクワクするわ、どんなお宝が待っているのかしら。今度は文句を言わせないんだからね」
アディは洞窟に入って行った。遅れないようについて行った。洞窟の奥にくると、クレーター都市の遺跡が見えてきた。遺跡の前まで来たが、コギトの姿は無かった。大声で叫んだ。
「コギト、約束通り来たよ」
しばらく待ってみた。面倒くさい顔で現れた。
「なんだ君達か。今日は何のようだい。『クラスアップでもした』と言いたいのかい?」
意地悪なコギト。プラチナクラスの証しを持っていることを知らない。
(今度は、こっちが意地悪する番だよ)
「確かにクラスアップしたよ」
「へぇー、君達もついにゴールドクラスか。やるねー」
「違うよ。プラチナクラスの証しを手に入れたんだ」
「そんなバカな。そんなすぐにプラチナクラスの証しを取れる訳がないじゃないか? 冗談は止めてくれ」
コギトにプラチナクラスの証しを見せた。
「な、なんだって。これ、本物なのか? こんなことがあるなんて、そんなバカな・・・」
プラチナクラスの証しをジロジロと見ている。
コギトは態度を一変させた。平謝り。
「失礼しました。あなた方が、そんな優秀な冒険者達だったとは、スミマセンでした」
何度も我々に謝ってきた。
(さて、どうしようかな?)
「失礼を承知で、お願いしたいことがあるのですが・・・」
何かを依頼したい様子。いよいよ冒険らしくなってきた。
(いよいよ遺跡の中に入れるよ。楽しみだ)
クレーター都市の遺跡は太陽を浴びて、輝いているように見え、何か神秘的な雰囲気を感じる。
この遺跡には何があるのだろう? コギトの先祖はここに何を残して、子孫に託したのだろう? どんなお宝が眠っているのだろう?
そんなことを考えさせられる景色が目の前にあった。ワクワクする。冒険心が、くすぐられる。
「実は、遺跡を封印したのは、中から魔物が出ないようにしただけなんです。失礼しました。こんなことなら、あの時に依頼するんだった。依頼内容は私と一緒に遺跡の調査をしてもらいたいのです」
「コギト自身で遺跡の調査は、できないの?」
「いやー、無理ですよ。上級悪魔や七罪が現れたら私では、どうすることもできないんですよ」
「どういうこと?」
「この洞窟の辺りに魔の軍勢が現れたという情報がありまして、遺跡の調査を中断することにしたのです。何かあったら、いけないでしょう。その時、皆さんが現れたものですから、冷たくあたってしまいました。別に悪気があったわけではないです。あれくらい言わないと勝手に内部に入って行きそうだったのでね。でも、皆さんのような優秀な冒険者達が一緒にいてくれたら、調査を再開できます」
喜ぶコギト。まだ何かを隠しているようだった。
(調子のいい青年だな)
「では一旦、準備をしてくるので、ここで待っていてもらえませんか?」
残された我々は待ちぼうけ。
「しかしよー、こんなとこに魔の軍勢なんているのかよー」
アムルガルは、コギトの言葉を信じていなかった。意地悪をされたからだ。
「嘘か本当かは行ってみればわかるさ」
レグスは、あまり興味が無かった。
「それはそうだけどよー、あのあんちゃん。まだ何か隠してる気がするんだよな」
「そうね。用心に越したことはないわね。私達は注意して行きましょう。冒険には何があるか分からないからね」
アディは皆に注意して進むように伝えた。
それからしばらくして、コギトは帰ってきた。
「お待たせしました。では行きましょう」
松明に火をつけて遺跡の内部へと入って行った。
「それじゃー、行きますか?」
ワクワク感が抑えられない感じのアディ。
コギトに続いて入って行った。遺跡の内部を調査することになった。
コギトを先頭に遺跡内部を進んでいた。この遺跡は大きい。意外だった。外からでは分からなかった。
コギトの先祖は何を目的にこのようなものを建てたのか? 魔法の修行の場所だったのだろうか?
階段を降りると広めの部屋に到着した。この部屋には何があるのかと我々は調べていた。一方、コギトは何かの巻物を見つけたらしく、熱心に解読している。
「何か分かった?」
「これは魔導書みたいだね。私でも解読できたよ」
巻物をリュックサックに閉まった。
「ところで、この遺跡のことはどれだけわかっているの?」
「私も一体どれだけの階層になっているのか分からない。一族の噂なら『十層くらいある』って聞いたことがあるけど、本当のところは分からないよ。私も父も祖父も奥まで行ったことはないからね。私は、この遺跡に眠る先祖の魔導書をすべて手に入れたいんだ」
やっと本音をしゃべるコギト。
「それがあなたの目的なのね」
「あぁ、だからこの先で魔導書を見つけたら、私に譲って欲しい。君達の冒険に役立つ物があれば、持っていってくれてもかまわない。だから魔導書だけは私に欲しいんだ。約束してくれないか」
「それでいいわよ。あなたは魔導書。私達はお宝。お互い、Win=Winね」
アディは喜んでいたが、私は「?」だった。
(元々、どちらもコギトの物なんだけどね)
それくらいアディも分かっているだろう。そうであってほしい。地下一層は、めぼしい物は無し。
次の階層を目指し、奥の階段を降りた。ここの遺跡は、まるで蟻の巣のようだった。階段と部屋だけのシンプルな造りをしているように見えた。階段を降り、地下二階層に着いた。
早速、部屋の中を見て回った。特に目立った物は無かったが、気になることはあった。まゆや卵のからがある。ちょっと近づいてみようとした。
「離れてろっ」
レグスが剣圧を飛ばした。
「ギャー」
悲鳴をあげて、まゆの中の悪魔が息絶えた。
(危なかった)
レグスが止めてくれなければ、襲われていた。
(これからは注意をしよう)
・・・反省。
レグスは確信していた。
「どうやら魔の軍勢がいる。これでハッキリしたな」
「まゆがあるんだ。親がいるのは確かだな。どっちにしてもオイラがブッ飛ばすから問題ないさ」
鼻息の荒い、興奮するアムルガル。
「君は頼もしいね」
コギトに、おだてられてアムルガルは、うれしそうだった。
「さぁ、ここに用事がないなら、次に行きましょう」
アディは、先を急いだ。次の部屋を目指し、階段を降りた。
地下三階層を目指し、松明の灯りを頼りに進んでいた。
さっきのことを思い出していた。まゆはレグスが退治したが、卵のからが、かなりの数だった。成長してまゆになったとしたら数が合わない。すでに一人前になっているだろう。その答えはすぐにでた。我々が地下三階層に着いた時、いきなり悪魔に襲撃された。その姿は蟻だった。アムルガル、アルン、レグスが部屋に突入して、蟻の悪魔を退治していた。かなりの数だった。その死体の山を掻き分けながら、お宝か魔導書を探していた。
何とか二つの魔導書は見つかった。しかし、お宝はなかった。コギトにそれを渡して、次の階層に行くことにした。
次は地下四階。階段を降りた。しかし、今度は蟻の兵士が、下の階層から大群で現れた。我々は一旦、地下三階の部屋に戻り、迎え撃つことにした。
我々は切っても切っても現れる蟻の兵士に、まいっていた。
一体、どれだけの兵士がいるのか分からない。手を止めてしまえば、蟻の兵士に飲み込まれて、我々は生きていられないだろう。疲れても戦うしかない。そう思っていた時、コギトが階段を封印した。
「ふー、これでしばらくは休憩できるだろう」
我々に休むように言った。
(助かった。ありがとう)
コギトに感謝した。
「しかし、これからどうするのよ。さすがにあの数は、まずいわよね」
作戦会議。
「蟻は炎で燃えないのかな? 火に弱そうだよね」
ボソッとつぶやいた。
「それができるならそれがいいよ。松明の火じゃ話にならないよ。もっと強い火じゃないとね。この地下にそんなもの無いよ」
あきらめ気味のコギト。
「そんなことはない。オイラの炎で、こんがり焼いてやるモイ」
ヤル気満々のイモードラ。・・・そうだ。イモードラは、炎を吐く。普段は焼き芋用だが、頑張れば、蟻くらい焼くことが出来るだろう。
コギトとイモードラは戦いの準備をしていた。お手並み拝見。
「では、君に任せるよ」
「やってやるモイ!」
「イモードラ君、準備はいいかい。封印を解くからね」
封印を解くとイモードラが炎を吐く。蟻の兵士は次々と、こんがり焼かれていた。焦げ臭い。
(「上手に焼けました」・・・かな?)
イモードラを先頭に階段を降りた。やっとの思いで地下四階層に、たどり着いた。
イモードラの炎と我々の攻撃で蟻の兵士を地下四階層から一掃した。
コギトに階段を封印してもらい、お宝を探した。やはり、この階にも目ぼしい宝はなかった。でも魔導書は一つ見つけることができた。コギトにそれを渡し、この階で休むことにした。
(参ったな、今回は出番無しじゃないか? 私が主人公の物語だよね)