消灯後
文字数 728文字
ミランダ「(ひそひそ)パトちゃん」
パトリシア「(眠そう)なあに」
ミラ「(ひそひそ)訊いていい?」
パト「(眠そう)うん?」
ミラ「どうして義仲さんだったの?」
パト「……」
パト「まあ……自然に……ていうか……」
パト「子どもの頃からいっしょに育って……」
ミラ「うん」
パト「兼平の兄者も……みんなでいっしょに武芸の稽古とかして……」
ミラ「うんうん」
パト「この人のお嫁さんになるんだなって思ってた……」
ミラ「そうなんだ! いい話じゃないですかー」
パト「でも京都入りしたら彼、セレブのお嬢さまと結婚して。藤原家の姫。
あーわたし、セカンドだったんだ……みたいな?」
ミラ「……」
パト「都落ちのときも、わたしたちみんな支度して待ってるのに、彼いつまでも伊子ちゃんとイチャイチャしてて?」
ミラ「……」
パト「彼の目をさまさせようとして、家臣が二人、刺し違えて死んでるの」
ミラ「(がばっとはね起きる)それ別れて正解だよパトちゃん!!」
パト「そう?」
パト「彼モテるからしかたないよ」
ミラ「そうゆう問題じゃないよ!!」
☆その2
パト「ミラちゃんは、どうして嗣信くんだったの?」
ミラ「……」←寝たふり
パト「あーずるい。わたしにだけ言わせて。つんつん」←つついてる
読者の皆さまへ。
第一章をご参照ください。
パト「ハニトラ?」
ミラ「……」
パト「アンブッシュ??」
ミラ「……」
ミラ「じつは」
パト「うんうん」
ミラ「初めて会った日、彼、リストバンドしてて」
パト「リストバンド? どんな?」
ミラ「べつに普通の。黒の」
ミラ「あたし、男のリストバンドに超弱くて」
パト「(がばっとはね起きる)わかる!!」
ミラ「でしょ!!」
ヴァレンティン「……」
↑ベッドの下段で笑いをかみ殺している