第20話 人類滅亡への道

文字数 533文字

 火星に行けずに抑圧と飢餓に耐え切れなくなった民衆の蜂起によるものではなく、AIたちが反乱を引き起こし、人間社会を攻め滅ぼした。
 あのターミネーターの映画と同じことが、本当に起きしてしまったのだ。SF映画だけの物語だど思っていたのが、現実となっていた。
 映画と違うのは、AIの圧倒的な戦闘力の前に、人間は映画のように反撃などできなかった。アメリカ、ロシア、中国、世界各国の軍隊は次々と全滅していった。人類社会を何十回、何百回も滅ぼすことができる核兵器を持っていても、人間はAIにまったく太刀打ちできなかった。
 AIの攻撃から難を逃れたのは、ごく一部の人たちだけだった。大半の人々はロボットの監視の下で、奴隷のような生活を強いられることになった。
「大谷さん、いったいどうしてこんなことに?」
 一通り説明を聞き終えた俺は、直ぐに疑問をぶつけた。
「天才ともてはやされた科学者連中が自分の能力を過信して、全知全能の、悪魔のAIを造ってしまった。GAI(ガイ)と呼ばれているそいつは、ロボットの大軍を登場させて、アメリカ、ロシア、中国、世界中の軍隊を全滅させて地球を支配しています」
 周りの気配を探るように眼をやりながら、大谷は声を荒げた口調で説明してきた。

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