アクナテン

文字数 1,037文字

あきちか 様作

【あらすじ】
紀元前1569年ごろ、テーベのイアフメス1世王がヒクソス朝を倒して始まったエジプト第18王朝は、ハトシェプスト女王、トトメス3世王のころから最盛期を迎え始めた。紀元前1410年、アメンヘテプ3世王の時代、その支配領土はエジプト王朝史上最大規模となる。
 第18王朝の歴代ファラオは、国家神アメン・ラーを称え、莫大な黄金や土地や神殿を寄進する一方で、王族同士の権力争いにアメン神官団の権威を利用した。そのためアメン神官団は巨万の富を得、王権を凌ぐほどの権力を手に入れた。
 王妃ティイがアメンヘテプ3世と結婚したとき、エジプトは王家とアメン神官団の権力の二重構造が出来上がり、アメン神官団の政治や王権に対する過剰な干渉や介入がピークに達しつつあった。しかも、王族同士で血で血を洗う権力闘争が行われ、王宮はいつも謀略や暗殺で渦巻いていた。
 そんな時、王権を継いだ若きアメンヘテプ4世(アクナテン)は理想を掲げ、人類史上初と言われる一神教による革命を断行するのだが……。
(そのまま引用させていただきました)

書き出し一行はこちら
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夜明け前、星々が天空に美しく煌めく頃、王妃ティイはうっすら目を開けた。
(引用)
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あらすじとタイトルから、この物語は王権を継いだ若きアメンヘテプ4世(アクナテン)の思想による国の統治について描かれているのだと思われます。つまり、統一国家を作ろうとしていることがわかる。
この物語の一番のポイントは”どんな理想”を掲げたのか、だと思われる。まず、あえて”理想”を掲げたと記載しているということは”他の人とは違う”という事を指示している。彼が一つにまとめようとしたのは、”謀略や暗殺で渦巻いていた”からに他ならない。ではその理想はどんなものであるのか。
恐らく”政治や王権に対する過剰な干渉や介入”がなく”も謀略や暗殺”がないものだと思われる。と、するならば独裁的で、平和なものだろうか。
書き出しの一行を見てみる。
”夜明け前”これの裏の意味は”何かが始まる直前”ではないかとわたしは解析する。静かな時間帯から始まる物語は、心に何かを秘め、それを成し遂げるために隠密行動しているイメージが沸く。そして、これから大きなことを成し遂げようとする”王”視点ではなく”王妃”の視点から描かれていく物語だ。
彼女は革命を断行した王を傍で見ながら、何を想いどんなことを考えたのか。そして、この革命は成功したのか。是非あなたの目で確かめてみてくださいね。
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