第6話 もみあげと化粧水
文字数 2,244文字
洗顔を終え、晴朗太は求める。
と、妹はいきなり喧嘩を売って来た。
眉毛は自覚あったものの、もみあげは納得がいかず言い返す。
言われて見ると、気になってきたので素直に尋ねる。
毛先が迷子のもみあげは確かに清潔感がない。
言うにことかいて、と兄はキレかかるもぐっと堪える。
晴朗太は自分のもみあげに触れ、肝に銘じておく。
図星だった。
晴朗太は何かオシャレがしたくなった結果、眉毛を整えようと思い至った。
恋々子は半笑いで言う。
晴朗太の背は168㎝と高いほうではなかった。
もっとも、染谷家は全員似たような感じである。
恋々子は自称150㎝、純朗も成長期ではあるもののやっと160㎝になったばかり。
そもそも、そういったモノを自分で買ったことがないので、晴朗太にはよくわからなかった。
それでも勉強はできるほうだったので、酸性とアルカリ性による洗浄力の違いは理解できていた。
一応、お医者さんも認める効果だから、毛穴のシミがどうしても気になるってんなら試してみるのもいいんじゃない?
けど、レチノールは副作用で紫外線に過敏反応を示すから、使うのは夜だけに留めた上、日中は絶対に日焼け止めを使うこと
矢継ぎ早に飛んでくる、聞き慣れない言葉に晴朗太の頭が限界を告げる。
恋々子は小生意気に片頬を釣り上げ、
どや顔で言い放った。